2021/08/26
お城好きも大満足!爆笑の渦に包まれた「前田慶次の歴史夏祭り」レポート
名古屋おもてなし武将隊の一員であり、日本城郭検定および名古屋城検定にも合格するなどお城に関する豊富な知識を持つ前田慶次様が、なにかと暗いムードに包まれがちな人々を元気にすべく2021年7月に「前田慶次の歴史夏祭り」を開催! 歴史ナビゲーターのれきしクンや城郭ライターの萩原さちこさんも参加し、大盛り上がりとなったイベントの模様を城びとアンバサダーのたけ◎曲輪衆さんがレポートします。
名古屋城(愛知県)を中心に活動し、現在は全国に拡がる武将隊の草分け的存在として知られ、名古屋の魅力を発信する名古屋おもてなし武将隊。そのメンバーであり、城びとでも『前田慶次の自腹でお城めぐり』シリーズ執筆でお馴染みの前田慶次様による単独ライブ「前田慶次の歴史夏祭り」が2021年7月31日に名古屋市公会堂にて行われました。とても楽しくて笑いすぎるほど笑ったイベントの様子をレポートします。
今回のイベントは、6月1日から実施されたクラウドファンディングにより、慶次様ファンや名古屋おもてなし武将隊ファンはじめ、多くの方からの支援により実現しました。「こんなイベントを開催したい!」という慶次様、「このイベント、ぜひ行ってみたい!」というファン、双方の想いが一つになって大成功! こういうイベントの開催の仕方、とてもいいなと思いました。
クラウドファンディング返礼品の一つ。慶次様直筆のポストカード!
応援に駆けつけた出演者の皆さんは、登場順にタレントの舟木みな美さん、お城ファンにはお馴染み城郭ライターの萩原さちこさん、歴史ナビゲーターのれきしクン、漫画家の安藤正基さん、名古屋おもてなし武将隊の織田信長様と豊臣秀吉様、そして日本城郭検定のマスコットキャラクター・シロッぷ君と、慶次様の長年の活動の賜物、素晴らしい方々です。始まる前からワクワク!
雷鳴と共に開場!
開場時間が迫ると会場の名古屋市公会堂上空が段々と黒い雲に覆われてきました。そして、開場時間の17時30分頃にはとうとう稲光と雷鳴が! 天をも呼び寄せるとは! さすが戦国の強者、前田慶次。いや、それとも信長様か!?
会場内に入ると、すでにたくさんのファンの方々が。しかし、名古屋市公会堂の「文化施設における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に沿っているので、感染対策は万全。
ざっと見まわしてみると、やはり女性の方が多いです。何人かの方に声をかけてみると、どなたにお聞きしても名古屋城に通ってもう3年、6年、10年という慶次様の熱烈なファンの方ばかり。今回の単独イベントをとても楽しみにされているご様子が一目でわかります。名古屋市内から、岐阜県からと近県からの方が多かったです。そんな中に混じって男性客の方々も思っていたより多くいらっしゃいます。豊橋から来たという和服姿の男性2人組、最初は某お城関連ゲームとれきしクンがらみで慶次様のことを知り、「今日は慶次ファンとして来ました!」とのこと。
受付を済ませたファンの方々はグッズ売り場でお目当ての慶次様グッズのお買い物! オリジナル缶バッチ釣りは大人気で、開演前には売り切れ。熱心なファンの方、何回も挑戦してフルコンプしてました。
いよいよ開演!
