2025/02/26
【2025年版】ピックアップ!3月に開催される城イベント・展覧会
厳しかった寒さも少しずつ和らぎ、ようやく春が近づいてきましたね。そんな3月には、全国のお城でも春の到来を感じさせるイベントが開催されます。今回は、桜の開花時期に合わせて各地で催されるお城まつりや、国重要文化財に指定されている大阪城の櫓の内部特別公開など、注目のお城関連イベントをご紹介します!
【大阪城/大阪府大阪市】令和7年 重要文化財 大阪城の櫓YAGURA特別公開

千貫櫓(左)と多聞櫓(右) 画像提供:大阪城パークセンター

左:多聞櫓の内部 右:千貫櫓の内部(画像提供:大阪城パークセンター)
災禍をくぐり抜けた国重要文化財の貴重な建物を公開
豊臣秀吉が天下統一の拠点として築き、大坂の陣の後に徳川幕府によって築き直され、幕府の西国支配の拠点となった大阪城。明治維新の動乱に伴う大火や第二次世界大戦の空襲などによって天守をはじめ多くの建物が焼失しましたが、多聞櫓・千貫櫓・乾櫓など一部の建物はそうした災禍をくぐり抜けて現存し、国の重要文化財に指定されています。
これら3つの貴重な古建造物内部は普段は非公開となっていますが、2025年3月から11月まで特別に見学できることに! 大手口桝形の石垣の上に建つ多聞櫓、大手口を守る隅櫓であり城内の現存建造物で最も古い千貫櫓、さらに期間限定で乾櫓を公開します。大阪城がこれまで歩んできた歴史をぜひ体感してください。
【令和7年 重要文化財 大阪城の櫓YAGURA特別公開】
開催日:[多聞櫓・千貫櫓]2025年3月1日(土)~3月30日(日)の土日祝および3月25日(火)~3月28日(金)、5月10日(土)~11月30日(日)の土日祝および8月13日(水)~8月15日(金) [多聞櫓・千貫櫓・乾櫓]4月1日(火)~5月6日(火・休)
開催時間:10:00~16:30(最終入場16:00)
開催場所:大阪城
料金(櫓共通券。西の丸庭園の入場料含む): [多聞櫓・千貫櫓]800円 [多聞櫓・千貫櫓・乾櫓]1500円
【松江城/島根県松江市】国宝松江城 お城まつり ~松江城天守国宝指定10周年記念~


画像提供:松江市観光振興課
国宝・松江城で時代絵巻を楽しもう!
毎年桜のシーズンの風物詩である「国宝松江城・お城まつり」が、今年は国宝指定10周年も記念して開催。期間中は本丸開放時間を夜9時まで延長し、桜をライトアップしたり、ぼんぼりや武者大行燈に明かりを灯し、春ならではの雅な雰囲気を演出します。
さらに「桜と武者のシーズン2025」と題し、総勢約170名の武者や姫が松江城周辺を練り歩く「松江武者行列」、伝統芸能や武者によるステージイベント、城中いきなり時代劇、なりきり武者体験なども実施します。城内や城下町でにぎやかに繰り広げられる時代絵巻を楽しみながら、天守国宝指定10周年を祝ってはいかがでしょうか。
【国宝松江城 お城まつり】
開催日:2025年3月26日(水)~4月9日(水)
開催時間:イベントによって時間が異なります(松江城本丸開放時間延長は21:00まで)
開催場所:松江城山公園内
料金:無料
【二条城/京都府京都市】NAKED meets 二条城 2025 桜

