【2025年版】ピックアップ!4月に開催されるお城イベント

長くて寒い冬がようやく終わり、満開の桜を楽しめる暖かい季節がやって来ました! そんなお出かけしやすい4月には、全国のお城やその城下町でも数々のイベントが開催されます。「信玄公祭り」「家康行列」をはじめとする毎年恒例のお祭りから、大阪城や名古屋城などの歴史を振り返る展覧会まで、注目のイベントをご紹介します。

甲府城/山梨県甲府市】第51回信玄公祭り

信玄公祭り
甲府城で出陣式を行った後、甲州軍団はメインストリートである平和通りを中心に甲府市内を練り歩く(画像提供:信玄公祭り実行委員会)

天下一の武者行列で戦国絵巻を再現!

戦国時代の名将・武田信玄の遺徳を偲び、例年開催されているお祭りで、メインイベントは「甲州軍団出陣」です。武田信玄が、現在の北陸地方を支配した戦国大名・上杉謙信と激突した「川中島合戦」に出陣する様子を再現しています。1000人を超える参加者が戦国武者姿で集結する様は圧巻! 一帯では一大戦国絵巻が展開されます。なお、今年は俳優の紫吹淳さんが信玄役を務めます。

【第51回信玄公祭り】
開催日:2025年4月4日(金)~6日(日)※甲州軍団出陣は4月5日
開催時間:イベントによって異なります(詳細はHP参照)
開催場所:舞鶴城公園(甲府城)ほか
料金:無料

【愛知県岡崎市】家康行列

家康行列
市民の中から公募で選ばれた家康をはじめとする武士団や姫列など500余名が行列に参加(画像提供:岡崎市観光協会)

勇猛な三河武士団らによる絢爛豪華な時代絵巻

徳川家康が亡くなった4月17日に近い日曜日に例年開催している岡崎の風物詩「家康行列」。徳川四天王の本多忠勝を祀る映世神社(現・龍城神社)の祭典として、江戸時代に岡崎藩の武士たちが隊列を組んで戦法を鍛錬した儀式が起源といわれています。2025年は能見通二丁目交差点から乙川河川敷までのルートで、家康や徳川四天王をはじめとする三河武士団が騎馬と共に市の中心部を勇壮に練り歩きます。きらびやかな姫列や、行列の道中で少年武者・少女隊、そして鉄砲隊や槍隊が繰り広げる迫力の演武などにも注目!

【家康行列】
開催日:2025年4月6日(日)
開催時間:14:00~16:15予定(少雨決行)※出陣式:大樹寺にて13:00~
会場:岡崎市(能見通二丁目交差点~乙川河川敷)
料金:無料

福知山城/京都府福知山市】第36回福知山お城まつり

福知山お城まつり
光秀行列では、地元の自衛隊員が扮する明智光秀や丹波手作り甲冑隊などが町を練り歩く(画像提供:福知山商工会議所)

明智光秀の城で春を楽しもう

明智光秀が築いた福知山城の天守が昭和61年(1986)に再建されたことを記念し、それまで歴代開催されてきたまつりを改めたものが「福知山お城まつり」。光秀を讃えて市内を練り歩く「光秀行列」をはじめ、広小路通りでは総勢約400人規模での「福知山踊り」パレードや福知山の名店が集結する「食の祭典」、メイン会場となる御霊公園特別ステージでは市内高等学校による吹奏楽や太鼓演奏など、幅広い年代が楽しめるステージプログラムを行います。
また今年初の催しとして、影山ヒロノブによるアニソンライブやアニソンカラオケ大会、福知山城での御城印販売を行います。他にも、福知山城でのお茶席や琴の演奏など、市内一円で多種多彩のイベントを開催します。福知山に春の訪れを告げる「福知山お城まつり」をぜひお楽しみください。

【第36回福知山お城まつり】
開催日:2025年4月5日(土)・6日(日)
開催時間:10:00〜16:30
開催場所:福知山城、御霊公園、広小路通り、厚生会館など
料金:無料

松山城/愛媛県松山市】松山春まつり(お城まつり)