待ちに待った開演です。本来なら大きな声援が飛ぶところですが、感染対策として来場者は拍手で慶次様を迎えます。慶次様の華麗にして力強い演武の後に映し出された今回のプログラムは「教えて戦国時代」「れきしクントーーク」「安藤先生とのトークショー」の3本立て。
舟木みな美の教えて戦国時代
提供:名古屋おもてなし武将隊事務局
ゲストのトップバッターは、名古屋を中心に活動するタレントの舟木みな美さん。慶次様が配信しているYouTube動画「前田慶次5分で戦国時代チャンネル」の準レギュラーでもあり、慶次様がみな美さんを歴女にしていくという動画の人気企画が夏祭りにも登場です。動画でも毎回マイペースのみな美さん、後ろで慶次様が「またお前か!」と呆れ顔かつ、温かく見守っているオープニングが大好きで、私もいつも楽しみにしているコーナーです。
今回は「愛知県には名古屋城以外のお城ってどんなお城があるの?」というみな美さんの疑問に答えるという内容。今日は正統派の専門家から教えを乞うということで、城郭ライターの萩原さちこさんの登場です。萩原さんは「愛知県民に名古屋城以外に行ってほしいお城」として、犬山城・小牧山城・古宮城(すべて愛知県)の3城をチョイス。それぞれのお城の特徴や、何故このお城を推すのかを分かりやすく説明してくれました。
小牧山城の説明の時、信長の先見性を説明する萩原さちこさん(左)に、「信長さんって、案外頭よかったんですね!」とみな美さん(中央)。すると突然信長様が「おぬしっ!」という大声とともに抜刀して舞台上に突入しようと! しかし客席からは刀の切っ先だけがグルグルと見えるだけ。きっと秀吉様が必死に止めていたのでしょうね。みな美さん、危なかったね
最後に萩原さんは、「名古屋城だけで、ほかのお城に行ってないなんて人生の半分も楽しんでないのと同じ。ぜひ、行ってみてください!」。さらに「古宮城などの名古屋城以前の戦国の山城にも行って、変態の域にも(ご自身も含め萩原さんは山城マニアのことをこう呼んでいます)足を踏み入れて下さい」とも付け加えていました(笑)。萩原さんのおかげで確実に歴女の階段を一歩上った舟木みな美さんでした。
れきしクン トーーク
次は、慶次様ととても仲の良い赤い兜でお馴染みの歴史ナビゲーター・れきしクンとのトークショー。れきしクンに加え、助っ人の名古屋おもてなし武将隊の織田信長様と豊臣秀吉様の3人で、出されたお題に回答するというもの。萩原さちこさんもMCとして再登場です。
上の答えはいろいろ問題ありだったので、伏せておきます(笑)。萩原さんの着物姿がとても素敵でした
「一城もらえるとしたらどこの城」という題目のときは、れきしクンは練馬城(東京都)。理由はというと「昔、豊島園があった場所で今度ハリー・ポッターのテーマパークがオープンするので。土地の時価も高いし、これからお金儲けもできるから!」と、すごく現実的。秀吉様は、小谷城と横山城(ともに滋賀県)の2つも。ちょっと欲張り。理由は信長様から一番最初にもらった城だから。こののち天下人となりいくつもの城を手に入れている秀吉様なのに、また横山城が欲しいとは。ほんとに信長様に感謝しているのでしょうね。そして、信長様は名古屋城。現在の名古屋城は徳川家康の造ったもの。これを信長流に改装したいから! なんと名古屋市役所から本丸まで、小牧山城や安土城のように一直線の大手道を造りたいそうです。信長様のとてつもない名古屋城愛を感じました。
ちなみに、私がもらいたいお城は津山城(岡山県)。三の丸内にあったたくさんの多聞櫓や隅櫓など天守含めて、全部復元してみたい!
信長様が次男の名前をババンと挙げていらっしゃる題目は「ドラマ化してほしい武将は?」
安藤先生とのトークショー
次に登場したのは、名古屋を題材にした大人気四コマ漫画『八十亀ちゃんかんさつにっき』(一迅社)の作者である愛知県出身の漫画家・安藤正基さん。この安藤先生の漫画を題材に「名古屋の事をもっと知ってちょ~!」ということで、名古屋城・名古屋の文化・名古屋の祭りの3点について語っていこうという企画。
提供:名古屋おもてなし武将隊事務局
ここで、漫画の大ファンであるという名古屋おもてなし武将隊の陣笠隊・踊舞(とうま)さんも登場! 嬉しそうにトークに参加です。
岡山県人である私は正直、『八十亀ちゃんかんさつにっき』を知りませんでしたが、いくつかの漫画が映し出されるにつれて、名古屋のことをユーモアたっぷりに描いた内容の面白さと、作者の安藤先生以上に熱く語る踊舞さんのオタクっぷりに笑いっぱなしになりました。名古屋ではテレビ放映もされているそうで、気になったので帰ってからYouTubeで見たのですが、八十亀ちゃんのかわいらしさにすぐにファンになってしまいました。10巻まで出ているそうなので読みたくなってしまいました。
