城びとアンバサダーが参戦!「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖」レポート

毎年12月に横浜で、城郭文化の振興と発展、お城ファンとの交流を目的として開催されている国内最大級のお城ファンの祭典「お城EXPO」の出張版として、滋賀県で2020年9月20日・21日の2日間にかけて「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖」が開催されました。初の出張版とはどんな内容だったのか? そして、コロナ禍で外出やイベントの自粛に耐え忍んできたお城ファンは、今回のイベントをどう楽しんだのか? 城びとアンバサダーのたけ◎曲輪衆さんにレポートしていただきます。


イベント自体の概要は下記記事をチェック!


コロナ風の吹きすさぶ中、休城やイベントの中止などでずっと我慢していたお城めぐりやお城イベント。そんな中、やっと開催されることになった「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖」に9月20日と21日の2日間参加してきました。

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖
会場となった滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール。お馴染みの幟がズラリ!会場前では近江八幡市の安土城を中心に活動する信長隊安土衆の面々がお出迎え!お城 EXPOオープニングを盛り上げてくれます

開催されるのを知ったとき、本当に開催されるのだろうか?と心配しましたが、8月から9月開催とずれ込みはしたものの無事開催が決定。即、チケットを購入。しかしその反面、ほんとに行っても大丈夫だろうか?とか、直前になって中止になるんじゃないだろうかとか不安もありました。

出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖
入口には注意喚起のパネルと消毒グッズが並びます。会場内の休息席もすべてソーシャルディスタンスが保たれています

でも、会場に入ってすぐにその不安も解消。コロナに対する新しい生活にも慣れてきた私たち来城者も、マスクをつけ、消毒して万全の態勢で入城。そして来城者には、滋賀県の運営する「もしサポ滋賀」に登録することが義務づけされていて、会場スタッフの方々が来城者一人一人に声をかけ、まだ登録していない場合はQRコードでその場で登録してから入城します。これでもしもの時にも安心。

滋賀県ならではの展示スペース

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖

会場右の大ホール側にある入口をはいるとそこが展示エリア。入ってすぐ右側には『近江武将の戦国絵巻』と銘打って、滋賀県のお城・合戦・武将の歴史や特徴がパネルで解説されていました。滋賀県の大きな赤色立体地図上にはお城の位置や城郭模型作家の岐部博さんのジオラマ模型が展示されていました。ここでは滋賀県のお城事情を詳しく知ることができました。

滋賀県には1300余りものお城があるそうで、単位面積当たりのお城の数では日本一だそうです(知りませんでした)。城郭密集地『甲賀郡中惣』⁈ なんじゃ、それ?(知りませんでした。興味津々、今度見に行きたい‼)

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖

そしてその奥に進むと、ズラーっと並んだお城のパネル。日本城郭協会による日本100名城パネル展です。本来ならお友達同士で「ここ行った!」とか「ここすごかったね!」とか話の弾む場所ですが、今回に限っては皆さん静かにパネルに見入っていました。

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滋賀県のお城パンフレットがいっぱい!観光情報ゾーン

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そして、さらに奥には観光情報ゾーンがありました。滋賀県内や近江のお城のパンフレットや観光案内のパンフレットなど今後のお城関係のイベントのポスターが並びます。

当初は各団体のブースが出展される予定だったのがやむなく中止ということで、少し残念でしたが、ちょうど現在開催中の滋賀県の観光キャンペーン『戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖』に関連した情報を知ることができました。世界遺産登録を目指す彦根城のパネル、安土城の「幻の安土城」復元プロジェクトに対する意見募集のパネルなど、とても興味深い内容のものも!

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖
1日目には確かなかったお城のジオラマ模型も2日目には追加展示されていて、皆さんじっくりと覗き込んでいました

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖
御城印も発見!三雲城の御城印です。先日配布が開始されたばかりの御城印帳も

いよいよメインの厳選プログラムへ

会場左側のホール入口をはいると、まず大きな戦国ワンダーランドのポスターの武将たちのお出迎え。さらに墨絵師の御歌頭さんによる戦国ワンダーランドオリジナルの特大墨絵が4点もドーンと展示されていました。大迫力! プログラムを聞く前からテンション上がります。

