2022/08/15
<出張!お城EXPO>情報 「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖2022」会場から1時間圏内のお城とコラボツアー
9月18日(日)に滋賀県甲賀市で開催される「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖2022」。せっかくお城EXPOに参城するなら、会場周辺の城も楽しみたいですね。最寄り駅の近江鉄道「水口城南駅」から1時間以内でアクセスできるお城をご紹介します。お城EXPOに合わせて9月17日~19日に開催される「コラボツアー」に参加するのもおすすめです!
9月18日(日)に滋賀県甲賀市で開催される「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖2022」は、日本100名城パネル展といった「お城EXPO」の一部展示やお城EXPOオリジナルグッズの販売のほか、開催地である滋賀県甲賀市ならではのお城のスペシャリストによる講演や展示などが楽しめるイベントです。しかも! 会場のそばにはイベントと一緒にぜひ訪れていただきたいお城が沢山! 今回は、会場から1時間圏内のお城と、またイベントにあわせて開催されるコラボツアーをご紹介します。
▶「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖2022」の詳細は「2022年9月18日『忍者の里』甲賀で「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖 2022」開催!」(https://shirobito.jp/article/1607)をチェック!
■水口城南駅から徒歩で約3分 まずは会場至近の水口城を攻略!
滋賀県南部に位置し、三重県と接する甲賀市。その中心である水口(みなくち)は、京都から伊勢に通じる要所として、中世後期頃から町並みが形成されていました。慶長6年(1601)には東海道の宿駅に指定され、徳川家康もしばしば水口を訪れています。
水口城の本丸の北西に設けられた乾櫓台の石垣
寛永11年(1634)、3代将軍・徳川家光の上洛に先立って水口城が築かれました。作事奉行に命じられたのは、庭園や茶道でも力を発揮した小堀政一(遠州)。小堀政一は大坂城の千貫櫓や、二条城の二の丸御殿庭園を手がけたことでも知られます。
水口城は、水堀と石垣をめぐらせた本丸と二の丸から成り、本丸内部には御殿が建てられました。二条城とよく似た構成です。
出丸の部分に復元された櫓が、水口城博物館となっている
水口城は湧水を利用した水堀を構えた姿から、「碧水城(へきすいじょう)」とも呼ばれました。明治時代に廃城となった後、現在は櫓が復元され水口城博物館として公開されています。
■水口城南駅から徒歩で約30分 会場から少し登って水口岡山城へ!
水口城から東に約2㎞、小高い山上に水口岡山城が築かれました。天正13年(1585)に豊臣秀吉が家臣の中村一氏に築かせた後、石田三成と同じ五奉行の増田長盛が天正18年(1590)に、長束正家が文禄4年(1595)に城主となりました。
水口岡山城の本丸の石垣。近年の発掘調査により石垣が出土している
関ヶ原の戦いで長束正家は西軍に味方したため、水口岡山城は落城し、日野(滋賀県南東部)へ逃れた長束正家は自刃しました。城内では、関ヶ原の戦いの後に人為的に城を破壊した、「破城」の跡が見つかっています。
水口岡山城の本丸跡から市街を一望すると、水口城も見える(写真中央付近)
豊臣氏から徳川氏への政権の移り変わりを感じられる、水口城と水口岡山城。両城を歩いて巡るコラボツアーが、「出張!お城EXPO」の講演終了後に開催されます! 両城を知り尽くした、みなくち観光ボランティアガイド部のご案内です!
9月18日(日)開催 「近江水口 城巡りウォーキング」
▼コラボツアーの詳細はコチラを参照!
■水口城南駅から鉄道と徒歩で約45分 甲賀郡中惣遺跡群を攻略!
