【2025年版】ピックアップ!7月に開催されるお城イベント・展覧会

ジメジメと憂鬱な梅雨を乗り切れば、雨を気にせずお出かけできる夏がやって来ます! そんなお出かけ気分の高まりに合わせて、7月は全国各地でお城に関連したイベントや展覧会が開催されます。日本の伝統芸能である太鼓をフィーチャーした「国宝松本城太鼓まつり」や、大名庭園で優雅なひと時を過ごせる「小倉城庭園アフタヌーンティー」など、注目イベントをご紹介します。

松本城/長野県松本市】国宝松本城太鼓まつり

国宝松本城太鼓まつり
メインステージでは全国各地から集まった太鼓団体がパワフルな演奏を繰り広げる(画像提供:松本市文化観光部観光ブランド課)

松本城天守を背景に熱気あふれる太鼓の演奏を楽しむ

全国から集まった太鼓団体が国宝・松本城天守を背景に演奏会を行います。ステージ上では各団体が力強さと技術力を兼ね備えた演奏を披露。今年はプロゲストとして、佐渡で結成された創作和太鼓集団・鬼太鼓座(おんでこざ)が出演します。単体での魅力的な演奏だけでなく、フィナーレで行われる市内太鼓団体との合同演奏も注目。当日はメインステージでの演奏以外にも、大手門桝形跡広場でも演奏が行われる予定です。

【国宝松本城太鼓まつり】
開催日:2025年7月26日(土)〜7月27日(日)
開催時間:17:30~20:40
開催場所:松本城二の丸御殿跡 特設ステージ
料金:無料

金沢城/石川県金沢市】金沢城体験ツアー(左官職人体験編)

金沢城体験ツアー(左官職人体験編)
画像提供:石川県土木部公園緑地課

震災からの復旧現場で職人の技を体験!

2024年の能登半島地震によって被災した金沢城では、現在も各エリアで復旧工事が進められていて、その様子を実際の現場で学ぶことができる体験ツアーを開催しています。石垣復旧の現場を公開した昨年に続き、今年は重要文化財・金沢城土蔵(鶴丸倉庫)の復旧工事現場を公開します。当日は被害状況および復旧工事の見学のほか、熟練の左官職人による漆喰塗りの実演や左官職人体験も行います。金沢城を支える職人の技をこの機会にぜひ体験してみてください。

【金沢城体験ツアー(左官職人体験編)】
開催日:2025年7月12日(土)・13日(日)
開催時間:各日10:00~、13:00~(合計1時間半程度)
開催場所:金沢城公園 鶴丸倉庫
料金:無料
※6/30までにWEB申込フォームまたは往復はがきで申込。各回30名。応募者多数の場合は抽選

五稜郭/北海道函館市】市民創作 函館野外劇「星の城、明日に輝け」

市民創作 函館野外劇「星の城、明日に輝け」
劇中で活躍する土方歳三(画像提供:NPO法人市民創作「函館野外劇」の会)

五稜郭で鑑賞する国内最大規模の歴史劇

1988年の初演以来、五稜郭などで披露される国内最大規模の歴史劇として進化し続けている「星の城、明日に輝け」。大地の神コロポックルとアイヌの時代から、五稜郭の建設と完成、土方歳三らが活躍した箱館戦争、さらに大火を乗り越えて函館が活気を取り戻していく様を再現します。延べ1500人の函館市民によって演じられる、函館歴史大スペクタルの60分をお楽しみください。

【市民創作 函館野外劇「星の城、明日に輝け」】
開催日:2025年7月6日(日)・13日(日)・20日(日)・27日(日)
開催時間:16:00〜17:00
開催場所:五稜郭公園 一の橋広場
料金:大人前売1000円/当日1200、中学生以下前売500円/当日600

小田城/茨城県つくば市】小田城夏の陣~水かけ大合戦~&オリジナル御城印づくり

小田城夏の陣~水かけ大合戦~
画像提供:つくば市文化財課

中世の堅城で夏限定の爽快な合戦に参加しよう!