松山春まつり
画像提供:松山市役所観光・国際交流課

松山城主ゆかりの隊列が松山の街を練り歩く

松山城小天守復興の着工を記念し昭和42年(1967)から始まった、松山の春を代表するお祭り。東雲神社での「東雲能」で幕を開け、野球拳全国大会や伊予節全国大会など、さまざまなイベントを開催します。最終日の4月6日には、鎧や着物を身に着けた松山城主ゆかりの隊列が松山市中心部を練り歩く「大名武者行列」を実施。公募で選ばれた大名武者と子ども合計140名程度が参加する光景は圧巻です! なお今年は大名武者行列の殿役として元宝塚歌劇団の雪組トップスターの彩風咲奈さんが出演します。

松山春まつり
松平隊・蒲生隊・加藤隊・子ども行列が松山城下を練り歩く「大名武者行列」(画像提供:松山市役所観光・国際交流課)

【松山春まつり(お城まつり)】
開催日:2025年4月4日(金)・5日(土)・6日(日)
開催時間:イベントによって異なります(詳細はHP参照)
開催場所:松山城、城山公園ほか
料金:無料(東雲能など一部イベント有料)

松江城/島根県松江市】第18回堀尾吉晴公・松江武者行列

第18回堀尾吉晴公・松江武者行列
絢爛豪華な戦国時代絵巻「堀尾吉晴公・松江武者行列」。当日は出立式や古式火縄銃演武も行われる(画像提供:松江市観光振興課)

堀尾吉晴公とその一行が400年の時を超えて松江城に入城!

毎年春の風物詩「国宝松江城 お城まつり」を盛り上げる目玉イベントとして、松江開府の祖・堀尾吉晴とその一行が松江城に入城する様子を再現した「堀尾吉晴公・松江武者行列」を4月5日に開催。勇壮な武者や色鮮やかな姫たち総勢180名が松江城を目指して市内を練り歩く、絢爛豪華な時代絵巻をお見逃しなく! なお、県外在住で「武者行列に参加したい」という方のために、当日先着10名まで参加枠が設けられています(参加費5500円。事前予約優先)。我こそはと思う方はぜひ!

【第18回堀尾吉晴公・松江武者行列】
開催日:2025年4月5日(土)
開催時間:12:30〜15:00
開催場所:松江大橋~松江城
料金:無料

岡山城/岡山県岡山市】春の烏城灯源郷

春の烏城灯源郷
光が生み出す幻想的な空間で夜桜を楽しめる(画像提供:岡山城天守閣)

漆黒の城を照らす春の仄明かり

戦国大名・宇喜多秀家によって築かれた岡山城を舞台にした春のライトアップイベントです。「烏城を包むやわらかな灯り」をテーマに、天守閣とその周辺を提灯や灯篭、ろうそくで彩ります。また、同時期に岡山後楽園でも「春の幻想庭園」と題した庭園ライトアップを開催します。

【春の烏城灯源郷】
開催日:2025年4月25日(金)〜5月6日(火・休)
開催時間:18:00~21:30 ※後楽園への入園及び岡山城天守閣への入場は21:00まで
開催場所:岡山城
料金:無料(天守閣への入場は大人400円、小中学生100円、未就学児無料)

高知城/高知県高知市】高知城 花回廊

高知城 花回廊
ぼんぼりや灯篭の灯りで城内がほんのりと照らされる(画像提供:(公社)高知市観光協会)

花と灯りが織りなす幻想的な和の空間

春の高知城を彩るイベントとして2007年から毎年開催されている「高知城 花回廊」。今年も「和で綴る花と灯り」をコンセプトに、生け花や土佐和紙を使った250基以上の灯篭が追手門から天守へ続く道などに並びます。そして夜になると灯篭がほのかな灯りを発し、城内を幻想的な雰囲気へと一変。またステージでは和楽器演奏や演舞が披露され、和の情緒を存分に堪能できます。

【高知城 花回廊】
開催日:2025年4月4日(金)~6日(日)
開催時間:18:00~21:00
開催場所:高知城・高知公園
料金:無料(天守閣の入館は有料)

大阪城/大阪府大阪市】テーマ展「大坂城再築」

テーマ展「大坂城再築」
画像提供:大阪城天守閣

徳川大坂城はどのようにして完成したのか?

