真田一族の城|平山優 第4回 本原の真田氏館跡を考察する(上)

前回まで縷々説明してきたように、真田幸綱は、真田右馬允綱吉の実弟で、惣領ではなかったにもかかわらず、武田信玄の信頼を勝ち取り、兄綱吉を差し置く形で真田氏の事実上の当主となり、村上義清没落後は本領真田を与えられることになった。そのため、かつての真田氏の居館があった松尾城下の日向畑屋敷は再興されず、真田郷の山家屋敷が造営されたわけである。しかし、真田氏の居館跡は、もうひとつ本原に伝えられており、小字「御屋敷」に巨大な土塁に囲繞され、今も偉容を誇っている。

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