車使わず9日で九州平定!?「続日本100名城」攻略モデルプラン!(後編)

公共の交通機関を使用して効率よく九州の続日本100名城をめぐるプラン。9日間の旅も、いよいよクライマックス!残るお城は3つとはいえ、あなどれません。五島列島の福江城対馬の金田城という「離島の名城」が控えていますよ。特に最後の最後に訪ねる金田城は対馬への移動のみならず、島内での移動に時間を要し、登城も本格的な山城トレッキングとなります。ここはじっくりと島での滞在を味わうくらいの余裕をもって臨んでみてはいかがでしょうか? 九州らしい雄大な海を味わいながら城攻めを楽しんでください。

金田城、絶景、浅茅湾
九州「続日本100名城」の旅最難関の金田城。山頂から浅茅湾を望むと、ここでしか見られない絶景が広がる

7日目:世界遺産登録で話題の五島列島へ上陸!

福江港、高速船内
長崎港を発ち福江港に到着した高速船内

<DAY7>
原城前停留所
↓島原鉄道バス「島原駅前」行 1時間(960円)
島原駅前停留所
島原駅
↓島原鉄道1時間10分(1430円)
諫早駅
↓JR長崎本線20分(460円 特別料金300円)
長崎駅
↓徒歩15分(約1km)
長崎港
↓九州商船・超高速船1時間30分(5610円)
福江港
↓徒歩約8分(約500m)
福江城(福江港付近で泊)

世界遺産の原城を後にして、世界遺産の教会群が残り、キリシタン文化薫る五島列島へ向かいます。まずは長崎駅まで移動し、徒歩圏内の長崎港から高速船に乗り1時間30分、五島列島の中でも最大の福江島に上陸。福江港から福江城跡までは、歩いて約8分です。

早朝に原城跡を発ったとしても、午後の到着になります。福江城を急いで見学し、午後には福江島を発ち長崎や佐世保へ渡ることも可能ですが、できれば城下町散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。福江港近くに宿は点在しています。

■福江城(長崎県五島市)
福江城、五島氏庭園、城郭内
福江城五島氏庭園。城郭内の庭園として保存例が少なく、貴重な存在

江戸時代末期、嘉永2年(1849)に築城工事に着工し、財政難などで難航しながら文久3年(1863)にようやく完成。しかし、ほどなくして明治維新を迎え、廃城となってしまいました。幕末に相次ぐ外国船来航により海防の強化が唱えられるようになったのが、異例の築城となった背景。海に突き出した縄張りで、海防目的の海城としての性質が強く出ています。藩主の隠居屋敷は海から離れた、城内で最も安全な場所に築かれています。屋敷の入館料は800円。案内の方の丁寧な解説を伺いながら、目を見張るような庭園、独特のデザインを用いた部屋などを見てまわれるので、入館をぜひおすすめしたいです。

【スタンプ設置場所】
福江城五島氏庭園

福江城、福江武家屋敷通り、石垣、丸石、かまぼこ型
福江武家屋敷通りの石垣。「こぼれ石」という丸石を積み、両側をかまぼこ型の石で止める類例のない造り

8日目:博多は目前!リニューアル天守から玄界灘の眺望を楽しむ

JR筑肥線、博多方面
唐津と博多方面を結ぶJR筑肥線

<DAY8>
福江港
↓九州商船1時間50分(ジェットホイル5730円)
長崎港
↓徒歩約15分(約1km)
長崎駅
↓JR長崎本線かもめで約1時間20分、佐賀駅でJR唐津線に乗り換え約1時間20分(2480円 特急料金1230円)
唐津駅
↓徒歩約25分(約2km)
唐津城
↓徒歩約25分
唐津駅
↓JR筑肥線1時間20分(1140円)
博多駅(博多駅または天神周辺で泊)

福江港から長崎行きのフェリーに乗船し、再び九州本島へ。

長崎駅からはJR長崎本線と唐津線を利用して約2時間30分ですが、長崎駅から高速バス(約2時間30分~3時間)に乗って博多バスターミナルに移動し、鉄道に乗り換えるという手段もあります。

唐津城と城下町を散策した後は、JR唐津線で博多方面へ移動し、博多駅や繁華街・天神周辺の宿で翌日の最終決戦に備えてみてはいかがでしょうか。

唐津城、天守閣、歴史博物館、模擬
唐津城天守閣は昭和期に建てられた歴史博物館。外観は肥前の名護屋城の絵画に描かれた天守をイメージした模擬天守

■唐津城(佐賀県唐津市)
関ヶ原の戦いの戦功により寺沢広高が築城にとりかかり7年がかりで完成。しかし、2代の寺沢堅高が島原の乱の責任を問われて減封、死去後には断絶となってしまいます。その後は、譜代大名が次々と入れ替わり、幕末までに5家18代が城主となりました。城の東側には「日本三大松原」のひとつ、虹の松原とよばれる景勝地が広がりますし、東側からの唐津城は、唐津湾に突き出し海に浮かんでいるように見えます。2017年7月には唐津城天守閣がリニューアルオープンし、デジタル技術を駆使した展示など新たな試みが導入されています。そして何より、最上階から一望する玄界灘と虹の松原が広がる景観は秀逸です。

