城めぐりの新様式!?お城バーチャルツアー特集

長引く自粛生活で満足にお城に行けていない!というお城ファンのみなさんに、ステイホームで楽しめるお城のバーチャルツアーをご紹介。絶景を楽しめるパノラマ映像や、タイムトリップ気分を味わえる復元CGをご堪能あれ。

今回は、世界遺産の姫路城、来年築城400年を迎える福山城、徳川軍を2度撃退した上田城、司馬遼太郎が「最も美しい山城」と称えた郡上八幡城、堅牢に積まれた石垣が何重にも連なる姿が人気の津山城、尾張徳川家の居城・名古屋城、瀬戸内海を望む海城・高松城をご紹介。お城のバーチャルツアーを楽しんでみませんか?

姫路城(兵庫県)】江戸と現代の姫路城を散策しよう!

姫路城パノラマガイド
「姫路城パノラマガイド」トップページ

まず一城目は、世界遺産・姫路城(兵庫県)。姫路市立城郭研究室のサイトで公開されている「姫路城パノラマガイド」で、城内の散策をすることができます。サイトを開くと、そこは城の入口である三の丸広場。姫路城を訪れた時の感動をバーチャル上で味わうことができます。このパノラマガイドでは三国堀や備前丸など14カ所がビュースポットに設定されており、各スポットでは360°のパノラマビューが楽しめます。パノラマ画像は高精細なので、石垣や建物内の構造をズームでじっくり観察することもできます。

散策できるビュースポットは基本的に現代の風景ですが、三の丸では藩政の中心地だった「御居城」表座敷や「向屋敷の庭園」など、現在は失われてしまった建物の復元CGを見ることができ、きらびやかな障壁画や美しい大名庭園が楽しめます。また、「姫路城パノラマガイド」を制作した姫路市立城郭研究室のHP「姫路城アーカイブ」には、研究室が制作した城下町などの復元CGや古地図・実測図といった史料も掲載。パノラマガイドとあわせて活用すれば、自粛期間中に姫路城博士になれる…、かもしれません。

姫路城パノラマガイド、虎の
「御居城」表座敷「虎の間」の復元CG。障壁画は江戸初期の寺院や城郭建築をもとに復元された

画像・情報提供==姫路市立城郭研究室

■姫路城パノラマガイド

福山城(広島県)】江戸時代の福山城にタイムトリップ!

福山城バーチャルツアー
福山城復元CG。天守をはじめ、門や櫓などの建築物が建ち並ぶ様は壮観だ

2022年に築城400年を迎える福山城(広島県)。HPには新しく、歴史解説や時代ごとの古地図比較など、福山城のことを深く学べる様々なコンテンツが公開されていました。その中の一つが「福山城バーチャルツアー」。CGで復元された江戸時代の福山城内を散策できるというものです。その最大の特徴は、ビュースポットの多さ。80カ所を超えるスポットが設定されているため、ストリートビューのように城内をほぼ自由に歩くことができます。江戸時代の藩士たちの登城ルートを追体験する…、といった楽しみ方もできそうですね。

また、福山城のHPでは、他にもVR動画「福山城-西の守りの要と城下の繁栄-」や広島大学・三浦正幸教授による城内建物の解説動画なども公開中。また、2022年8月にオープンが予定されている天守(福山城博物館)のリニューアルでは、VR体験ができるコンテンツが予定されているそう。感染状況が落ち着いたら、ぜひ訪れたいですね。

画像・情報提供=福山市文化振興課

■福山城バーチャルツアー

上田城(長野県)】江戸時代の上田城へGO!

VR上田城
「VR上田城」のトップページ。現在は失われた尼ヶ淵の流れも再現されている

真田昌幸が築き、徳川軍を2度撃退した“落ちない城”として有名な上田城(長野県)では、江戸時代の城にタイムトリップできる「VR上田城」が公開されています。大河ドラマ『真田丸』の放映にあわせて作られたもので、江戸時代の絵図をもとにCG再現された城内を見ることができます。VRで見られるスポットは本丸や本丸東虎口など8カ所。各スポットにはガイダンス動画がついているので、より深く上田城について理解できるようになっています。

VR上田城
スポット選択画面。この画面は古絵図とGoogleマップの重ね地図になっているので、江戸時代と現代の町の様子を比べて楽しむこともできる

またサイト内では、「砥石・米山城」や「御屋敷(真田氏館跡)」など、市内の真田家ゆかりの地を紹介するガイダンス動画も公開。自粛明けの上田旅行計画を立てるのにも役立ちそうですね。

情報・画像提供=上田市マルチメディア情報センター

■VR上田城

郡上八幡城(岐阜県)】心洗われる絶景めぐりを楽しもう

郡上八幡城バーチャルツアー
「360°バーチャルツアー」は、HP管理運営者の「写真よりも臨場感を感じられるコンテンツで郡上八幡の魅力を伝えたい」という、熱い想いから生まれたそうだ

日本初の木造再建天守が建ち、司馬遼太郎(公式表記では「遼󠄁」の「 辶 」(しんにょう)の点が2つ)が「最も美しい山城」と讃えた郡上八幡城(岐阜県)。城がある郡上八幡観光協会では、HP上で八幡町内の観光地を360°のパノラマ写真で見られる「360°バーチャルツアー」を公開。登城道から青空に映える白亜の天守を眺めたり、貴重な史料が並ぶ天守内を観察したりすることができます。

「360°バーチャルツアー」では郡上八幡城以外にも、町を流れる清流・吉田川や江戸の面影が残る職人町・柳町など、郡上八幡にある名所を多数公開。「水の町」と謳われる郡上八幡の絶景を楽しんでみてください。

