【2024年版】ピックアップ!11月に開催されるお城イベント・展覧会

11月になるとすっかり秋が深まり、各地で紅葉が見ごろを迎えます。そして、そうした風情豊かな季節に合わせたさまざまなイベントが、全国のお城でも多数開催されます。毎年秋の風物詩となっている紅葉まつりのほか、国宝・姫路城を別世界へと彩るライトアップイベントなど、注目のイベントをご紹介します。

弘前城/青森県弘前市】弘前城菊と紅葉まつり

弘前城菊と紅葉まつり
夜には紅葉特別ライトアップが実施され、赤や黄色の葉に彩られた城郭が日中とは違った表情を見せる(画像提供:公益社団法人弘前観光コンベンション協会)

菊と紅葉が弘前城を風情豊かに彩る

桜の名所として知られる弘前城は、秋になると約2600本の桜と約1100本の楓が美しい赤や黄色を放ちます。そんな紅葉の見ごろに合わせて昭和37年(1962)から毎年開催されているのが「弘前城菊と紅葉まつり」です。期間中は天守、櫓、城門の通常ライトアップに加えて紅葉の特別ライトアップを行い、錦の灯りと篝火も設置して夜の弘前城を雅に演出します。また、メイン会場の弘前城植物園ではフラワーアートの展示や菊で彩られる誓願寺山門・五重塔、プロジェクションマッピングにちびっ子新幹線運行なども行い、幅広い年代の方々が楽しめるようになっています。

【弘前城菊と紅葉まつり】
開催日:2024年11月1日(金)~11月10日(日)
開催時間:9:00~20:00(最終入園19:30)※ライトアップ16:00~21:00
会場:弘前城植物園(弘前公園内)
料金:大人(高校生以上)320円、小人(小・中学生)100円

上田城/長野県上田市】第42回 上田真田まつり

第40回上田真田まつり
真田軍の象徴である赤備えの甲冑を身にまとい、上田の中心市街地をねり歩く「武者行列」(画像提供:上田市観光課)

真田軍による戦国絵巻が繰り広げられる!

戦国時代に真田家の拠点となり、徳川軍を2度にわたって撃退した上田合戦の舞台として知られる上田城。今年も11月3日に「上田真田まつり」が開催され、真田三代(幸隆・昌幸・幸村)を筆頭にその奥方など総勢約200人が街中を行進する真田軍武者行列、信州真田鉄砲隊による豪快な演武、そして真田軍対徳川軍による決戦劇などで真田一族の生きざまを表現します。
さらに、11月2日から4日にかけて「上田城紅葉まつり」も同時開催。全国から武将隊が集結するステージイベント「戦国GIG 凱-KACHIDOKI-」や、市内のご当地グルメ&特産品が揃う「尼ヶ淵横丁」など、上田城を彩る美しい紅葉と合わせてお楽しみください。

【第42回 上田真田まつり】
開催日:2024年11月3日(日・祝)
開催時間:10:00〜16:00予定 ※イベントによって開始時間は異なります
会場:上田城跡公園、中心市街地
料金:無料

郡上八幡城/岐阜県郡上市】郡上八幡城もみじまつり2024

郡上八幡城もみじまつり2024
燃えるような紅葉が白亜の天守を包み込む様は「天守炎上」と形容されるほど。写真右上は通常の天守ライトアップ、右下は11月15日~17日限定のブルーライトアップ(画像提供:一般財団法人郡上八幡産業振興公社)

“天守炎上”の異名を持つ紅葉の絶景は必見!

日本最古の木造再建城として知られる郡上八幡城。別称「積翠城(せきすいじょう)」とも呼ばれる山城ですが、秋には「天守炎上」と形容されるほど圧巻の紅葉に包まれます。「郡上八幡城もみじまつり」は紅葉がピークを迎えるころに毎年開催されるイベントで、週末には和太鼓の演奏や火縄銃の演舞などの催しが行われます。そして夜間には郡上八幡城と庭園がライトアップされます。炎のように赤い紅葉と名城が織りなす、この季節だけの絶景をお見逃しなく!

