【2024年版】ピックアップ!9月に開催されるお城イベント・展覧会

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9月はまだまだ厳しい暑さが続きますが、暦の上では秋。季節の風物詩を楽しむことができるイベントが全国のお城でも開催されます。姫路城や彦根城での観月会から、鳥取や関ヶ原で毎年恒例の時代祭りまで、注目イベントをご紹介します。

姫路城/兵庫県姫路市】第42回姫路城観月会

姫路城観月会
ライトアップされた姫路城を背景に、ステージプログラムやおもてなしコーナーが実施される(画像提供:姫路城イベント実行委員会事務局)

世界文化遺産の名城と中秋の名月を同時に愛でる

姫路城では毎年、中秋の名月の日に三の丸広場で「姫路城観月会」を開催。42回目を迎える今回は、琴や太鼓演奏など郷土芸能のステージのほか、恒例の茶席・地酒のおもてなしを実施します。ライトに照らされる白亜の姫路城を、1年のうちで最も美しく見える月と同時に眺める、この時期しか体験できない風流な一夜をお楽しみください。
さらに9月1日(日)から9月30日(月)までの30日間、普段は公開されていない「トの櫓(やぐら)・との一門」および「搦手(からめて)周辺」を特別に公開。姫路城の東側に位置する地形と城郭の構造を利用した、高度な防御力を持つ搦手周辺をこの機会にぜひご覧ください。

【第42回姫路城観月会】
開催日:2024年9月17日(火)※雨天の場合9月18日(水)に順延
開催時間:詳細は今後、以下のHPにて発表予定
開催場所:姫路城 三の丸広場
料金:無料(飲食・お茶席は有料)

彦根城/滋賀県彦根市】観月の夕べ ~ムーンナイト&ダークナイト~

彦根城・玄宮園、観月の夕べ
江戸文化の贅を尽くした池泉回遊式の大名庭園「玄宮園」をライトアップ。光に照らされた彦根城天守も玄宮園の庭から眺めることができる(画像提供:彦根観光協会)

池越しに眺める国宝天守と名月の美しさは格別!

彦根城を拠点に彦根藩を治めた井伊家の大名庭園「玄宮園」。彦根城天守閣や茂った木々を背景に“近江八景”を模して造られ、大きな池に突き出すように臨池閣(りんちかく)が立ち、情趣豊かな庭になっています。中秋の名月が見られる時期には「観月の夕べ」と題し、ライトアップされた夜間の園内を特別公開。さらに開催日が月の満ち欠けによって「ムーンナイト」と「ダークナイト」に分けられ、ムーンナイトは邦楽演奏や呈茶席、ダークナイトはジャズライブやビアガーデンを実施します。
さらに9月7日(土)から11月30日(土)まで「ひこね夢灯路」と題し、彦根城内の堀などさまざまな場所を夜間にライトアップ。月夜をいっそう風流に彩るイベントを体験しながら、闇夜の中から歴史的景観が浮かび上がる幻想的な一夜をお楽しみください。

【観月の夕べ ~ムーンナイト&ダークナイト~】
開催日:2024年9月7日(土)~9月23日(月・祝)のうち土日祝8日間および9月27日(金)~9月29日(日)
開催時間:18:00〜21:30(最終入場21:00)
開催場所:名勝 玄宮楽々園(特別公開エリアは玄宮園のみ)
料金:700円(昼間に購入した彦根城・玄宮園観覧券では入場できません)

小倉城/福岡県北九州市】天守閣 観月煎茶会

小倉城天守閣 観月煎茶会
小倉北煎茶道連盟の小笠原流煎茶道と連携して「天守閣 観月煎茶会」を開催(写真は今年3月3日に天守閣4階で開催された国際交流ひなまつり煎茶会の様子。画像提供:小倉城)

中秋の名月に天守閣で日本一の玉露を味わう

小倉城は「勝山」と呼ばれる山にあり、日本に臨済宗を伝えるとともに茶の始祖としても知られる禅僧の栄西が、この地に庵を構えていたとも言われています。こうした逸話にちなんだイベントとして、最上階にあたる小倉城天守閣5階で初の試みとなる観月煎茶会を開催。全国お茶まつりで23年連続「産地賞」に輝いている八女茶(福岡県)の中でも、香り豊かで上品な味わいが特徴の玉露を、小倉北煎茶道連盟の小笠原流煎茶道(梅根秀悦先生)のお点前で振る舞います。天守閣で中秋の名月とともに日本一の玉露を味わう、特別な煎茶会にぜひご参加ください。

【天守閣 観月煎茶会】
開催日:2024年9月17日(火)
開催時間:18:30~20:00
開催場所:小倉城天守閣5階
料金:2000円(小倉城入城料込み、煎茶2服、菓子付き。要事前申込)

鳥取城/鳥取県鳥取市】鳥取三十二万石お城まつり

鳥取三十二万石お城まつり
甲冑に身を包み鉄砲を携えた備州岡山城鉄砲隊が町中に轟音を響かせる(画像提供:鳥取市観光コンベンション協会

城下町鳥取の時代絵巻を丸一日堪能できる

鳥取三十二万石の世界を再現する時代祭として毎年行われるお城まつりが今年も開催。鳥取城跡・久松公園では火縄銃鉄砲隊の演武をはじめ、和太鼓やしゃんしゃん傘踊りなど多彩な演目のステージイベント、城下町グルメの販売を行います。甲冑姿の鎧武者が火縄銃を撃つ姿は迫力満点! また中心市街地では、殿様や姫様、武士などに扮した人々が練り歩く勇壮な時代行列を実施。まるで江戸時代にアイムスリップしたような気分を味わえます。

