超入門! お城セミナー 超入門!お城セミナーまとめ【鑑賞編 Vol.4】

初心者向けにゼロからわかりやすく解説する「超入門!お城セミナー」。そのうち、天守、石垣、城門といったお城の見どころを鑑賞する際に押さえておきたいポイントをまとめました。お城めぐりが初めての方も、もっと細部まで掘り下げて鑑賞したいという方も必読です!


現存する建物がない山城…もともとどんな建物があったの?

お城ブームの高まりと共に、以前から観光地として人気があった城のみならず、中世の山城にもスポットが当てられるようになってきました。そんな山城を訪れた山城初心者からよく聞かれるのが、「なぜ天守や櫓などの建物が残っていないの?」「建物がないからただの山の中にしか見えず、どこがどうお城なのかわからない」といった声。

実は、中世に軍事施設として築かれ、その後近世城郭に改修されることなく、そのままの姿で山中に残っている本来の山城には現存建造物は皆無なのです。同じ「城」なのに、建造物が残っている城と何もない城がある…その理由は? 

杉山城
杉山城(埼玉県)は、技巧的な縄張が楽しめる上に比高差が小さく歩きやすい城として人気の山城。堀や馬出などの遺構もほぼ完全に残っているが、近世城郭に見られるような建物は一切見られない

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第105回【鑑賞】なぜ山城には建物が残っていないの?

あなたが住んでいる身近な場所に、城の痕跡が隠れている!

日本全国には3万とも4万ともいわれるほど、無数の城があるといいます。つまり、観光地として知られている城は全体のごく一部にすぎず、地元の人しか知らない城、地元の人にもほとんど知られていない城がたくさんあるということです。

では、その大多数の知られざるお城はどんな所に“隠れている”のか? どうやって探せばいいのか? そのヒントは、地名、街の構造、そして地形です。

名古屋城
名古屋市役所や愛知県庁の住所は「名古屋市中区三の丸」。かつてこの地が名古屋城の三の丸だったことからついた地名だ

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第100回【鑑賞】実はこんな所もお城だった!?私たちの身近にある城跡を探すヒントを教えて!

江戸城惣構を守っていた城門「見附」は、東京のあちこちで見られる!

江戸城(東京都)と聞くと現在皇居があるエリアが真っ先に思い浮かびますが、かつての江戸城はその外側にある城下町全体を外濠でぐるりと囲む「総構(そうがまえ)」で、濠には橋と「見附(みつけ)」と呼ばれる城門が設置されていました。

多いときで90以上あったという江戸城の見附。近代以降の都市開発とともに多くの見附が失われてしまいましたが、当時を偲ぶことができる見附跡が都心の意外な場所に現存しています。

江戸城、牛込門
牛込門の一部を形成していた石垣。近年の整備で見やすくなり、観賞用のデッキが付いたのが嬉しい

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第116回【鑑賞】もうひとつの江戸城!? 東京中心地に残る「見附」を歩く

廃城になったお城がホテルや遊園地に“転生”した!

かつて全国に林立していた城は、江戸時代の一国一城令や明治時代の廃城令で多くが機能を停止。その後、観光地や史跡としてきちんと保存された城は全国でもごく一部で、残りの大多数は廃城とともに市街地に埋もれていきました。

城跡の広い敷地は官公庁や学校などに活用されましたが、中には宿泊施設やレジャー施設など意外な施設に生まれ変わったものもあるのです!

浜名湖パルパル、堀江城
静岡県浜松市の「浜名湖パルパル」。どこからどう見ても遊園地だが、ここはかつて堀江城という城だった

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第115回【鑑賞】意外な施設に生まれ変わったお城を知りたい!<第1弾>

雪国の城ならではの“寒さ対策”とは?

木造建築で構成された近世城郭を存続・維持するために防火対策が重要視されていましたが、雪国の近世城郭では、雪と寒さへの対策が最優先事項でした。では、具体的にどんな工夫を凝らしていたのか?

その答えを探るべく、弘前城(青森県)や松本城(長野県)など、建築物が現存する名城をはじめとする雪国の城を見てみましょう。寒さで破損しない屋根材を用い、強い横なぐりの風雪に耐える壁を採用するなど、雪国の城ならではの築城技術が施されていたのです。

弘前城
冬の弘前城。初代天守は江戸時代初期に落雷で焼失したが、文化7年(1810)に再建。以降、200年以上の風雪を耐えしのぐ

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第103回【鑑賞】お城の屋根や壁を雪から守る驚くべき工夫とは?

加藤清正が籠城戦を戦い抜くため熊本城に施した秘策とは?

熊本城(熊本県)といえば、築城名人・加藤清正による過剰ともいえる防御が特徴。そんな清正の防御に対するこだわりは「食」にまで及んだといいます。

籠城戦においては防御施設だけでなく、将兵の食料をしっかり用意することも大切。そこで清正は、兵糧が尽きた後も将兵が生き残れるように城内のあらゆるものを「食べられる」ようにしてしまったのです!

熊本城
大イチョウと天守。清正はイチョウを植えた際に、「この木が天守と同じ高さになった時、城に異変が起こる」という予言を残したという逸話も残る(熊本地震以前に撮影)

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第107回【鑑賞】熊本城にはたくさん食べものが隠れているって本当?

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第100回【鑑賞】実はこんな所もお城だった!?私たちの身近にある城跡を探すヒントを教えて!
第103回【鑑賞】お城の屋根や壁を雪から守る驚くべき工夫とは?
第105回【鑑賞】なぜ山城には建物が残っていないの?
第107回【鑑賞】熊本城にはたくさん食べものが隠れているって本当?
第115回【鑑賞】意外な施設に生まれ変わったお城を知りたい!<第1弾>
第116回【鑑賞】もうひとつの江戸城!? 東京中心地に残る「見附」を歩く

執筆/城びと編集部

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