画像提供:株式会社ネイキッド
世界遺産・二条城で夜桜とアートが織りなす春の一夜
桜の名所としても知られる世界遺産・二条城で、見ごろが異なる約50品種300本もの桜とデジタルアート集団ネイキッドのアートが融合。壮大なプロジェクションマッピングショーを展開する重要文化財・唐門をはじめ、歴史的建造物や桜の名所7つのゾーンを桜のアートが彩り、非日常的なイマーシブ空間をお届けします。また、南門、二の丸御殿 中庭ではお花見メニューを販売する飲食屋台が登場し、幻想的なムードの中で夜桜見物を楽しめます。
【NAKED meets 二条城 2025 桜】
開催日:2025年3月14日(金)〜4月13日(日)
開催時間:18:00〜22:00(最終入場21:00)
開催場所:二条城
料金(通常チケット):中学生以上…月〜木2,000円(早割1,600円)、金土日祝2,500円(早割2,000円)/小学生…月〜木1,000円(早割800円)、金土日祝1,500円(早割1,200円)
※早割チケットの販売は3月13日まで
【大和郡山城/奈良県大和郡山市】大和郡山お城まつり

追手向櫓と満開の桜が織りなす絶景はこの季節ならでは(画像提供:大和郡山市観光協会)
満開の桜に彩られた大和郡山城で春の到来を感じる
「日本さくら名所100選」にも選ばれている大和郡山城で、桜の開花時期に合わせて毎年開催されている「大和郡山お城まつり」。今年も期間中は夜桜ぼんぼりが灯されるとともに、天守台もライトアップされ、大和郡山城を昼とは異なる幻想的なムードに彩ります。また城下町では多彩なイベントを実施し、3月30日には子どもたちによる時代行列・白狐渡御を行います。
【大和郡山お城まつり】
開催日:2025年3月24日(月)~4月7日(月)
開催時間:ライトアップ18:00~21:00
開催場所:大和郡山城跡および城下町
料金:無料
【名護屋城/佐賀県唐津市】第4回名護屋城大茶会

画像提供:佐賀県文化・観光局文化課
全国の大名が集った“文化の交流地”の賑わいを再現
豊臣秀吉が朝鮮出兵(文禄・慶長の役)に際して出兵拠点として築いた名護屋城。全国から約150名もの大名が集い、彼らの交流を通じて茶道や能など今につながる文化が大きく花開いた地でもあります。そうした往時の賑わいを再現すべく、2022年から催されているのが「名護屋城大茶会」です。
4回目となる今年も、茶・能・書・華・器・食・鷹狩など様々な文化体験が満載! 唐津市内の茶道団体による呈茶席や能楽師・鷹匠による実演のほか、全国から集まった5つの武将隊による演武、名護屋城ガイドツアー、お城インスタグラマーKAORIさんの陣跡ツアー、さらに限定オリジナルバッジがもらえる「武将隊を探せ!!スタンプラリー」など、お城好きが楽しめるイベントも開催します。

武将が愛した茶の湯に親しむ呈茶席を本丸などに設置(画像提供:佐賀県文化・観光局文化課)
【第4回名護屋城大茶会】
開催日:2025年3月22日(土)
開催時間:10:00〜17:00
開催場所:名護屋城跡ほか
料金:入場無料(呈茶席など一部有料)
【熊本城/熊本県熊本市】春のくまもとお城まつり

全国各地の武将隊のパフォーマンスやステージイベントがお城まつりをにぎやかに盛り上げる(©熊本城おもてなし武将隊)
伝統芸能や武将隊が熊本城の春を盛り上げる
熊本城を通じて日本の歴史と文化に触れてもらうため、毎年春と秋に開催している恒例のイベント。春のお城まつりでは古武道演武会、太鼓響演会、薪能などの伝統的な催事・音楽イベントや、九州のお祭りが大集合する「九州がっ祭」などのステージイベントで会場を盛り上げます。さらに3月8日・9日には、熊本城おもてなし武将隊をはじめ全国各地の12武将隊が集う「熊本城で会おう~武士の魂~」も実施! 他にもクイズウォークやキッチンカーの出店など楽しいイベントが満載です。
【春のくまもとお城まつり】
開催日:2025年3月8日(土)~3月23日(日)の土日祝
開催時間:10:00〜17:00 ※イベントによって異なります
開催場所:熊本城二の丸芝生広場ほか
料金:入場無料
【福岡城/福岡県福岡市】福岡城「春の天守閣」ライトアップ

