【2025年版】ピックアップ!2月に開催される城イベント・展覧会

暦の上では立春を迎える2月。東北や北陸では雪が降り積もる一方、花のつぼみがほころび始めるなど春の気配が少しずつ感じられるようになります。そんな2月に全国のお城で開催されるイベントをご紹介します。季節の風物詩として親しまれている弘前城雪燈籠まつりや水戸の梅まつり、さらに姫路城の特別公開など今しか体験できないイベントをお見逃しなく!

姫路城/兵庫県姫路市】姫路城 冬の特別公開

姫路城冬の特別公開
との一門から見た大天守(画像提供:姫路城管理事務所)

姫路城の高い防御力を示す搦手周辺を公開!

近世城郭の代表的な遺構として良好に保存され、2023年には世界遺産登録30周年を迎えた姫路城。そんな名城において通常非公開のエリアを観覧できる特別公開を、2024年秋に引き続き開催します。今回公開されるのは、姫路城の東側に位置する地形と城郭の構造を利用して高度な防御力を実現した搦手周辺。との二門に向けて格子窓から射撃できる「トの櫓」、城内に残る櫓門のうち唯一白漆喰を塗っていない「との一門」、2つの城門と土塀が城内で唯一残っている「枡形虎口」などを観覧できます。この貴重な機会をお見逃しなく!

【姫路城 冬の特別公開】
開催日:2025年2月15日(土)~3月2日(日)
開催時間:9:00~16:30(最終入城16:00、閉城17:00)
開催場所:姫路城
料金:200円(姫路城入城料が別途必要)

松本城/長野県松本市】国宝松本城天守ナイトツアー

国宝松本城天守ナイトツアー
画像提供:松本観光コンベンション協会

昼とは表情が異なる夜中の天守と月見櫓をご案内

普段は夜間入場を行っていない国宝・松本城で、市内ホテルでの宿泊付きナイトツアーを実施。松本のすべてを知り尽くした松本市公民館長会元会長の相澤由紀一さんをガイドに迎え、本丸庭園から夜の天守と月見櫓へとご案内します。昼間とは違った雰囲気が漂う天守の各階を巡りながら、通常非公開である隠し階「暗闇重」(天守3階)に潜入したり、天守6階から松本市内の美しい夜景を眺めることができます。特別な夜の時間をぜひお楽しみください。

【国宝松本城天守ナイトツアー】
開催日:2025年2月1日(土)・7日(金)・8日(土)・14日(金)・15日(土)・21日(金)・22日(土)・28日(金)
開催時間:17:30~19:00(松本城黒門前集合)
開催場所:松本城
料金:宿泊費と観覧料のセット(料金は宿泊施設によって異なります)
※各日先着20名限定。各施設の宿泊予約サイトなどから事前申込

弘前城/青森県弘前市】第49回 弘前城雪燈籠まつり

第48回 弘前城雪燈籠まつり
画像提供:公益社団法人弘前観光コンベンション協会

雪化粧を施した現存天守と雪燈籠が幻想の世界へ誘う

津軽氏代々の居城で、現存12天守の一つでもある弘前城。桜の名所としても有名ですが、毎年2月に開催される雪燈籠まつりも、冬の風物詩としてお馴染みになっています。期間中は約150基もの雪燈籠や雪像を弘前公園内に配置。夜になると灯りがともされ、照明に浮かぶ弘前城とあいまって幽玄の世界へと誘います。さらに、本丸から岩木山に向かって望む蓮池の周りには蝋燭を灯したミニかまくら約300基が並び、メイン会場の四の丸には歴史的建造物などをかたどった大雪像や大きな滑り台も作られ、歴史的空間で雪の季節を存分に楽しめます。

【第49回 弘前城雪燈籠まつり】
開催日:2025年2月7日(金)~2月11日(火・祝)
開催時間:10:00~21:00(11日は20:00まで)
開催場所:弘前公園
料金:無料

会津若松城/福島県会津若松市】第26回 会津絵ろうそくまつり~ゆきほたる~

会津絵ろうそくまつり~ゆきほたる~
画像提供:会津まつり協会

職人技の絵ろうそくが名城と城下町を照らし出す

築城名人として知られる蒲生氏郷が築き、国内唯一の赤瓦の天守がそびえる会津若松城。毎年2月になると、1本1本に菊や牡丹などの季節の草花が色鮮やかに描かれた会津の伝統的工芸品「会津絵ろうそく」を城内や市内各所に約1万本設置。会津若松城では会津本郷焼の瓦燈や会津塗り燭台で会津絵ろうそくを灯し、御薬園では竹筒で心字の池を取り囲み、赤々とゆらめく炎のあかりで幻影のような世界を現出します。