【郡上八幡城もみじまつり2024】
開催日:2024年11月2日(土)〜11月24日(日)
開催時間:イベントによって開始時間は異なります(郡上八幡城ライトアップは11月8日〜17日の日没17:00〜20:00ごろまで)
会場:郡上八幡城
料金:大人400円、小人200円

姫路城/兵庫県姫路市】姫路城ライトアップイベント「Himeji Castle History 鏡花水月」

姫路城ライトアップイベント「Himeji Castle History 鏡花水月」
画像提供:公益社団法人姫路観光コンベンションビューロー

幻想的な光と音の演出によって姫路城の雅な美しさが引き立つ

昨年好評を博した姫路城ライトアップイベント「鏡花水月」を今年も開催。今回は「お城の下の雅な夜」をテーマに、江戸時代に存在したとされる向屋敷庭園と三の丸大路を、当時の資料を基に再現。美しい日本庭園を思わせる水鏡と照明タワー、イルミネーションストリングスで表現された三の丸大路、優しく灯る野点傘やネオンアートが並ぶ憩いの空間など、趣向を凝らした光の演出によって幻想的な別世界へと誘います。さらに有料入場者限定で特別御城印のプレゼントも!

姫路城ライトアップイベント、特別御城印
イベントをイメージしてデザインした特別御城印のプレゼントも実施(画像提供:公益社団法人姫路観光コンベンションビューロー)

また同時開催イベントとして、姫路駅前から姫路城へと続く大手前通りや大手前公園、家老屋敷跡公園を約25万球ものLEDで彩る「Himeji大手前通りイルミネーション」も実施。姫路城とイルミネーションを同じ視野で眺められる、非日常空間もぜひお楽しみください。

【Himeji Castle History 鏡花水月】
開催日:2024年11月22日(金)~12月11日(水)
開催時間:17:45~21:15(最終入場21:00)
会場:姫路城三の丸広場
料金:一般1000円、中学生以下無料

彦根城/滋賀県彦根市】第71回 ひこねの城まつりパレード

第71回 ひこねの城まつりパレード
甲冑や旗指物などを朱色で統一した井伊の赤鬼家臣団が威風堂々と練り歩く(画像提供:彦根観光協会)

彦根の歴史を勇壮なパレードで伝える時代絵巻

彦根城を拠点とした旧彦根藩主・井伊家にちなんだ秋の風物詩「ひこねの城まつりパレード」が今年も開催。総勢数百名の市民が参加し、市内学校の生徒・学生によるマーチングバンド、子ども大名行列、時代風俗行列、彦根らしさを組み入れた彦根町火消し列、一文字笠列、井伊の赤鬼家臣団列が彦根城から市内へと練り歩きます。パレード前に披露される彦根鉄砲隊の勇壮な演武や、彦根町火消し隊によるはしご乗り演技も必見です!

【第71回 ひこねの城まつりパレード】
開催日:2024年11月3日(日・祝)
開催時間:13:00〜14:30
会場:彦根城内〜市内
料金:無料

出石城/兵庫県豊岡市】出石お城まつり

出石お城まつり
画像提供:豊岡市出石振興局地域振興課

5万8千石の出石城下町がお祭り一色に染まる!