戦国時代に甲賀国(滋賀県南部)の小領主(土豪や地侍)が連合し、甲賀郡一帯に形成された自治組織に関する遺跡群のことを、「甲賀郡中惣(ちゅうそう)遺跡群」と呼びます。甲賀市にある5カ所の城(城前城、村雨城、新宮城、新宮支城、竹中城)が国指定史跡に指定されています。
国指定史跡のひとつ、新宮支城の登城口
甲賀郡中惣は、織田信長の近江国(滋賀県)侵攻による軍事的な緊張の高まりを背景に、形成されたと考えられています。甲賀の武士たちは、近江国の守護・六角氏の主力を担いましたが、元亀元年(1570)に野洲川の戦いで敗北すると、信長の配下に入ります。その後、羽柴(豊臣)秀吉の兵農分離政策によって、甲賀郡中惣は機能しなくなりました。
高くて厚い土塁で囲んだ城館が数多く築かれた(画像は新宮支城)
甲賀郡中惣遺跡群をまとめて巡るだけでなく、甲賀忍者がガイドするコラボツアーが開催されます! 甲賀郡中惣遺跡群のほか、織田信長の重臣・滝川一益が攻略したと伝わる土山城(甲賀市)や、前述した水口城にも転戦! 7城分の御城印が入手できる、うれしい特典付きです!(※9/5追記 ご好評につき定員満席となりました)
9月17日(土)開催 「甲賀忍者と行く!甲賀の城郭めぐり」(
▼コラボツアーの詳細はコチラを参照!
■水口城南駅から最寄り駅まで約1時間 伊賀上野城に遠征!
甲賀の城を攻略した後は、忍者つながりで伊賀上野城(三重県伊賀市)まで足をのばしてみてはいかがでしょうか。水口城南駅から、伊賀上野城の最寄り駅「伊賀上野駅」まで所要は約1時間です。
伊賀上野城は、「築城の名手」藤堂高虎が築いた、高さ約30mの高石垣が最大のみどころ。また、伊賀上野城が立つ上野公園には「伊賀流忍者博物館」がありますので、伊賀忍者と甲賀忍者を比べてみるのも興味深いですね。
伊賀上野城本丸の西側に築かれた、高さ約30mの高石垣
そう言えば、来年のNHKの大河ドラマの主人公は徳川家康です。家康や伊賀と聞くと「伊賀越え」を思い出す方も多いのではないでしょうか。
織田信長が明智光秀に背かれた「本能寺の変」が起きたとき、家康は堺(大阪府堺市)を見物して、信長のいる京都に向かう途中でした。命の危険を感じながら家康は、本拠地の浜松城(静岡県浜松市)へ何とか帰還します。そのときに家康を助けたのが、伊賀や甲賀の忍者だったと考えられています。
伊賀越えで家康が一夜を明かしたと伝わるのが、小川城(甲賀市)です。甲賀市の南西部に位置し、伊賀上野城のある伊賀市に近い場所でもあります。
この小川城を訪ね、家康の伊賀越えに想いを馳せるコラボツアーも開催されます。なんと、昼食は小川城でいただくとのこと!ぜひコラボツアーに参加して、来年の大河ドラマを先取りしたいですね!(※9/5追記 ご好評につき定員満席となりました)
9月19日(月)開催 「2023大河先取り!徳川家康ゆかりの地ツアー」
▼コラボツアーの詳細はコチラを参照!
「甲賀武士」や「徳川家康」、「関ヶ原の戦い」、「東海道の宿駅」など、水口には多彩なテーマの城が集まっています。コラボツアーを活用し、水口ならではの城の変遷や歴史を体感してみてはいかがでしょうか?
コラボツアーの詳細は、出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖の公式サイト(https://shiroexpo-shiga.jp/)をご確認ください!
▼もっと滋賀県のお城が知りたい方は、出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖 公式サイトをチェック
執筆・写真/藪内成基(やぶうちしげき)
国内・海外で年間100以上の城を訪ね、「城と旅」をテーマに執筆・撮影。著書『講談社ポケット百科シリーズ 日本の城200』(講談社、2021)。『地図で旅する! 日本の名城』(JTBパブリッシング)や『1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365歴史編』(文響社)などで執筆。日本お城サロン(まいまい京都主催)のコーディネーターを務める。
※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報(パンフレット、自治体のWEBサイト等)を参考にしています。