【第26回 会津絵ろうそくまつり~ゆきほたる~】
開催日:2025年2月7日(金)~2月8日(土)
開催時間:17:30~20:30(7日は17:00から点灯式)
開催場所:会津若松城・御薬園、市内各所
料金:無料

金沢城/石川県金沢市】金沢城・兼六園四季物語~冬の段~

金沢城・兼六園四季物語~冬の段~
金沢城公園では櫓や石垣のほか、歴代藩主が愛でた玉泉院丸庭園をライトアップ(画像提供:石川県観光連盟)

銀世界に彩られた金沢城公園と兼六園を幻想的にライトアップ

兼六園を夜間無料開放するとともに金沢城公園と兼六園で期間限定のライトアップを行い、春から冬まで四季折々の“夜の魅力”を楽しむことができる「金沢城・兼六園四季物語」。その「冬の段」では兼六園に“雪吊り”が施され、冬だけしか味わえない幻想的な灯りの世界が目の前に広がります。金沢城の櫓、石垣、玉泉院丸庭園のライトアップと合わせてお楽しみください。

金沢城・兼六園四季物語~冬の段~
冬の風物詩“雪吊り”を施した兼六園もライトアップ(画像提供:石川県観光連盟)

【金沢城・兼六園四季物語~冬の段~】
開催日:2025年2月1日(土)・8日(土)・15日(土)・22日(土)
開催時間:18:00~20:45(閉園21:00)
開催場所:金沢城公園・兼六園
料金:無料

水戸城/茨城県水戸市】第129回 水戸の梅まつり

第128回 水戸の梅まつり
水戸城で夜の観梅を楽しめる「夜・梅・祭2025」も開催(画像提供:一般社団法人水戸観光コンベンション協会)

“水戸徳川家のお膝元”で春の訪れを感じる

江戸時代の水戸には徳川御三家の一つである水戸徳川家が入封し、水戸城を中心とした城下町は、天下の副将軍・水戸藩のお膝元として発展を遂げました。そうした歴史を今も色濃く残す水戸で、120年以上の歴史をもつ風物詩として定着しているのが「水戸の梅まつり」。大名庭園の偕楽園と藩校・弘道館をメイン会場に、野点茶会や武道演武など和の催しと共に美しい梅を鑑賞できます。
また、期間中の2月22日には水戸城で、2月15日~3月9日の土日祝日には偕楽園で、それぞれ夜間にライトアップを実施。会場内が幻想的にライトアップされ、昼とは趣きの異なる夜の観梅を楽しむことができます。

【第129回 水戸の梅まつり】
開催日:2025年2月11日(火・祝)~3月20日(木)
開催時間:イベントによって異なります
開催場所:偕楽園、弘道館ほか
料金:一部イベント有料

【熊本県和水町】第48回 戦国肥後国衆まつり

第48回 戦国肥後国衆まつり
画像提供:和水町まちづくり課

豊臣秀吉に立ち向かった肥後国衆の戦いが蘇える

天正15年(1587)、豊臣秀吉が行った検地に反発した肥後の国衆たちが大規模な一揆を起こし、和水町にあった田中城を最後の砦とする激戦が約2ヵ月に渡って繰り広げられました。この出来事を後世に伝えるために和水町で毎年開催しているのが「戦国肥後国衆まつり」。今回も熊本県出身の俳優・勝野洋さんが参加し、祭りのメインイベント「武者行列と国衆一揆の再現」に出演します。他にも、修羅に見立てた木ぞりを引っ張って敵陣の旗を奪い取る「先陣修羅レース」や寸劇「南蛮毛物語」などもあり、国衆たちの熱い生きざまを体感できます。

【第48回 戦国肥後国衆まつり】
開催日:2025年2月9日(日)
開催時間:10:00~15:25
開催場所:和水町多目的広場(和水町役場三加和支所裏)
料金:無料(甲冑着付け体験500円)

佐賀城/佐賀県佐賀市】第25回 佐賀城下ひなまつり

佐賀城下ひなまつり、佐賀城
佐賀藩主鍋島家のゆかりの品を多数収蔵する徴古館では、鍋島栄子夫人の大雛壇飾り(写真)など、明治〜昭和の鍋島家夫人が愛したひな人形が展示される(※公益財団法人鍋島報效会所蔵)