【鳥取三十二万石お城まつり】
開催日:【時代行列】2024年9月28日(土)/【お城まつり】2024年9月29日(日)
開催時間:【時代行列】11:00~14:00【お城まつり】10:00~15:00
会場:鳥取城跡・久松公園・中心市街地
料金:無料

多賀城/宮城県多賀城市】千年先の未来への道灯り「光の道」Art プロジェクト

千年先の未来への道灯り「光の道」Art プロジェクト
南門へと至る南北大路などを光のアートで再現し、かつての多賀城の面影を現代に蘇らせる(画像提供:多賀城創建1300年記念事業実行委員会)

古代多賀城の姿を色鮮やかな光のアートで再現

かつて古代東北の政治・文化の中心として繁栄した多賀城が、2024年に創建1300年を迎えます。その記念事業の1つとして、多賀城跡でライトアップイベントを実施。古代多賀城における政庁正殿跡、政庁南大路や南北大路などを光によって再現するとともに、スカイランタン®に未来へのメッセージを記入して上空へ浮かばせるという参加型アートプログラムも実施します。1300年間の歴史と現代、さらに千年先の未来を結ぶ、様々な色の光で彩られたアート空間をぜひ体験してみてください。

【千年先の未来への道灯り「光の道」Art プロジェクト】
開催日:2024年9月5日(木)~9月6日(金)
開催時間:18:30~20:30
開催場所:多賀城政庁跡
料金:無料(アートプログラム500円。各日先着100名)

【関ケ原古戦場/岐阜県不破郡】大関ケ原祭2024

大関ケ原祭2024

大関ケ原祭2024
10月19日・20日のメインイベント「関ケ原合戦絵巻」の様子(画像提供:岐阜県観光資源活用課)

国内屈指の戦国イベントが多彩なイベントと共にスケールアップ!

関ケ原合戦を再現した絵巻など、毎年秋に2日間に渡って行われる戦国イベント「関ケ原合戦祭り」。今年は「大関ケ原祭2024」と題して9月から、関ケ原古戦場の魅力を発信する様々な関連イベントが実施されます。石田三成が陣を構えた笹尾山の特設ステージで竹下景子さんたちが野外朗読音楽絵巻「関ケ原の記憶」を上演する「関ケ原ナイト」、関ケ原合戦当日の9月15日に再現される「のろし上げ」、参戦武将らの陣跡をめぐる「関ケ原陣跡制覇ウォーキング」、全国から甲冑武者約100人が参戦する「関ケ原合戦絵巻」など、天下分け目の決戦の舞台で歴史ロマンを存分に堪能できます。

【大関ケ原祭2024】
開催日:2024年9月7日(土)~10月19日(土)・20日(日)
開催時間:イベントによって異なります
会場:岐阜県不破郡関ケ原町、関ケ原ふれあいセンター・陣場野公園、岐阜関ケ原古戦場記念館・笹尾山 周辺
料金:無料(関ケ原ナイトなど一部有料)

【和歌山県九度山町】企画展「真田一族ゆかりの城」

企画展「真田一族ゆかりの城」
画像提供:九度山・真田ミュージアム

真田三代の活躍の舞台となった城を紹介

戦国末期に生きた真田三代(昌幸・幸村(信繁)・大助)の足跡を紹介する九度山・真田ミュージアムで企画展「真田一族ゆかりの城」の第2期を開催します。今年4~7月に開催した第1期と同じく、昌幸が築いた上田城や大坂の陣の舞台となった大坂城など、真田三代にゆかりのある城を紹介。城や館の位置を地図上に示して29種類の御城印を並べたジオラマ展示や、未完成の「大坂冬の陣屛風」デジタル想定復元図などを見ることができます。さらに、10月には上田城から出土した金箔瓦(鬼瓦、鯱瓦、鳥衾瓦)を期間限定で展示するなど、新たな展示の入れ替わりも予定しています。城に注目した展示の数々を通じて、真田三代の活躍を体感してはいかがでしょうか。

【企画展「真田一族ゆかりの城」第2期
開催日:2024年9月4日(水)~2025年3月23日(日)※月・火曜休館(祝日の場合は翌平日休)
開催時間:9:00~17:00(最終入場16:30)
開催場所:九度山・真田ミュージアム
料金:500円

【鹿児島県鹿児島市】鹿児島城跡・山城シンポジウム「城山を語る!」

鹿児島城跡・山城シンポジウム「城山を語る!」
画像提供:鹿児島県観光・文化スポーツ部文化芸術振興課

専門家たちが鹿児島城の城山の歴史と特徴に迫る

のちの初代薩摩藩主・島津家久が慶長6年(1601)ごろから建設に着手し、島津氏の居城となった鹿児島城をテーマにしたシンポジウムを開催します。まず小林善仁氏(鹿児島大学准教授)が「『御城山』の近代的変化」、中井均氏(滋賀県立大学名誉教授)が「山城としての鹿児島城」について基調発表を行い、鹿児島城の山城部分だった城山の歴史的変遷や、全国の山城と比べた鹿児島城の特徴を紹介。さらに、小平田史穂氏(尚古集成館学芸員)と安川あかね氏(城山観光株式会社SDGs推進部部長)を交えて、城跡の今後の保存・活用についてパネルディスカッションを行います。山城ファンはぜひご参加ください。

【鹿児島城跡・山城シンポジウム「城山を語る!」】
開催日:2024年9月7日(土)
開催時間:14:00~17:00
開催場所:鹿児島県歴史・美術センター黎明館2階講堂
料金:無料(定員220名)
※インターネットまたは往復はがきで事前応募が必要(9/1締切)応募詳細はHP参照

執筆/城びと編集部