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖

今回のEXPOは厳選プログラム中心の開催なので、来城者のほとんどがこのプログラムを聞きに来た方々。ホール内も1席ずつ空けて着席のソーシャルディスタンスをとり、1講演ごとのアルコール消毒と、コロナ対策も万全。

そして、まさにEXPO開催直前に大規模イベントへの規制緩和が発表され、当日券も販売されることになり、私も販売終了であきらめていたプログラムを聞くことができました。どのプログラムも内容が濃くて、近江のお城のことを詳しく知ることができましたし、今まで知らなかったこともたくさん聞けてとても満足。


出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖
一番人が集中する厳選プログラム入場口では、サーモグラフィーによる発熱者のチェックも! 徹底してます

さらに初めての試みとして、リアルタイムでのオンライン視聴が行われました。お家で聞かれた方も多かったのではないでしょうか。

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖

出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖
プログラム会場出口でアンケートに記入して投函すると抽選の結果、当選者には現在滋賀県のお城で配布されている、「近江の城カード」第一弾・安土城のカードがプレゼントされました。なんと会場でお会いした城友さん、当たってました(いいなぁ~)。この近江の城カード、県内の15のお城で配布中。集めてみるのも面白いかも

そして会場内で感じたことは、私たち来城者もこのようなお城イベントの講演やトークショーを心待ちにしていましたが、出演されたパネラーの方々も同じ気持ちだったのか、とても活き活きと話して下さっている感じがしました。

登壇された中井均先生、井伊家18代当主井伊直岳さん、歴史作家の伊東潤さん、小和田哲男先生、城郭ライターの萩原さちこさん、お城マニアのラジオDJクリス・グレンさん、加藤理文先生、滋賀県文化財保護課の松下浩さん、甲賀市教育委員会の小谷徳彦さん。皆さん熱く、楽しく語って下さいました。とても勉強になった2日間のプログラムでした。

いつの間にか城友さんたちと合流

そしてお城EXPOといえば、お城ファンどうしの交流の場。しかし今回はコロナのこともあって1人ひそかにEXPOに来ました。

でも、会場にいると次々と城友さんから声をかけていただいたり、SNSで見かけて予定変更して会場まで来た城友さんとか、いつの間にかプチオフ会のような感じに。やはり、久しぶりのお城イベント!我慢できなかったんですね!(おっと失礼、見逃さなかったんですね)

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖
(写真左)さっそく会場裏の湖畔でびわ湖をバックに記念撮影。琵琶湖写ってませんけど(笑)/(写真右)新しく城友さんもできました。早速お友だち申請

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖
記念撮影したバックはこんな感じで、綺麗なびわ湖が見渡せるナイスビュー! 明智光秀の築いた坂本城も望めます

販売ブースへ

今回のEXPOは公式ブース、城びとブース、書籍販売ブースの3つだけ。少しさみしい感もありましたが、これも今の時期致し方ない。

私は、城びとブースでコンビニ用に車に常備しておきたかったエコバッグと新発売の「はじめてのお城ガイドマップ」の彦根城をお土産用に購入。城友さんは、書籍ブースでマニアックな本を数冊購入。

出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖

近江はお城の宝庫!やはり行かずにはいられない!

『第1弾』
現在、滋賀県では戦国ワンダーランドという観光キャンペーンの一環として、県内各地でおもてなしプログラムが組まれています。

初日、会場に早く着きすぎたので時間を持て余していたら、城友さんから坂本城の本丸が解放されるという情報を頂き坂本城へ向かいました。普段は入れない民間施設のある本丸が解放されていていました。渇水期ではないため、湖中に沈む石垣は見れませんでしたが、坂本城本丸から、光秀も見たであろう琵琶湖の景色を楽しみました。

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖

そして、初日の厳選プログラムが終わると同時に会場を飛出し、彦根城へ。夜間特別公開が開催されるので、事前に予約をしていました。入場券として非売品の限定御城印が配布されるとのことでとても楽しみにしていました。こちらでも城友さんから声をかけていただき、みんなで一緒に天守まで。途中の天秤櫓では、ちょうど琵琶湖に沈む夕日が! 夜間特別公開ならではの絶景でした。

彦根城

同時に「彦根城・佐和山城限定コラボ夜の御城印スタンプラリー」も行われていて、走破するとこれまた限定御城印が完成するというもの。オレンジ色の照明に浮かび上がった彦根城天守はとてもきれいでした。