江戸時代に5万8千石の城下町として栄えた出石では、毎年11月3日に「出石お城まつり」を開催しています。なかでも最大の注目は、出石藩主・仙石久利公の夫人が江戸の赤坂奴(やっこ。従者のこと)をお供に従えてお国入りしたのが始まりと言われる「大人大名行列槍振り」。30人以上の奴が披露する独特の掛け声と絶妙な槍さばきは圧巻です。ほかにも、きらびやかな衣装を身に着けた子どもたちが殿様・奴・小姓に扮して町内を練り歩く「子ども大名行列」や、近畿最古の芝居小屋「出石永楽館」での永楽館歌舞伎出演者による「お練り」なども行われ、歴史情緒あふれる城下町ならではのお祭りの賑わいを楽しめます。

【出石お城まつり】
開催日:2024年11月3日(日・祝)
開催時間:9:00〜16:15
会場:出石城跡周辺
料金:無料

高取城/奈良県高市郡】第36回たかとり城まつり

第36回たかとり城まつり
画像提供:たかとり城まつり実行委員会

秋の風物詩・時代行列が高取城下町を練り歩く

日本三大山城の一つに数えられ、見事な高石垣が今も残っている高取城。その麓に広がる城下町で毎年恒例の「たかとり城まつり」が今年も開催。鎧武者・奴踊り・旗持ち・ご家老様など総勢約200名が街道沿いを練り歩く時代行列をはじめ、火縄銃・殺陣・居合道などの実演が披露されます。ほかにもメイン会場では、高取城関連グッズ・限定御城印の販売、兜・陣羽織の試着体験なども行われ、一日じゅう歴史ロマンを楽しむことができます。

【第36回たかとり城まつり】
開催日:2024年11月23日(土・祝)
開催時間:10:00〜15:30
会場:児童公園および土佐街道筋(高取町役場からシャトルバス運行)
料金:無料

首里城/沖縄県那覇市】首里城復興祭

首里城復興祭
(左)王族が国際通りを練り歩く「琉球王朝絵巻行列」 (右)琉球王朝祭り首里「古式行列」(画像提供:首里城公園)

琉球王朝時代にタイムスリップ!

令和元年(2019)の火災で正殿をはじめ9施設が焼失し、令和8年の正殿完成を目指し復元が進められている首里城。そうした復興への気運をいっそう高めるため、首里城最大の恒例イベントを「首里城復興祭」に改称して開催します。国の安泰と農作物の豊作を祈願するため国王が3つの寺を参詣する儀式を再現した「古式行列」、鮮やかな衣装に身を包んだ国王・王妃が奉神門前に登場する「国王・王妃出御」、国王・王妃の行列をはじめ琉球王朝時代の華やかな様子を再現する「琉球王朝絵巻行列」が3日間にわたって行われ、琉球王朝の歴史と文化をたっぷり堪能できます。

【首里城復興祭】
開催日:2024年11月2日(土)~11月4日(月・祝)
開催時間:イベントによって開催日時が異なります
会場:首里城公園、那覇市国際通り
料金:無料

【佐賀県唐津市】記念シンポジウム「石垣修理で広がる唐津城の新たな魅力」

記念シンポジウム「石垣修理で広がる唐津城の新たな魅力」
画像提供:唐津市教育委員会 生涯学習文化財課

石垣修理で新たに分かった唐津城の魅力に迫る

平成20年度(2008)から始まり、16年間かけて令和5年度末(2023)に完了し唐津城石垣再築整備事業。唐津市では石垣修理や文化財調査による多くの成果を知ってもらうことを目的に、2024年9月~2025年2月まで事業完了を記念したイベントを実施しています。その1つとして11月に開催されるのが、記念シンポジウム「石垣修理で広がる唐津城の新たな魅力」。北垣聰一郎氏(石川県金沢城調査研究所名誉所長)と西形達明氏(関西大学名誉教授)が登壇し、「文化財石垣の解体修理」をテーマに唐津城での石垣修理がもたらした多くの成果を確認しながら、埋もれていた唐津城の新たな魅力を探ります。

【記念シンポジウム「石垣修理で広がる唐津城の新たな魅力」】
開催日:2024年11月10日(日)
開催時間:9:30〜16:10(開場9:00)
会場:唐津市高齢者ふれあい会館りふれ
料金:無料(HPの専用フォームから事前申込。先着順)

【島根県益田市】第31回全国山城サミット益田大会

第31回全国山城サミット益田大会
画像提供:益田市教育委員会文化振興課

山城の価値と魅力を今年は益田から発信!

