2023/05/24
【2023年版】花に清香あり 城に夢あり〜夏の花咲くお城たち〜
春から夏へと移り変わるこれからの季節は、たくさんの種類の花が美しく咲き誇ります。今回は、そんな初夏~夏の花を見られるお城を、イベント情報とともに紹介します。お城めぐりと合わせてお楽しみください! ※2019年6月7日初掲
■ハナショウブ■
[菖蒲城/埼玉県久喜市]名前のとおりハナショウブに囲まれた城跡

50品種1万6000株のハナショウブが出迎える
菖蒲城(埼玉県)の名前は、古河公方・足利成氏が金田式部則綱(かねだしきぶのりつな)に命じて築城させた時、竣工日が5月5日の「菖蒲の節句」だったことに由来。豊臣秀吉の小田原攻め後、廃城となり、現在は城址の石碑のみ残っています。花の見頃にあわせて開催されるブルーフェスティバルでは、土日にさまざまなイベントが行われます。
[小田原城/神奈川県小田原市]ハナショウブとアジサイを一度に楽しめる!

門や石垣と花々のコラボも
北条氏の居城だった小田原城(神奈川県)の東堀では、1万株のハナショウブと、2500株のアジサイを楽しめます。常盤木門や石垣と花々を一緒に写真に収めることも可能。夜間のライトアップのほか、出店や野外コンサートなども行われます。
[城名]小田原城
[見頃]ハナショウブ:5月下旬〜6月中旬 アジサイ:6月上旬〜7月上旬
[イベント/開催日時]小田原城あじさい花菖蒲まつり/2023年6月3日(土)〜6月18日(日)
[アクセス]小田原駅から徒歩約10分
[曽根城/岐阜県大垣市]色とりどりのハナショウブが一面に

白や紫、黄色などのハナショウブが見られる
西美濃三人衆のひとり、稲葉一鉄の居城跡を整備した曽根城公園(岐阜県)。カラフルな2万8000本のハナショウブが植えられています。「花しょうぶ祭」当日は例年、舞台発表やバザーが行われます。花が見頃を迎えると日没から21時までライトアップもあり。
■アジサイ■
[下田城/静岡県下田市]約15万株のアジサイに覆われた城

下田市街や下田港も一望できる
豊臣秀吉の小田原攻めに対し、後北条氏が南伊豆の防衛拠点として築城したのが、下田城(静岡県)です。現在は公園として整備されている下田公園は、空堀などの遺構が残るほか、100種以上、約15万株・300万輪のアジサイで埋めつくされています。「あじさい祭」の期間中、毎日ご当地料理が味わえるほか、日曜日には舞、太鼓の演奏などが行われます。さらに、まちあるきアプリをダウンロードすれば、ARで再現した下田城の史跡を体験できます!
[津城/三重県津市]お堀沿いにアジサイが咲き誇る

石垣とアジサイを一緒に写真に収めよう
続日本100名城にも選ばれている津城(三重県)。お城公園として整備されている現在、西側の入り口にアジサイロードがあります。これらのアジサイは地域の団体や近隣の商店街から寄贈されたもので、時期になると石垣の堀にそって鮮やかに咲き誇ります。
[和歌山城/和歌山県和歌山市]梅雨を彩る170本のアジサイ

建物だけでなく花も見逃さず!
和歌山城(和歌山県)の北西側、砂の丸のすぐ東隣にある区画を、かつての城主・浅井家が鶴を飼っていたことから「鶴の渓(たに)」と呼びます。ここに約170株のアジサイが植えられており、青・紫・ピンクとさまざまな色が楽しめます。
■ハス■
[久保田城/秋田県秋田市]佐竹氏の居城跡はハスの名所

堀一面をハスが覆い尽くす
久保田城(秋田県)は、1602年に常陸から国替えとなった佐竹義宣(さたけよしのぶ)が、翌年に台地を利用して築城した平山城です。幕末まで佐竹氏の居城として活躍。石垣はほとんどなく、周囲に堀と土塁をめぐらせました。当時の様相を残す堀は、夏になると一面ハスに覆われます。現在は千秋公園として整備されています。
[高田城/新潟県上越市]「東洋一の美しさ」を誇る

和連と呼ばれる、日本古来からの品種が咲く
徳川家康の六男・松平忠輝(まつだいらただてる)によって築城された高田城(新潟県)。明治はじめ、維新の政策や凶作が重なり経済的に困窮を極めた藩を救うため、レンコンの大量栽培を目的に植えたのがはじまり。現在では外堀のほとんどを埋めつくし、「東洋一美しい」と賞賛されるようになりました。「高田城址公園観蓮会」では例年、観蓮茶会、はすの実アート、はす麺の販売など多岐にわたるイベントが行われています。
[城名]高田城
[見頃]7月下旬〜8月中旬
[イベント/開催日時]高田城址公園観蓮会/2023年7月15日(土)~8月20日(日)
[アクセス]えちごトキめき鉄道・妙高はねうまライン高田駅から徒歩約15分。またはバスで「高田城址公園入口」下車徒歩5分
お花とお城のコンビネーションは心が癒されますよね。また、イベントがあるとお城に足を運びやすくもなりますし、ぜひお城とお花を堪能してみては? ほかに記事「2023年注目!イベント・復元が行われる城」も併せてチェックしてみてください!
執筆・写真/かみゆ歴史編集部 (二川智南美)
「歴史はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。