【2023年版】ピックアップ!10月に開催されるお城イベント・展覧会

10月は残暑が和らいで日中も過ごしやすくなっていき、お出かけにもってこいの季節ですね。そして全国のお城でも、秋らしさを感じられるイベントが多数開催されます。毎年恒例の名古屋城秋まつりのほか、勇壮な武者行列や秋の自然を満喫できる紅葉まつりなど、注目のイベントをご紹介します。

名古屋城/愛知県名古屋市】名古屋城秋まつり

名古屋城秋まつり
城内が紅葉で色づく秋の景色と共に多彩なイベントを楽しむことができる(画像提供:名古屋城総合事務所)

秋の名古屋城を多彩なイベントで満喫!

毎年恒例の「名古屋城秋まつり」を今年も開催。約1ヵ月半の期間にわたって、地元の演者による伝統芸能猿まわし公演、轟音が響き渡る火縄銃実演、メンバー10名が全員出陣する名古屋おもてなし武将隊14周年祭、尾張藩ゆかりの各自治体によるブース出展やステージパフォーマンスなど多彩なイベントを実施します。他にも、重要文化財「西南隅櫓」や茶席の特別公開、西の丸御蔵城宝館企画展「文化財を受け継ぐ」「家康と名古屋東照宮」など名古屋城の歴史を体感できる催しもお見逃しなく!

【名古屋城秋まつり】
開催日:2023年10月7日(土)~11月23日(木・祝)
開催時間:9:00~16:30(閉門17:00)※イベントによって開催時間が異なります
会場:名古屋城
料金:一般500円

【愛知県岡崎市】家康行列

家康行列
市民の中から公募で選ばれた家康をはじめとする武士団や姫列など500余名が行列に参加(画像提供:岡崎市観光協会)

勇猛な三河武士団らによる絢爛豪華な時代絵巻

徳川家康が亡くなった4月17日に近い日曜日に例年開催している岡崎の風物詩「家康行列」を、今年は秋に延期して実施します。家康行列は、徳川四天王の本多忠勝を祀る映世神社(現・龍城神社)の祭典として、江戸時代に岡崎藩の武士たちが隊列を組んで戦法を鍛錬した儀式が起源といわれています。2023年は伊賀八幡宮から乙川河川敷までのルートで、家康と徳川四天王をはじめとする三河武士団が騎馬と共に市の中心部を勇壮に練り歩きます。きらびやかな姫列や、行列の道中で少年武者・少女隊、鉄砲隊、槍隊が繰り広げる迫力の演武などにも注目!

【家康行列】
開催日:2023年10月28日(土)
開催時間:13:30~16:30予定(少雨決行)
会場:岡崎市(伊賀橋北交差点~乙川河川敷)
料金:無料

甲府城/山梨県甲府市】第50回信玄公祭り

信玄公祭り
武田軍が川中島に向けて出陣する様子を再現する「甲州軍団出陣」(画像提供:やまなし観光推進機構)

川中島へいざ出陣!戦国歴史絵巻が蘇る!

山梨が誇る戦国武将・武田信玄公の生誕日直前に昨年より変更され行われている「信玄公祭り」。祭りのメインは何と言っても、2日目に行われる甲州軍団出陣! 今年の信玄公役を務めるのはモデル・俳優の冨永愛さん。信玄公を中心に武田24将のそれぞれを大将とする軍団が編成され、約1000名を超える軍勢が舞鶴城(甲府城)公園に集結し、川中島へ出陣する様子を勇壮に再現します。鎧や兜で身を固めた武者たちが「風林火山」の旗をなびかせて歩く模様が、戦国ロマンを存分に感じさせてくれます。甲州軍団出陣の戦勝を祝う「戦勝を祝う賑わい城下町」など各種催しもお楽しみください。

【第50回信玄公祭り】
開催日:2023年10月27日(金)~10月29日(日)
開催時間:イベントによって時間が異なります
会場:舞鶴城公園、平和通りほか
料金:無料

大多喜城/千葉県夷隅郡】第49回大多喜お城まつり

第49回大多喜お城まつり
画像提供:大多喜町

初代城主・本多忠勝の武者行列が圧巻!

徳川四天王の本多忠勝が近世城郭へと大改修し、初代城主を務めた大多喜城。廃藩置県によって廃城となりましたが、昭和41年(1966)に県史跡に指定され、昭和50年(1975)に大多喜城(現・県立中央博物館大多喜城分館)が再建されたのを記念し、お城まつりが開催されるようになりました。今年は10月7日の前夜祭で城下町通りを夜間歩行者天国とし、光アート展や地元の踊りを披露。翌8日の本祭では、渡辺正行さんも参加する忠勝一行の武者行列のほか、ステージイベント、和楽器の演奏、お茶席などが催されます。

【第49回大多喜お城まつり】
開催日:2023年10月7日(土)・8日(日)
開催時間:前夜祭17:00~20:45頃/本祭10:00~16:30
会場:城下町通り、寺町通り(前夜祭)、B&G海洋センター野球場(本祭)
料金:無料

弘前城/青森県弘前市】弘前城菊と紅葉まつり

弘前城菊と紅葉まつり
画像提供:弘前観光コンベンション協会

東北屈指の古城が鮮やかな紅葉で彩られる!