旧跡を彩るひな人形を愛でよう

佐賀城本丸歴史館や徴古館など、佐賀城下の文化施設で行われる毎年恒例のひなまつり。城下町の柳町エリア、町と佐賀城をつなぐ藩主ゆかりの松原エリア、そして佐賀城(佐賀城本丸歴史館)の3エリアにて、侯爵鍋島家歴代夫人の由緒あるおひなさまや、佐賀藩の裃の文様である「鍋島小紋」のお召し物を着せたひな人形、伝統工芸の手織り佐賀錦をまとったひな人形などが展示されます。華やかに色づいた、早春の佐賀城下に足を運んでみてください。

【第25回 佐賀城下ひなまつり】
開催日:2025年2月8日(土)~3月9日(日)
開催時間:10:00~17:00(最終受付16:30)※佐賀城本丸歴史館のみ9:30~18:00
開催場所:佐賀市柳町エリア(旧古賀銀行ほか)、松原エリア(徴古館ほか)、佐賀城本丸歴史館
料金:周遊チケット1000円(無料会場あり)※中学生以下無料

松江城/島根県松江市】<館蔵品展>松江藩を支えた家老 大橋茂右衛門

<館蔵品展>松江藩を支えた家老 大橋茂右衛門
画像提供:松江歴史館

松江藩の繫栄を支えた筆頭家老の軌跡に迫る

全国に現存する12天守の一つであり、2015年に国宝に指定されてから今年で10周年を迎える松江城。その隣に立つ松江歴史館では、松江城と城下町の形成から歴史・文化まで多彩な手法で紹介し、企画展や歴史体験イベントも随時開催しています。
今年最初の企画展では、寛永15年(1638)に松江藩主となった松平直政が家臣団の筆頭として迎えた大橋茂右衛門をクローズアップ。茂右衛門は広島藩主となる福島正則に仕え、関ヶ原の戦いの前哨戦である岐阜城攻めで武勲を挙げたことでも知られています。松江藩の未来を切り開いた筆頭家老の軌跡を、大橋家旧蔵資料を通じて迫ります。

【<館蔵品展>松江藩を支えた家老 大橋茂右衛門】
開催日:2025年1月24日(金)~3月30日(日)
開催時間:9:00~17:00(最終入館16:30。月曜休館)
開催場所:松江歴史館 企画展示室 
料金:一般300円

【愛知県名古屋市】特別展「戦国武将ゆかりの刀剣~豊臣秀吉と徳川家康~」

戦国武将ゆかりの刀剣~豊臣秀吉と徳川家康~
画像提供:名古屋刀剣博物館

徳川家康と豊臣秀吉ゆかりの名刀を展示

名古屋刀剣博物館が収蔵する刀剣の中から、戦国時代の三英傑に数えられる豊臣秀吉と徳川家康にゆかりのあるものを中心に展示。徳川家康伝来の重要文化財「太刀 銘 備州長船住景光 正和五年十月日」や、豊臣秀吉伝来の重要文化財「短刀 銘 備州長船住長義 正平十五年五月日」などを、刀剣の伝来や武将のエピソードとともに紹介します。貴重な名刀をぜひその目に焼きつけてください。

【特別展「戦国武将ゆかりの刀剣~豊臣秀吉と徳川家康~」】
開催日:2025年1月11日(土)~3月16日(日)
開催時間:10:00~17:00(最終入館16:30。月曜休館)
開催場所:名古屋刀剣博物館/名古屋刀剣ワールド 北館4階特別展示室 
料金:一般1200円

【大阪府高槻市】千田嘉博&平山優プレゼンツ BOTTO戦国トークフェス

千田嘉博&平山優プレゼンツ BOTTO戦国トークフェス
画像提供:高槻市

日本屈指のお城と歴史のエキスパートが戦国高槻を語り尽くす

現在高槻市では、グルメや歴史などから1つのジャンルを絞り、そのジャンルが好きな人に対して深くPRする観光プロモーション「BOTTOたかつき」を展開しています。その一環として、歴史好きをターゲットにした「BOTTO戦国」を開催。城郭考古学の第一人者・千田嘉博さん、テレビドラマの時代考証も務める歴史学者・平山優さん、歴史解説YouTubeチャンネル「戦国BANASHI」を運営するミスター武士道さんが出演し、芥川城や高槻城など市内に残る城跡・戦国スポットについて熱く語ります。

【千田嘉博&平山優プレゼンツ BOTTO戦国トークフェス】
開催日:2025年2月23日(日)
開催時間:17:30開場/18:00開演
開催場所:高槻城公園芸術文化劇場 南館 太陽ファルマテックホール 
料金:無料(定員190人。応募多数の場合は抽選)
※専用HPで1/31まで応募受付

▼お城関連のイベント情報を掲載しているイベント情報ページもぜひご覧ください!

執筆/城びと編集部