2024/12/18
【2025年版】ピックアップ！1月に開催されるお城イベント・展覧会
街全体が正月ならではの祝賀ムードに包まれる新春は、全国各地のお城でもおめでたいイベントや特別な企画展が多く開催されます。その中から、普段は開放していない歴史的空間に入室できる「世界遺産 二条城の早春」や、初開門など特別な催し満載の「名古屋城冬まつり」など注目のイベントをご紹介します。
【二条城／京都府京都市】世界遺産 二条城の早春
左：二の丸御殿＜大広間＞帳台の間 右上：帳台の間障壁画《武蔵野図》部分 右下：帳台の間障壁画《竜田風俗図》（部分）（画像提供：京都市PR事務局）
徳川将軍たちが出入りしていた帳台の間を初公開！
新春から世界遺産・二条城の歴史や文化の魅力に触れることのできるイベントとして毎年恒例の「二条城の早春」。今年は何と、国宝・二の丸御殿の＜大広間＞帳台の間を初公開！ 一の間で将軍が来客と対面する際に出入りしたと考えられ“武者隠し”とも呼ばれる部屋を廊下側から観覧し、京都御所から転用された名所絵などの障壁画も鑑賞できます（1月4日～1月27日）。さらに展示収蔵館では障壁画の原画を公開します（12月23日～2月23日）。
左：香雲亭で振る舞われる特別昼食 右：香雲亭からの庭園「清流園」の眺め（画像提供：京都市PR事務局）
また、普段非公開の香雲亭では、人数限定・完全予約制の特別昼食を提供（1月11日～2月28日）。昭和の名作庭家・中根金作の設計による庭園「清流園」を眺めながら、老舗料亭が提供する京料理を優雅に堪能してはいかがでしょうか。
【世界遺産 二条城の早春】
開催日：2024年12月23日（月）～2025年2月28日（金）
※12/29～31休城。12/26～28、1/1～3、毎週火曜は二の丸御殿の観覧休止
開催時間：イベントによって異なります（開城時間は8:45～16:00）
会場：二条城
料金：イベントによって異なります（入城＋二の丸御殿観覧料1300円が別途必要）
【名古屋城／愛知県名古屋市】名古屋城冬まつり
画像提供：名古屋城総合事務所
名古屋城でお正月気分を満喫！
名古屋城では新春を祝うとともに来場者をおもてなしする「名古屋城冬まつり」を毎年正月に開催しています。今年も「尾張万歳今枝社中」「名古屋おもてなし武将隊®」「PSJあいち戦国姫隊」「徳川家康と服部半蔵忍者隊」たちがにぎやかにお出迎えする初開門で幕を開け、城内西之丸にある推定樹齢600年のカヤの木の実を用いた焼き菓子や新春運だめしダルマ張子のプレゼント、さらに「たべる あそぶ まなぶ」をテーマにした期間限定の金鯱座などでお正月気分を楽しめます。また、1月2日～8日まで重要文化財・西南隅櫓の特別公開も実施。この機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
【名古屋城冬まつり】
開催日：2025年1月1日（水・祝）～1月5日（日）
開催時間：9:00～16:30（閉門17:00。本丸御殿、西南隅櫓、西の丸御蔵城宝館への最終入場は16:00まで）
会場：名古屋城
観覧料：500円
【松本城／長野県松本市】国宝松本城 新春祝賀特別公開
三が日の間は毎朝、国宝松本城おもてなし隊が黒門を開門する（写真提供：松本城管理課）
国宝松本城古城太鼓の皆さんが松本城をバックに和太鼓の演奏を披露（写真提供：松本城管理課）
三が日は国宝松本城へ足を運ぼう
国宝松本城で多くの人に新年を祝ってもらえるよう「新春祝賀特別公開」を開催。三が日の間、本丸庭園が無料開放され、より気軽に足を運ぶことができます。ほかにも、国宝松本城おもてなし隊が黒門を開門する「新春開門の儀」、国宝松本城古城太鼓の演奏、天守を望みながらの新春書初めなどを実施。新春ならではの特別な雰囲気が漂う松本城めぐりを楽しんではいかがでしょうか。
【国宝松本城 新春祝賀特別公開】
開催日：2025年1月1日（水・祝）～1月3日（金）
開催時間：10:00～15:30（最終入場15:00）
会場：松本城 本丸庭園
料金：無料（天守登閣は有料）
【首里城／沖縄県那覇市】新春の宴～首里城で迎える初春の慶び～
画像提供：首里城公園管理センター
琉球王国時代の正月を体験しよう
首里城で毎年恒例の「新春の宴」を2025年も開催。琉球王国時代に行われた正月儀式「朝拝御規式（ちょうはいおきしき）」のほか、国王と王妃の姿を間近に見ることができる「国王・王妃出御」、琉球王国時代の宮廷音楽「御座楽（うざがく）」の演奏、琉球舞踊や琉球古典音楽演奏を披露する「琉球芸能の宴」など、お正月らしい華やかなイベントが盛りだくさん！ ほかにも、首里城解説員が首里城の歴史・文化について解説する「新春特別ぐるっとツアー」、正殿復元工事の端材を用いたストラップ作りなど、お城好きにおすすめのイベントもぜひご体験ください。