画像・情報提供=郡上八幡観光協会

■郡上八幡城 360°バーチャルツアー

市独自のHP以外でも、お城のバーチャル体験が楽しめるのが動画投稿サイト「YouTube」。YouTubeといえば、個人による投稿動画が人気ですが、最近では市の政策や観光地紹介の場としても活用されています。その中には、地元のシンボルであるお城を復元CGなどで紹介する動画も。いくつかご紹介しましょう。

津山城(岡山県)】江戸時代の藩士が通った登城路をCGで再現

津山城バーチャルツアー
動画にも使われているCG画像。津山城の折り重なる石垣は現在も見る人を圧倒するが、建物が再現されるとさらに迫力が増す

森蘭丸や森長可の弟・森忠政によって築かれた津山城(岡山県)。堅牢に積まれた石垣が何重にも連なる姿が人気の名城です。津山城では、築城400周年にあたる2004年に江戸時代の城や城下町を再現したCG映像を制作。現在は市の公式YouTubeチャンネル「TsuyamaCityPR」で「よみがえる津山城(再現CG編)」が公開されています。

CGでは慶長〜元和頃の城の様子を再現。これは築城400周年記念事業で復元された備中櫓と同じ時代設定となります。動画内では津山藩士たちが登城に使った、城下町東の出入口・宮川大橋から本丸御殿の皇帝の間までのルートを、解説を交えながらたどります。

また、「TsuyamaCityPR」チャンネルでは、ドローンを使った津山城の空撮動画も公開しています。津山城の魅力を広く知ってもらうことを目的に作られた動画で、四季折々の津山城の姿を見ることができます。現在は、桜と紅葉の動画がアップされており、今後も積極的に動画がアップされていくとのこと。四季によって異なる表情を見せる石垣を堪能してみましょう。

画像提供=津山市産業文化部
情報提供=津山市産業文化部、秘書広報部

■よみがえる津山城(再現CG編)

名古屋城(名古屋城)】パノラマ動画で木造復元天守を観察

名古屋城天守閣木造復元イメージVR映像
「名古屋城天守閣木造復元イメージVR映像」日本語版。マウスやキーボード操作で周囲を自由に見わたすことができる

御三家筆頭・尾張徳川家の居城だった名古屋城(愛知県)。城のシンボルである金鯱輝く天守は、現在老朽化による建て替えのため閉館中です。2018年に復元公開された本丸御殿など、名古屋城には天守以外の見どころがたくさんありますが、やはり天守に入れないのは少し物足りないですよね。

そんな人におすすめなのが、名古屋市公式チャンネル「まるはっちゅーぶ」で公開されている「【名古屋市公式】名古屋城天守閣木造復元イメージVR映像」。CGで作成された小天守地階〜大天守天守最上階の木造復元イメージ映像が流れる5分ほどの動画です。バーチャル上とはいえ、一足早く復元後の天守に入ることができるのは嬉しいですね。

それだけではありません。この動画は360度動画になっているので、天井や床など通常の動画では見えにくい場所もじっくり観察することができます。もちろん、これだけでも充分に臨場感を味わえますが、VRゴーグルを装着すれば、実際に木造天守の中を歩いているようなよりリアルな体験ができます。

画像・情報提供=名古屋城総合事務所

■名古屋城天守閣木造復元イメージVR映像

高松城(香川県)】瀬戸内海を望む巨城がCGでよみがえる

バーチャル高松城
CG復元された瀬戸内海を望む高松城

黒田官兵衛が縄張を手がけたともいわれる、瀬戸内海を望む海城。海水を引き込んだお堀では、鯛などの海魚が泳ぐ、他のお城にはない珍しい光景が見られます。そんな高松城(香川県)では、より多くの人に高松城の事を知ってもらいたいという思いから、失われた城の景観をCGで復元。2016年から動画「波の上の名城 高松城」として、市の公式チャンネル「TakamatsuMovie」で公開しています。

動画内に登場する復元CGは、1640年代に描かれた「高松城下図屏風」や古写真等を元に作成されたもの。城の歴史や歴代城主の紹介など盛りだくさんの内容となっているので、最後まで楽しみながら高松城について学べること間違いなし。また、市の公式アプリ「VR高松城」では、実際に高松城を訪れてスマートフォンのサービスを利用すると、CGと実際の城の様子を見比べることが可能。また、気軽に外出ができるようになったら、動画で見た江戸時代の風景を探して城内を歩く、なんて楽しみ方ができそうですね。

画像・情報提供=高松市観光交流課

■波の上の名城 高松城

今回は、家で楽しめる7城のバーチャルツアーを紹介しましたが、これ以外にも様々なお城でVRなどのバーチャルコンテンツが公開されています。YouTubeでもお城ファンによるお城の歴史や構造、景観などを紹介する動画や、VR動画が充実しています。

また、Googleマップのストリートビューでも、お城バーチャルツアーが楽しめます。姫路城はもちろん彦根城や伊予松山城、竹田城のような観光地として有名なお城では、登城口から天守までを自由に散策できる事が多いので、ぜひマップ上でいろんなお城を散策してみてくださいね。

彦根城のストリートビュー。彦根城や姫路城など、ストリートビューで天守内まで見学することができる城もある

竹田城のストリートビュー。雲海に包まれた城内を散策することができる


執筆・写真/かみゆ歴史編集部 <お城情報WEBメディア「城びと」>
「歴史はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。城郭の専門家が山城の見どころを紹介する『隠れた名城 日本の城を歩く』(山川出版社)や、全国の都市に残る城郭の遺構を紹介する“再発見”街中の名城 −−廃城をゆく7−−』が好評発売中!

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