山城がある全国の自治体と数多くの山城ファンたちが集まる「全国山城サミット」が、今年は七尾城を有する島根県益田市で開催。初日は千田嘉博先生、石原良純さん、萩原さちこさんたちが出演するシンポジウムがあり、七尾城の魅力についての基調講演や中世益田の魅力を語りあうパネルディスカッションが行われます。さらに2日目は、七尾城や中世以来の寺社をめぐる周遊企画、ステージ、グルメ、体験コンテンツなど内容盛りだくさんの「中世益田ビッグフェスタ」を実施します。益田城下の歴史と魅力にどっぷり浸かってみてはいかがでしょうか。
※シンポジウム観覧受付は10/20に終了しました

【第31回全国山城サミット益田大会】
開催日:2024年11月16日(土)~11月17日(日)
開催時間:11/16…13:00〜16:30/11/17…10:00〜16:00
会場:島根県芸術文化センター「グラントワ」大ホール、益田市立歴史文化交流館れきしーな ほか
料金:無料(シンポジウムは事前申込者のみ観覧可能)

【岐阜県関ケ原町】秋季特別展「関ケ原−よみがえる天下分け目の戦い−」

秋季特別展「関ヶ原−よみがえる天下分け目の戦い−」
画像提供:岐阜関ケ原古戦場記念館

関ケ原の戦いの貴重な資料が全国各地から一堂に集結!

“天下分け目の戦い”として名高い関ケ原の戦いを五感で味わう体験型施設・岐阜関ケ原古戦場記念館で、当時の書状や武器・武具、屏風などを通じて合戦の実像に迫る特別展を開催。国指定重要文化財の示訓[吉川広家筆]をはじめ、初公開となる伝池田輝政所用「鉄黒漆塗横板矧二枚胴具足」や、江戸時代に描かれた4種類の「関ヶ原合戦図屏風」などを展示します。全国各地に所蔵されている関ケ原の戦い関連資料が一堂に集まる、貴重な機会をお見逃しなく!

【秋季特別展「関原−よみがえる天下分け目の戦い−」】
開催日:2024年10月8日(火)~11月24日(日)※月曜休館(祝日の場合は翌平日休)
開催時間:9:30~17:00(最終入館16:30)
会場:岐阜関ケ原古戦場記念館 記念館2階展示室
入場料:一般1000円、大学生・高校生800円、中学生以下無料

【奈良県奈良市】平城宮跡資料館秋期特別展「聖武天皇が即位したとき。―聖武天皇即位1300年記念―」

平城宮跡資料館秋期特別展「聖武天皇が即位したとき。―聖武天皇即位1300年記念―」
画像提供:奈良文化財研究所

聖武天皇の治世にまつわる貴重な史料を公開!

西暦710年に都としてつくられ、絢爛たる天平文化の舞台でもあった平城京。その政治を司った聖武天皇の即位から1300周年を迎えた2024年、神亀元年(724)の紀年をもつ大嘗祭関連の木簡が出土しました。本展ではその木簡をはじめ、木簡と一緒に出土した土器や内裏に使われた瓦など、聖武天皇に関わる貴重な史料を展示。度重なる困難を乗り越えた聖武天皇の治世に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

【平城宮跡資料館秋期特別展「聖武天皇が即位したとき。―聖武天皇即位1300年記念―」】
開催日:2024年10月22日(火)~12月8日(日)※月曜休館(祝日の場合は翌平日休)
※第Ⅰ期:10月22日~11月17日、第Ⅱ期:11月19日~12月8日
※木簡の保全に万全を期すため会期中に展示替えを行います
開催時間:9:00~16:30(最終入館16:00)
会場:平城宮跡資料館 企画展示室
入場料:無料

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執筆/城びと編集部