東北地方で唯一の現存天守を誇る弘前城は、藩政時代の面影を残しながら、豊かな自然に囲まれた公園として整備されています。現在は桜の名所として有名ですが、絶景紅葉スポットとしても人気で、毎年10月末~11月にかけて「弘前城菊と紅葉まつり」を開催。約1100本の楓と約2600本の桜が美しい色を放ち、フラワーアートの展示や市民菊花展などで古城の秋をいっそう華やかに演出します。また夜間には、錦の灯りと篝火(かがりび)を設置して特別ライトアップを行い、日中とは違った表情の歴史的光景を楽しむことができます。

【弘前城菊と紅葉まつり】
開催日:2023年10月27日(金)~11月5日(日)
開催時間:9:00~20:00(最終入園19:30。紅葉特別ライトアップは16:00~21:00)
会場:弘前公園(メイン会場:弘前城植物園)
料金:弘前城植物園…一般320円/弘前城植物園・本丸・北の郭・藤田記念庭園の共通入園券…一般520円

大阪城/大阪府大阪市】特別展「上方の家康」

特別展「上方の家康」
洛中洛外図屏風(左隻、二条城部分)(画像提供:大阪城天守閣)

天下人へと登り詰めた徳川家康の上方での活動に迫る

徳川家康は東国で領土を拡大しつつも、京都・大坂を中心とする上方とも接点を持ち、織田信長や豊臣秀吉が打ち立てた政権と連携していました。そうした家康の上方とのつながりや、上方での活動に焦点を当てた特別展を大阪城天守閣で開催します。京都における徳川幕府の拠点・二条城が左隻の中央に大きく描かれた「洛中洛外図屏風」などの展示を通じて、家康が進めた天下取りの実相に迫ります。

【特別展「上方の家康」】
開催日:2023年10月7日(土)~11月26日(日)
開催時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
会場:大阪城天守閣3・4階展示室
料金:一般600円

【姉小路氏城館跡/岐阜県飛驒市】山城シンポジウム「姉小路氏城館跡の実像に迫る」

山城シンポジウム「姉小路氏城館跡の実像に迫る」
画像提供:飛騨市教育委員会事務局文化振興課

飛驒市の山城を専門家と楽しくディープに学ぶ

姉小路氏城館跡とは、飛驒市古川町一帯にある古川城跡・小島城跡・野口城跡・小鷹利(こたかり)城跡・向小島城跡の総称です。戦国時代に飛驒を支配した姉小路氏や三木氏、金森氏らの武将によって築かれ、時代ごとに手が加えられました。そうした飛驒市の山城の歴史や構造を楽しく学べるよう、「姉小路氏城館跡の実像に迫る」というテーマでシンポジウムを開催。中井均先生(滋賀県立大学名誉教授)、加藤理文先生(日本城郭協会理事)、仁木宏先生(大阪公立大学教授)、山村亜希先生(京都大学大学院教授)、渋谷啓一氏(文化庁主任文化財調査官)、内堀信雄氏(岐阜市ぎふ魅力推進部文化財保護課主幹)ら6名の専門家を招き、講演と討論会を行います。事前申込も料金も不要なので気軽に足を運び、飛驒市の山城への理解を深めてみてはいかがでしょうか。

【山城シンポジウム「姉小路氏城館跡の実像に迫る」】
開催日:2023年10月29日(日)
開催時間:9:30~15:30(9:00受付。当日先着600名)
会場:飛驒市文化交流センター スピリットガーデンホール
料金:無料

勝連城/沖縄県うるま市】勝連城・現代版組踊フェスティバル

勝連城・現代版組踊フェスティバル
画像提供:あまわりパーク管理事務所

夜のグスクで感動の舞台が繰り広げられる!

組踊とは沖縄の古代からの伝統芸能で、台詞と沖縄の伝統的な音楽と舞踊、さらに舞踊を基礎とした所作で展開される歌舞劇です。そんな組踊を現代的にアレンジした「現代版組踊」がうるま市から始まり、現在は全国に活動の輪が広がっています。そしてこのたび「現代版組踊フェスティバル」の開催が決定! 普段入ることのできない夜の勝連城四の曲輪で、壮大かつ感動の舞台が2夜にわたって繰り広げられます。あまわりパークで土日祝日にライブパフォーマンスに出演しているメンバーが所属する「肝高の阿麻和利」をはじめ、多彩な現代版組踊をお楽しみください。

【勝連城・現代版組踊フェスティバル】
開催日:2023年10月21日(土)・22日(日)
開催時間:19:00~(開場18:00)
会場:勝連城跡 四の曲輪
料金:大人1000円。中学生以下無料(HPで要事前申込。当日自由席)※大人の入場料には特典として1名につき1枚勝連城跡観覧チケット付き

執筆/城びと編集部

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