鎌倉から戦国時代まで常陸国(現在の茨城県)南部で最大の勢力を誇った小田氏の居城・小田城。現在は本丸跡とその周辺が復元整備され、中世の姿を体感できるようになっています。そんな小田城で真夏にふさわしいイベント「小田城夏の陣~水かけ大合戦~」が開催されます。その名の通り、参加者が2チームに分かれて色水をかけ合うという、夏限定の爽快バトルです。さらに当日は「オリジナル御城印づくり」も実施。小田氏や小田城について楽しく学びながら、イラストやスタンプなどで自分だけの御城印を完成できます。夏の思い出作りにいかがでしょうか?

【小田城夏の陣~水かけ大合戦~】
開催日:2025年7月26日(土)※小雨決行。荒天の場合は翌日順延
開催時間:14:00~18:00
開催場所:小田城跡歴史ひろば
料金:500円(保険料)
※7/1からWEB申込フォームで応募受付(先着80名。定員に達し次第、締切)

小倉城/福岡県北九州市】小倉城庭園アフタヌーンティー

小倉城庭園アフタヌーンティー
書院造の本格的な木造建築「書院棟」の座敷から庭園の美しい景色を眺めることができる(画像提供:小倉城総合事務所)

雅やかな新緑の庭園を眺めながら大名気分を満喫!

小倉城城主・小笠原家の別邸であった下屋敷(御遊所)跡を復元した大名庭園。ここには茶室や展示棟が備わり、歴史や伝統文化に触れられる場所となっています。そんな小倉城庭園で期間限定のアフタヌーンティーを今年も開催! 開放感あふれる庭園を眺めながら、目の前で点てたお抹茶とともに季節の生菓子や北九州市の銘菓、洋菓子をいただくことができます。静かな時間が流れる落ち着いた空間でゆっくりとくつろぎながら、かつて大名が過ごしたような贅沢な気分をご体験ください。

小倉城庭園アフタヌーンティー
アフタヌーンティーセットには季節の生菓子や洋菓子を取り揃えている(画像提供:小倉城総合事務所)

【小倉城庭園アフタヌーンティー】
開催日:2025年6月11日(水)~7月26日(土)毎週水・木・金・土曜
※イベント開催などにより開催できない場合があります
開催時間:13:00〜15:00(1日3組限定。1組2~4名様)
開催場所:⼩倉城庭園 書院棟
料金:6000円/人(HPで要事前予約)

【兵庫県姫路市】特別展「描かれたお城と城下町―築かれた城・理想の城・古城―」

特別展「描かれたお城と城下町―築かれた城・理想の城・古城―」
姫路城図屏風 江戸時代 大谷恵一氏蔵(画像提供:兵庫県立歴史博物館)

江戸時代に描かれた名城の絵図が集合!

江戸時代にはさまざまなお城が描かれ、その中には当時実在したお城だけでなく、江戸時代の時点で古城となっていたものや実在しないお城もありました。そうした絵が誕生した背景を探るべく、兵庫県立歴史博物館で特別展を開催。「幕府の城」「大名の城と城下町」「理想の城づくりを目ざして―軍学の世界―」「古城を想う」とテーマを分け、各地のお城や古城の絵図を展示します。17世紀後期~18世紀中ごろの姿と考えられる「姫路城図屏風」(三の丸内などが詳細かつ正確に描かれているので必見!)をはじめ、幻の名城といわれる名護屋城とその城下町を描いた絵図、これまで知られてこなかった各地の城郭修補図などを見ることができます。この貴重な機会をお見逃しなく!

【特別展「描かれたお城と城下町―築かれた城・理想の城・古城―」】
開催日:2025年7月12日(土)〜8月31日(日)※7/21・8/11を除く毎週月曜と7/22・8/12休館
開催時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
開催場所:兵庫県立歴史博物館 特別展示室
料金:大人前売950円/当日1200円

岡崎城/愛知県岡崎市】岡崎城公園開設150周年記念企画展「岡崎城公園150年のあゆみ」

岡崎城公園開設150周年記念企画展「岡崎城公園150年のあゆみ」
画像提供:三河武士のやかた家康館

廃城指定から現在に至るまでの岡崎城公園の歴史を振り返る

明治6年(1873)の廃城令によって岡崎城が廃城に指定され、旧本丸跡地のみ公園化し保存することが決定。同8年に岡崎公園が開設され、公園改修事業、岡崎城天守復興、岡崎博開催、三河武士のやかた家康館開館などを経て、昨年には岡崎城公園と改称され新たな歴史を刻み始めました。そしてこのたび、岡崎城公園の誕生150周年を記念し、絵葉書や写真などの関係資料を通じて150年の歩みを振り返る企画展を開催します。期間中は記念講演会やギャラリートークなどの関連イベントも開催しますので、ぜひ足を運んでみてください。