【新春の宴～首里城で迎える初春の慶び～】
開催日：2025年1月1日（水・祝）～1月3日（金）
開催時間：イベントによって異なります（有料区域の開城時間は8:30～18:00）
会場：首里城公園
料金：400円（沖縄県民割320円）
【今帰仁城／沖縄県国頭郡】第18回今帰仁グスク桜まつり
画像提供：一般社団法人 今帰仁村観光協会
ひと足早い春の訪れを沖縄のグスクで感じる
世界遺産・今帰仁城で毎年開催されている恒例の桜まつり。今回も今帰仁城跡と毎年1月中旬から2月初めにかけて咲き誇る桜（ヒカンザクラ）や城壁を、青や緑などの光で美しくライトアップ。さらに、平朗門から城内へと続く参道でも、ロウソクの灯りによる「グスク花あかり」が演出され、城内を幻想的に彩ります。また昼間も、今帰仁の史跡巡りガイドツアーや、村内の事業者がとっておきの品を販売する「さくらマルシェ」に伝統芸能公演など楽しいイベントを実施します。
【第18回今帰仁グスク桜まつり】
開催日：2025年1月25日（土）～2月2日（日）
開催時間：8:00〜21:00（最終入場20:30）※ライトアップは18:00～21:00
会場：今帰仁城跡
料金：600円
【会津若松城／福島県会津若松市】収蔵品展「城下絵図」
「若松城下絵図屏風（部分）」（画像提供：一般財団法人 会津若松観光ビューロー）
江戸時代の絵図から会津若松城の姿に思いを馳せる
会津若松城では収蔵されている資料を展示する収蔵品展を定期的に開催しています。2025年の第１弾は「城下絵図」をテーマに、江戸時代に描かれた貴重な城絵図や城下絵図を公開します。「若松城下絵図屏風」「追鳥狩図屏風」など、いろいろな描かれ方をしている絵図を通じて、当時のお城や城下の様子に思いを馳せてはいかがでしょうか。
【収蔵品展「城下絵図」】
開催日：2025年1月25日（土）～4月1日（火）
開催時間：8:30～17:00（最終入場16:30）
会場：会津若松城天守閣郷土博物館 1層企画展示室
料金：410円
【小田原城／神奈川県小田原市】特別展「小田原城とその城下を掘る！」
画像提供：小田原城
長年に及ぶ小田原城の発掘調査の成果を公開
小田原城とその城下では、昭和57年（1982）の御用米曲輪から本格的に発掘調査を開始。600ヵ所以上での調査を通じて、戦国時代の小田原城がどのように発展し、江戸時代に引き継がれてきたのかが明らかになりつつあります。今回の特別展では、その中で出土した「かわらけ」などの豊富な遺物や、堀・石垣の遺構写真などを特別に展示。戦国時代と江戸時代の小田原城の面影を、ぜひ目に焼き付けてください。
【特別展「小田原城とその城下を掘る！」】
開催日：2024年11月30日（土）～2025年2月24日（月・休）※12/11・31は休館
開催時間：9:00～17:00（最終入場16:30）
会場：小田原城天守閣4階企画展示室
料金：510円
【菅谷館／埼玉県比企郡】企画展「城ってなんだ」
画像提供：埼玉県立嵐山史跡の博物館
これを見ればお城の見方がもっと深くなる！
埼玉県を代表する“土の城”菅谷館の中に建つ埼玉県立嵐山史跡の博物館で、ズバリ「城とは何か？」をテーマにした企画展を開催。中世に城が出現して以降、社会の中で担った役割の変化に注目しながら、城とはどのような場所だったのか、研究はどう進められてきたのか、現地に残る遺構をどう読み取るかなど、城をより楽しく深く理解するためのポイントを紹介します。中世の城館の姿を物語る絵画・出土品や江戸時代の軍学書など、興味深い史料が多数展示されるのでお見逃しなく！
【企画展「城ってなんだ」】
開催日：2025年1月11日（土）～3月2日（日）※1/13・2/10・2/24を除く毎週月曜休館
開催時間：9:00～16:30（最終入場16:00）
会場：埼玉県立嵐山史跡の博物館
料金：100円
【佐賀城／佐賀県佐賀市】第240回歴史館ゼミナール「名護屋城跡と大名陣跡」
画像提供：佐賀県立 佐賀城本丸歴史館
“幻の名城”名護屋城の歴史を解き明かす
佐賀城本丸御殿の一部を復元した佐賀城本丸歴史館では、館長・学芸員・外部講師を招き、様々な演題を設けて年に12回のゼミナール（講演会）を開催しています。2025年の幕開けを飾る1月のテーマは「名護屋城跡と大名陣跡」。佐賀県立名護屋城博物館学芸課長の宮崎博司氏が、名護屋城跡の築城から白が使われなくなった時期までの状況を解説。さらに、その周辺に設けられた大名陣跡の様子や滞在した大名たちのエピソードを紹介しつつ、城下町を含めた肥前名護屋の歴史に迫ります。
【企画展「城ってなんだ」】
開催日：2025年1月18日（土）
開催時間：13:30～15:00（受付13:00）
会場：佐賀県立佐賀城本丸歴史館 外御書院
料金：無料（当日受付。定員約100名）
執筆／城びと編集部
