実際に住んだら周囲は土塁しか見えない。居心地はどうなのか。
(2023/06/26 訪問)
新宮支城は甲賀郡中惣遺跡群の一つとして国の史跡に登録されています。
東側の道路からアクセスでき、木のクイに新宮支城の標識があります。
登り口はいささか急で、小雨の天候もあり黄ロープが無ければ足を
滑らせてしまうかもしれません。
このあたりの土は黄色く、粘土質なのか雨の日はとくに滑りやすいようです。
本郭は周囲を高い土塁で囲い、東側の虎口から西側の奥手にかけて
土塁の高まりがより高くなっているようです。
主郭の周囲を高い土塁で囲うのはこの地域の城郭の特徴ですが
新宮支城の土塁はその中でもかなり高い方です。
主郭の北側に小さい丘のような郭があり、その間に堀切があるのですが
もともと主郭と一つの地形で堀切を削り取った土で土塁を盛ったのではないかと
考えました。そうだとすれば、地形を変えてしまうほどの
当時の地侍の執念には頭が下がります。
補足‥甲賀・伊賀の地層は古琵琶湖層群といい、良質な粘土の産地で
古来から信楽焼や伊賀焼など焼き物の産地でもあります。
雨の日にこの周辺を訪問して足元が危ないなと感じたのはそのせいかもしれません。
関東ローム層や九州のシラス台地など土の城は自然の影響を受けやすい
ので訪問時は注意を払いたいと思います。
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