日本城郭検定のマスコットキャラクター・シロッぷ君登場
さんざん大笑いしたあとは、日本城郭検定のマスコットキャラクター・シロッぷ君の出番です。なぜシロッぷ君が登場したかというと、去る6月13日に秀吉様が日本城郭検定3級を、慶次様が準1級を受験、その合否の結果発表をこの会場で行うからなのです!(ある意味恐ろしい)
シロップ君が日本城郭協会から送られてきた、まだ未開封の大きな封筒を2人に渡します。ハサミで開封して「せーのー!」で同時に中身を掲げます!果たして結果は? 次の写真のお二人のお顔からご判断ください。
お察しの通り、秀吉様3級合格。慶次様準1級不合格。秀吉様、おめでとうございます! 慶次様、誠に残念でした。しかし、すかさず慶次様は「よしっ! わしはこの秋もう一度再受験いたすぞー!」と。何という決断の速さ。
この日本城郭検定を主催する日本城郭協会の理事でもある萩原さちこさんからは、「準1級からは、そう簡単には合格させないぞっていう考えで問題を作っているので難しい問題が多いですから、次はぜひ頑張って下さい!」というエールが。実際、準1級の平均合格率は約35%とかなりの難関。私も慶次様と同じ日に姫路会場で準1級を受験しましたが、一筋縄ではいかない問題が多かったです(ちなみに私はギリギリ合格でした)。
そのあと今度は舟木みな美さんにとばっちり?が。萩原さんから「舟木さんも歴女を目指すなら検定受ければいいのに」舟木さん「…」ということで、舟木さんは初心者向けのオンライン入門級を受けることになりました。頑張って下さいね。
豪華な賞品が当たる抽選会
プログラムの締めとして、来場者の皆さんお楽しみの抽選会が始まりました。出演者の方々の著書や慶次様のYouTube動画「前田慶次5分で戦国時代チャンネル」で何回かコラボしている城郭研究者の小和田哲男先生の著書などいい物ばかり。しかも全部著者のみなさまのサイン入りという豪華さ!
われらが城びとからも、ジップファイルや御城印帳など多くのグッズが提供されていました。どれも慶次様の花押(サイン)入りです。特大版特製慶次様シールが紹介されたときには会場がどよめいていました。
厳正なる抽選を経て、当選された皆様、羨ましい。おめでとうございます!
あっという間の2時間でした
始まってからというもの、うんうんうなずいたり、大笑いしたりしていたら、あっという間に時間が過ぎていきました。楽しい時間は過ぎるのが早いですね。イベント終了後、皆さん「あー楽しかった!」という声ばかり。見終わった感想を聞いてみると、次のように答えていただきました。
「慶次様の話だけじゃなくて、いろんな方の話が聞けてとても良かった。歴史やお城のことを知らなくても、分かりやすく話をしてくださったので、あっ!そうなんだ!と知識が深まりました。これをきっかけに、自分でもこれ調べてみよ!あれ気になるー!っと思ったし、入口としてとてもいい内容でした」
「城郭検定は残念でしたが、何事にも一生懸命で新しいことに挑戦する慶次様が大好きです。秋には準1級を取ってくれると、慶次様を応援しているみんなが信じてます!」
「YouTubeはよく見ますが、慶次さんの話を直接生で聞く機会がなかなかなかったので、今日はすごくよかったです」
このようにとっても皆さん楽しかったようです。慶次様はじめ、出演者の方々のお話で、お城をあまり知らなかった方が「もっとお城について知りたい!」「あのお城に今度行ってみよう!」と思ってくれたのではないでしょうか。さらに皆さん口を揃えておっしゃっていたのは「来年もぜひ、開催してほしい!」「夏の恒例行事にしてほしい!」ということ。今回開催されてよかった、大成功ですね! 来年もぜひ開催されますように。
限定御城印(左)、限定缶バッチ(中央上)、八十亀ちゃん缶バッチ(中央下)
※追記
最初客席の一番後ろの席に人知れず出番まで座っていたのは、陣笠隊の踊舞さん。私もそのすぐ後ろに座っていました。ふと、踊舞さんの足軽具足に目をやると、胴にびっしり張られた黒革は擦れて、いたるところがボロボロ。いつも名古屋城での演武やイベントの時、走り回ったり、斬られたり、お客さんにかわら版を配ったりと縁の下の力持ち的な存在の陣笠隊。あの具足の綻びは日々の戦働きによるものなんですね! ちょっと感動。
執筆・写真/たけ◎曲輪衆(小野雅章) 一部写真提供/名古屋おもてなし武将隊事務局