豊臣秀吉が築いた初代大坂城の石垣を掘り起こして公開する「大阪城 豊臣石垣館」の4月1日オープンに合わせ、大阪城の歴史に焦点を当てた展覧会を開催。豊臣大坂城や大坂の町に注目しながら、徳川幕府の大坂城再築がどのようにして進められたのか、そして出来上がった大坂城がどのように管理されていたのか探っていきます。藤堂高虎が家臣に送った工事の指示書や、乾櫓に取り付けられていた元和6年(1620)の瓦など貴重な史料も多数展示されるので、豊臣大坂城の石垣と合わせてぜひご覧ください。

【テーマ展「大坂城再築」】
開催日:2025年3月20日(木・祝)~5月6日(火・休)
開催時間:3/31まで9:00~17:00、4/1から9:00~18:00 ※最終入場は閉館30分前まで
開催場所:大阪城天守閣3・4階展示室
料金:3/31まで大人600円、4/1以降大人1200円/大学生・高校生600円(「大阪城 豊臣石垣館」を含む)※いずれも中学生以下無料

名古屋城/愛知県名古屋市】企画展「名品でたどる名古屋城史 創建・戦災・そして明日」

企画展「名品でたどる名古屋城史 創建・戦災・そして明日」
重要文化財 名古屋城本丸御殿障壁画「竹林豹虎図襖絵(ちくりんひょうこずふすまえ)」(画像提供:名古屋城総合事務所)

名古屋城の歴史を伝える名品の数々を展示

名古屋城は太平洋戦争の空襲で本丸御殿が焼失しましたが、ふすまや天井板絵などの多くは取り外され別の場所に運ばれていたため焼失を免れました。今回の展覧会では、そのようにして難を逃れた本丸御殿障壁画のほか、名古屋城が宮内省所管の名古屋離宮だった時代に明治天皇・皇后が使用された椅子など近代を語る資料、さらに市民からの寄贈資料などを公開します。名品の数々を通じて名古屋城の歴史を振り返ることができる、またとない機会をお見逃しなく!

【企画展「名品でたどる名古屋城史 創建・戦災・そして明日」】
開催日:2025年3月7日(金)~4月20日(日)
開催時間:9:00~16:30(最終入館16:00)
開催場所:名古屋城 西の丸御蔵城宝館企画展
料金:無料(名古屋城観覧料500円が必要)

【香川県高松市】特別展「高松城ー海にのぞむ城のものがたりー」

特別展「高松城ー海にのぞむ城のものがたりー」
画像提供:香川県立ミュージアム

高松の発展を支えた海城の在りし日の姿に迫る

豊臣秀吉から讃岐一国を与えられた生駒親正が海に面して築城し、松平家によって完成した高松城。瀬戸内海を見張る大名の居所として機能するとともに、周囲に広がる城下町は海と陸とを行き来する人々で賑わい、現在の高松の礎をつくりました。今回の展覧会では、そんな高松城と城下町のあゆみを紹介。「海にのぞむ城」の姿がよく分かる高松城下図屏風や、江戸幕府の隠密が書いた高松城図など、初公開の古文書や貴重な絵図・写真を展示します。

【特別展「高松城ー海にのぞむ城のものがたりー」】
開催日:2025年4月22日(火)~6月1日(日)※5/5を除く月曜と5/7は休館
開催時間:9:00~17:00 ※4/26、5/3・5・10・17・24は9:00~20:00(最終入場はすべて閉館30分前まで)
開催場所:香川県立ミュージアム
料金:一般1200円(高校生以下無料)

【東京都中央区】展覧会「国宝の名刀と甲冑・武者絵」

展覧会「国宝の名刀と甲冑・武者絵」
画像提供:三井記念美術館

武士を先祖とする三井家に受け継がれた武器武具を公開

江戸時代は日本一の商人として、近代以降は日本最大の財閥として発展した三井家は、実はその祖先は戦国時代に近江の佐々木六角氏に仕えて越後守を名乗った武将でした。今回の展覧会では、そんな三井家から寄贈された美術品に含まれる武器武具のうち、国宝の短刀2点「名物 日向正宗」「名物 徳善院貞宗」をはじめとする名刀を公開。さらに、三井家の遠祖・三井高安所用の甲冑や掛軸の武者絵なども展示します。武士を先祖とした三井家の誇りとこだわりをぜひ体感してみてください。

【展覧会「国宝の名刀と甲冑・武者絵」】
開催日:2025年4月12日(土)~6月15日(日)※月曜休館(4/28・5/7は除く)
開催時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
開催場所:三井記念美術館
料金:一般1200円/大学・高校生 700円(中学生以下無料)

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執筆/城びと編集部