2018/09/14
開催直前!「全国山城サミット 安来大会」&「戦国尼子フェスティバル」の楽しみ方
9月23日(日・祝)、24日(月・休)に開催が迫る「山城サミット 安来大会」は、全国の山城をもつ自治体と山城ファンが集う一大イベント。今回は、山城サミット常連の方はもちろん、今年初めて参加する初心者の方も楽しめるように見どころを解説! 会場に向かう前にこの記事を読んで、サミットを一から十まで楽しみ尽くしましょう。23日に同時開催される「戦国尼子フェスティバル」の情報も♪
※24日の山城サミットの「城びと」ブースでプレゼント企画の実施決定!詳細を追記しました(2018年9月20日追記)
第25回全国山城サミット安来大会のポスター。同じ画面に配置された現在の城跡と古絵図の城の姿が、月山富田城の栄枯盛衰を感じさせる(安来市教育委員会提供)
著名な城郭研究者の講演が聞ける「第25回全国山城サミット安来大会」
2017年に開催された全国山城サミット佐野大会の様子。(左)講演会が行われた佐野市文化会館。パネルディスカッションでは城郭研究家や城好きの著名人が熱いトークを繰り広げた(右)史跡見学の様子。奈良大学・千田嘉博教授と佐賀大学・宮武正登教授の案内の元、唐沢山城をめぐった
2018年の山城サミットは月山富田城を有する安来市で、9月23日(日・祝)、24日(月・休)の開催だ。1日目は「史跡見学会」の月山富田城コース、同時開催イベント「戦国尼子フェスティバル」が行われ、2日目には「第25回全国山城サミット安来大会」、「史跡見学会」の月山富田城コースと京羅木山(きょうらぎさん)、勝山コースが行われる。
月山富田城は山陰地方で強大な勢力を誇った戦国大名・尼子氏が本拠とした城で、尼子氏滅亡後も江戸時代まで山陰の中心地だった城だ。今回の特集では、そんな戦国時代を代表する山城で行われる今年の山城サミットの見どころを紹介していこう。
今回のメインイベントは、講演やディスカッションが行われる「第25回全国山城サミット安来大会」だ。今年は日本城郭協会理事・小和田哲男氏の基調講演にはじまり、城郭ライターの萩原さちこさん、滋賀県立大学の中井均教授など非常に豪華な出演者が講演を行う。大会の後半に行われるパネルディスカッションは講演者3名と、戦国魂プロデューサー・鈴木智博氏、月山富田城整備を支援する会会長・平原金造氏を加えた5名で展開される。パネリストはいずれ劣らぬお城・歴史好き。内容の濃い城トークが繰り広げられることが想像に難くない。
「第25回全国山城サミット安来大会」の会場・安来市総合文化センター・アルテピア(安来市教育委員会提供)
「第25回全国山城サミット安来大会」は安来市総合文化センター・アルテピアで山城サミット2日目の10時からはじまる。参加者の定員は1000名で、参加希望者は公式HPで入手できるチラシについている申込用紙を事前に安来市の窓口へ持参するか、郵送・FAXで安来市教育委員会に送付すれば申し込める。安来市教育委員会によると9月12日時点で残席は1桁台となっているため、参加を検討している人は早めに申し込もう。
24日は「城びと」ブースでプレゼント企画実施!(数量限定)
今回、「城びと」も全国山城サミットに参戦します!当日、開催会場のアルテピアの「城びと」ブースに来ていただいた「城びと」会員(登録無料)の方に、オリジナルトートバッグをプレゼント(24日のみ。数量限定のため、なくなり次第終了します)。
「城びと」ブースで、スマートフォンの「城びと」の会員画面を見せてください。ガラケーの方は城びとに登録しているニックネームと会員IDをメモして来ていただければ、その場で確認します。 ※プレゼントは、本登録されている会員の方のみにお渡しします。
「城びと」会員登録方法(無料) ※詳しくは「城びとの使い方|会員登録・プロフィール設定編」を参照してください!