【岡崎城公園開設150周年記念企画展「岡崎城公園150年のあゆみ」】
開催日:2025年7月12日(土)〜9月7日(日)
開催時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
開催場所:三河武士のやかた家康館 企画展示室1(特別展示室)・企画展示室2
料金:三河武士のやかた家康館…400円、岡崎城との共通入場券…650円

【東京都千代田区】香川元太郎「日本の城」イラスト原画展~全国お城巡り@日比谷

香川元太郎「日本の城」イラスト原画展~全国お城巡り@日比谷
画像提供:日比谷図書文化館

精緻な城郭復元イラストで全国のお城巡りへ出発!

歴史考証イラストの第一人者として知られる香川元太郎さんは、歴史学の研究成果をふまえて多数の城郭復元イラストを制作。専門家とも協力して考証を加えながら完成したそれらの作品は高く評価され、歴史教科書などにも多数掲載されています。本展では、香川さんが描いた城郭イラスト原画101点を一堂に展示。太田道灌が築いた時代の江戸城から旅を始め、東海・近畿・四国・九州・山陰・北海道・東北と日本全国の名城を巡りながら、江戸時代の壮麗な江戸城へ帰着するという構成になっています。ほかにも親子で楽しめる探し絵企画や、兜・鎧・陣羽織の試着体験など参加型のコンテンツも充実しているので、歴史や文化への理解を深めるとともに夏休みの思い出づくりにもピッタリです。

香川元太郎「日本の城」イラスト原画展~全国お城巡り@日比谷
香川元太郎 作「江戸城天守」(1994年)(画像提供:日比谷図書文化館
※画像の転載・複製を禁止します

また期間中には関連講座として、日本城郭協会理事・加藤理文氏による「香川元太郎氏の城郭イラストの考証についてー遠江・久野城(とおとうみ くのじょう)を中心にー」と、城郭ライター・萩原さちこ氏による「べらぼうな江戸城と江戸城下町~香川元太郎氏のイラストで楽しむ日本の城~」をそれぞれ開催します。お城の知識を深めると共に、香川さんのイラスト世界をより楽しむためにもぜひ合わせてご参加ください。

【香川元太郎「日本の城」イラスト原画展~全国お城巡り@日比谷】
開催日:2025年7月5日(土)~8月31日(日)※7/21・8/18休館
開催時間:10:00~19:00(金曜~20:00、日・祝~17:00。入室は閉室30分前まで)
開催場所:千代田区立日比谷図書文化館 1階 特別展示室
料金:一般500円

【愛媛県宇和島市】令和7年度ダテハク企画展1「幕末ラプソディ ―宇和島×米・蘭・英―」

令和7年度ダテハク企画展1「幕末ラプソディ ―宇和島×米・蘭・英―」
画像提供:宇和島市立伊達博物館

宇和島藩が変革の時を迎えた激動の幕末へタイムトラベル

文政8年(1825)に江戸幕府が日本沿岸に近づく外国船への砲撃を命じる「異国船打払令」が発布されてから、今年で200年の節目を迎えます。日本全体が変革の時を迎えた当時、その渦中にあった宇和島藩では間接的あるいは直接的に諸外国と関わっていました。本展では、アメリカ・オランダ・イギリスとの関係に着目し、3ヵ国との交流が宇和島藩に何をもたらしたのか探求します。さらに、宇和島藩8代藩主伊達宗城に登用され軍政改革等に尽力した軍事家・大村益次郎など、幕末期に活躍した宇和島ゆかりの人々も紹介します。

【令和7年度ダテハク企画展1「幕末ラプソディ ―宇和島×米・蘭・英―」】
開催日:2025年5月31日(土)~10月6日(月)※7/22・8/12を除く毎週火曜休館
開催時間:10:00~19:00(金曜~20:00、日・祝~17:00。入室は閉室30分前まで)
開催場所:宇和島市立伊達博物館 第3展示室
料金:一般500円

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執筆/城びと編集部