天守台の上に仮設した工作物のLEDライトが光り、闇の中に天守の形を浮かび上がらせる(画像提供:福岡市経済観光文化局観光コンベンション部地域観光推進課)
福岡城に「春の天守閣」が登場!
関ヶ原の戦いで戦功を上げて筑前国を与えられた黒田長政が、7年の歳月をかけて築いた福岡城。国指定重要文化財の多聞櫓や壮大な石垣などの遺構が往時の面影を伝えています。そうした遺構の一つとして天守台も残っていますが、そこに天守の姿はなく、その存在について今も議論が続いています。
そんな福岡城の天守台に「春の天守閣」が期間限定で登場! 天守台の上に高さ約14mの仮設工作物を設置し、建物の窓や屋根を形どったLEDライトを照らして天守の形を浮かび上がらせます。暗闇の中に幻想的に光る天守を美しい桜と共に眺めながら、福岡城の歴史に思いを馳せてみませんか。
【福岡城「春の天守閣」ライトアップ】
開催日:2025年3月7日(金)~福岡城さくらまつり終了日(4月上旬)
開催時間:18:00~22:00
開催場所:福岡城 天守台(舞鶴公園)
料金:観覧無料 ※福岡城さくらまつり期間は本丸広場を含めて有料ゾーンとなる場所がありますのでご観覧の際にはご注意ください
【高知県南国市】企画展「西南四国の中世社会と公家」

画像提供:高知県立歴史民俗資料館
公家たちは中世四国の何に魅力を感じたのか?
西南四国(現在の高知県幡多地方と愛媛県南予地方)は中世において中央(京都)の公家たちから注目され、南北朝・室町時代以降には京都から下向した一条氏と西園寺氏がそれぞれ武家へと変貌しました。こうした公家の視点を交えながら、西南四国の中世社会を紐解く企画展を高知県立歴史民俗資料館で開催。愛媛県歴史文化博物館との共同調査の成果を中心に、古文書や寺社に残る貴重な歴史資料を展示します。
【企画展「西南四国の中世社会と公家」】
開催日:2025年2月28日(金)〜5月6日(火・休)
開催時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
開催場所:高知県立歴史民俗資料館
料金:一般520円
【小倉城/福岡県小倉市】小倉城再建65周年講演会「戦国武将細川忠興の小倉入城」

画像提供:小倉城
お城のエキスパートを招いて小倉城の魅力を深掘り!
2024年に天守閣再建65周年を迎えた小倉城では、著名な歴史学者や城郭研究者を招き、小倉城の魅力を伝える特別講演会を開催しています。その第2回として日本城郭協会理事長の小和田哲男氏が登壇。小倉城を築いた細川忠興にまつわる話を中心に、城に込められた歴史や意義を解説します。この機会にぜひ小倉城の魅力を深掘りしてみてください。
【小倉城再建65周年講演会「戦国武将細川忠興の小倉入城」】
開催日:2025年3月15日(土)
開催時間:14:00〜15:30(開場・受付13:00)
開催場所:北九州市立男女共同参画センター・ムーブ 5階
料金:専用フォーム予約(事前決済)2000円、電話予約(当日払い)2500円、当日受付3000円(空席がある場合のみ)
【駿府城/静岡県静岡市】静岡新聞 歴史講演会「教えて!駿府城のひみつ」

画像提供:静岡新聞社
加藤理文先生が“大御所の城”駿府城の全貌に迫る!
徳川家康が天下統一後の晩年に大御所政治の拠点とした駿府城。現在は本丸を取り囲む石垣や堀が残り、一部の門や櫓が江戸時代の資料を基に復元・公開されていますが、かつてはどのような城だったのでしょう? そんな駿府城の秘密について、日本城郭協会理事・加藤理文氏が初心者にもわかりやすく解説します。
【静岡新聞 歴史講演会「教えて!駿府城のひみつ」】
開催日:2025年3月14日(金)
開催時間:13:00~14:30/16:00~17:30(いずれも開演30分前から開場)
開催場所:しずぎんホール ユーフォニア
料金:無料。下記HPフォームにて2/28まで事前申込受付(定員各回450人。応募多数の場合は抽選)
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執筆/城びと編集部