①城びとトップページの「会員登録」をクリック/タップ
②名前とメールアドレス、パスワードなどを入力
③入力したメールアドレスに仮登録メールが届くので、そのURLにアクセス
「戦国尼子フェスティバル」ではトークショーや武者行列を楽しもう
山城サミット1日目の9月23日(日・祝)には、かつて月山富田城の城主だった尼子(あまご)氏を偲ぶ「戦国尼子フェスティバル」が同時開催される。「戦国尼子フェスティバル」は全国から鎧武者や尼子氏ゆかりの人物が集結して5年に1度行われる、盛大な戦国イベントだ。
「戦国尼子フェスティバル」のポスターは月山富田城下に立つ尼子経久の像をメインにした勇壮なデザイン(安来市教育委員会提供)
「戦国尼子フェスティバル」では、ものまね芸人の松村邦洋氏、歴ドル・小日向えりさんなどが出演するトークショーや全国から鎧武者が集う武者行列が行われる。他にも、尼子滅亡後に主家を再興すべく奔走した山中鹿之助(やまなかしかのすけ)の名前をとった史跡見学イベント「幸盛祭」や、食べ物や物産品が集まる「戦国特産市」などのイベントがある。「戦国尼子フェスティバル」のイベントは、月山富田城麓にある絣センター付近に固まっているので、会場全体をまわって5年に1度のお祭りを余すことなく楽しもう。
前回の武者行列の様子。行列は広瀬小学校から月山富田城の麓までの約1kmを練り歩く(安来市教育委員会提供)
月山富田城の歴史を感じる「史跡見学会」
山城サミットで毎年恒例の人気イベントが開催地の城跡を歩く「史跡見学会」。今年は月山富田城と毛利元就が月山富田城攻めの際に陣を置いた京羅木山、勝山の2つのコースが用意されている。
月山富田城コースは9月23日(日・祝)、24日(月・休)の両日開催。ボランティアの案内で山麓にある千畳平(せんじょうなり)から花ノ壇、山中御殿をまわり、山頂の二の丸や本丸までを歩く。月山富田城は2015年から、樹木の伐採や石垣の修復などの整備が進められており、城内からはもちろん、山麓からも山頂の石垣や登城道がはっきりと見えるようになっている。
月山富田城遠景。以前は木々に隠れていた石垣などの遺構が、整備後ははっきりと見えるようになった
京羅木山、勝山コースは、山城サミット安来大会の講演者でもある中井均教授が案内者だ。京羅木山は尼子氏を包囲した毛利元就軍が陣を置いた山で、月山富田城とは飯梨川を挟んで対岸に位置する。毛利軍は当初、3か所の登城口から力攻めを行ったが、突破できなかったため、やむなく長期戦に切り替え京羅木山に陣を敷いたのだ。見学会では中井教授の解説を聞きながら、元就本陣があった京羅木山の遺構を探索し、包囲陣の拠点の一つだった勝山まで歩く。中世城郭への見識が深い中井教授の解説を聞きながら山城を探索できる貴重な機会なので、参加する人は中井教授の解説を一言一句聞き漏らさないようにしよう。
月山富田城方面から見た京羅木山と勝山。これほど近くに包囲陣を敷かれた城兵たちが感じたプレッシャーは、どれほどのものだったのだろうか
「史跡見学会」は山城サミットの中でも毎年大人気のイベントで、今年も参加募集には申し込みが殺到し、7月末には募集が締め切られる盛況ぶりだ。残念ながら今年の見学会は今からの参加はできないが、来年の参加を考えている人は、申し込みがはじまったらすぐに応募できるよう、自治体が出す情報をこまめにチェックするようにしよう。
「第25回全国山城サミット安来大会」、「史跡見学会」の他にも、アルテピア小ホールでは9月24日(月・休)に各自治体の取り組みを紹介する展示やブースなどが出展されるため、大会や見学会に参加できない人も奮って参加して欲しい。また、月山富田城では整備が完了し9月11日から公開がはじまった馬乗馬場など遺構の整備が進み、数年前とは見違える姿になっているので、久しぶりに訪城する人やはじめて来た人には城跡の散策もおすすめだ。
山上の三の丸石垣。石垣が修復され草もきれいに刈られたため、曲輪の形がはっきりとわかるようになった。説明版も新設されている
会場までのアクセスをチェック!
最後に会場までのアクセスを案内しよう。「第25回全国山城サミット安来大会」が行われる安来市総合文化センター・アルテピアはJR安来駅からイエローバスで10分ほど。当日は臨時の無料シャトルバスも出ている。車で来場する場合は山陰道を利用し、安来ICで降りれば10分ほどで到着する。しかし、駐車場は臨時駐車場をあわせても500台ほどで満杯になってしまうため、できるだけ公共交通機関を利用したほうがよいだろう。
「史跡見学会」や「戦国尼子フェスティバル」の会場となる月山富田城はJR安来駅からイエローバスに乗り、「月山入口」で下車すれば会場はすぐそこだ。こちらも当日は無料シャトルバスが運行される。車の場合は安来ICから約20分で山麓に到着するが、当日は交通規制が行われるため、一度飯梨川の対岸へ回り道をする必要がある。駐車には飯梨川河川敷の臨時駐車場を利用しよう。
▼2017年に開催された「第24回 全国山城サミット 佐野大会」のイベントレポートはこちら
執筆・写真/かみゆ(小関裕香子)
ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。かみゆ歴史編集部として著書・制作物多数。