彦根城・佐和山城限定コラボ夜の御城印スタンプラリー

天守前の石垣下のステージでは、お城EXPO厳選プログラムの最初に登壇された中井均先生と、2日目に登壇された先日近江観光大使に就任したばかりのクリス・グレンさんによるトークショーも始まりました。中井先生の「天守は見なくても、珍しい登り石垣だけは絶対見て!」という言葉と、クリスさんの「建物、石垣だけじゃなくそのお城のルーツ・ストーリー・バックグラウンドも知ってほしい」という言葉が印象に残りました。とても楽しいトークショーでした。

さらに、「観月の夕べ」と銘打ち玄宮園夜間特別公開も行われていました。池に写る庭園や天守の美しいこと!

彦根城

スタンプラリーのゴール佐和山城特設ブースで御城印も完成。自分でスタンプを押していくので、位置がずれたりかすれたりと、押した瞬間悲鳴を上げる人も。そんな御城印もなかなか味があっていいですね(言い訳・笑)。走破者全員へのくじ引きによる佐和山城オリジナルグッズプレゼントは私含め城友さんみんなハズレでした(泣)

さらに、ここで夜の部バージョン限定御城印を発見。合計3種類の御城印をゲットできました。ラッキー!

佐和山城、御城印
(写真左)入城記念府/(写真右)限定コラボ御城印

佐和山城、御城印
(写真左)夜の部バージョン限定御城印/(写真右)ブラックライトをあてると、石田三成の花押が浮かび上がる

そして、「明日またEXPO会場で!」と城友さんたちと別れ、その翌朝、日の出前に北近江にある賤ヶ岳の合戦の柴田側の本陣・玄蕃尾城(福井県・滋賀県)へ。EXPOのプログラムや彦根城でぜひ一度行ってみてと言われると行きたくなってしまいました。ちょうど城友さんが行く予定だとお聞きし、案内していただくことに。

私は初めてだったので、写真でしか見たことない登城口の看板ですでに興奮状態。北近江の山城は今の時期、熊にも注意ということで、城びとストアで購入した城めぐリンも初仕事。リュックにぶら下げて登りました。

登るにつれ遺構が次々と現れ、城友さんは2回目だったのに、「うお~!」「すっげー!」と二人とも大興奮。玄蕃尾城、すごいお城でした。会場でお会いした関東からの城友さんは、蒲生氏郷の日野城に、岡山の城友さんは三雲城へ行ってきたそうです。

佐和山城、御城

『第2弾』
お城EXPOin滋賀で知った「甲賀郡中惣遺跡群」というところにどうしても行きたくなり、翌週にまた滋賀県に行ってしまいました。EXPO期間中に回れなかった気になったお城にも行ってきました。

佐和山城
甲賀郡中惣とよばれる中世城館群のひとつ、新宮支城。土の城で9メートルの土塁が圧観でした。周りを見渡せばお城だらけ

佐和山城
(写真左)佐和山城本丸跡から彦根城を望む/(写真右)水口岡山城本丸から水口城を望む

出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖
今回の第2弾の旅でゲットした御城印や近江の城カード

またどこかの地方都市で開催してほしい出張!お城EXPO

今回の「出張!お城EXPO in滋賀・びわ湖」に参加してみて思ったことは、まず、コロナ禍の中、安全な開催の実現に向けて奔走したであろう関係者の皆様に感謝したいと思いました。私たち来城者も安心して楽しむことができました。

初めての地方開催でしたが、それ故その地域に特化した展示や、厳選プログラムを聞くことができ、とてもよかったと思います。今後のお城めぐりに活かしたいと思います。

この出張開催による地方都市での開催が定着してくればいいなとも感じました。関西での開催だったので来ることができたという方もいらっしゃいましたし、逆に滋賀県内の方も多く来場されていました。(プログラム内で「県内の方、挙手を」という場面に約半数の方が)地元のお城のことをもっと知りたいという方も多いんだなとも感じました。

その地方々のお城事情も様々、こんなに地域に密着した楽しいお城のイベント! 私たちお城ファンはとても行きたくなってしまいます。全国の各地の自治体の担当者の皆様、「今度はぜひウチに来て!」と手を挙げて下さい。

執筆・写真/城びとアンバサダー たけ◎曲輪衆(小野雅章)
※安土衆写真は近江八幡観光物産協会・びわ湖大津観光協会提供