【スタンプ設置場所】
唐津城天守閣一階

和菓子店、唐津焼、城下町
和菓子店や唐津焼の店が並び城下町の風情がただよう

9日目:旅のクライマックスは、眺望最高の山城トレッキング!

高速船、対馬、博多フェリーターミナル
対馬行きの高速船が行き来する博多フェリーターミナル

<DAY9>
博多駅
↓西鉄バス20分(230円)※天神周辺からもバスあり
博多港
↓九州郵船ジェットフォイル2時間15分(7060円)※フェリーだと4時間30分(4460円)
厳原港
↓徒歩約10分(約800m)
対馬観光物産協会
↓タクシー30分 
(城山入口)
↓タクシー12分
金田城跡(城山)登山口
↓徒歩50分
金田城跡(城山)山頂
↓徒歩40分
金田城跡(城山)登山口
↓タクシー12分
城山入口
↓タクシー30分
対馬観光物産協会
↓徒歩約10分
厳原港
↓九州郵船ジェットフォイル2時間15分(7060円)
博多港
↓西鉄バス20分(230円)
博多駅 ※対馬でもう1泊する場合は厳原港周辺がアクセスに便利。
    ※対馬空港を利用し福岡空港へアクセスすることも可能

博多港からジェットフォイルまたはフェリーで玄界灘を渡り対馬へ。対馬は2017年にユネスコの世界記憶遺産に登録された「朝鮮通信使」の舞台です。対馬の南側の玄関である厳原港に到着。厳原港から徒歩10分の距離に城下町が広がっています。まずは、城下町厳原を散策しながら対馬観光物産協会に向かいましょう。金田城は本格的な山城ですし、慣れない対馬の気候。登城前に情報を集めておくのをおすすめします。

登山口までは、対馬観光物産協会付近からタクシーを利用。約42分で金田城登城口までアクセスし、山頂まで片道50分ほどが目安です。大変な思いをしながらたどり着いた金田城の山頂からは、道中の疲れが吹っ飛ぶくらいに息を飲むような絶景、青い海とリアス式海岸の多島美が広がっています!登山途中の膨大な量の石垣や、時折見える紺碧の海。古代に城を守った防人たちと同じ景色を体験できるのも城ファンとしてはたまりませんね。

下山後は再び城下町厳原に戻り、城下町散策がおすすめ。武家屋敷の独特な石垣の積み方から、大陸との交流の影響を感じることができます。そのまま厳原に宿泊するも、厳原港から博多に移動するにしろ、九州の続日本100名城攻略の余韻を味わってください。

■金田城(長崎県対馬市)
金田城、石塁
積み上げられた膨大な数の石塁に圧倒される

今から1300年以上前の天智天皇6年(667)に築かれた古代山城の代表格。朝鮮半島にもっとも近い位置にあり、国土防衛の最前線の役割を果たしました。見張りにあたったのが、防人(さきもり)とよばれる人々です。山頂付近にはロシアの侵攻に備えた城山砲台の後が残り、時代を超えても防衛拠点として重視されたことがよく分かります。城山を取り囲むように総延長約3kmもの石塁が築かれ、大陸との緊張関係にあった当時の状況が偲ばれます。

【スタンプ設置場所】
美津島地区公民館、対馬観光物産協会

金田城、城下町、鏡積み
城下町厳原特有の「鏡積み」の技法は町の各所で見られる

※時刻やアクセス、料金につきましては、事前に関係施設や交通機関で最新情報をご確認いただくのをおすすめします。所要時間は乗る列車によって差が生じます。

「車使わず9日で九州平定!?「続日本100名城」攻略モデルプラン!」

執筆・写真/藪内成基(やぶうちしげき)
奈良県出身。30代の城愛好家。国内旅行業務取扱管理者。出版社にて旅行雑誌『ノジュール』などを編集。退職し九州の城下町に移住。観光PRやガイドの傍ら、「城と暮らし」をテーマに執筆・撮影。『地域人』(大正大学出版会)など。海外含め訪問城は500以上。知識ゼロで楽しめる城の情報発信を目指す。

※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報(パンフレット、自治体のWEBサイト等)を参考にしています

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