超入門! お城セミナー 超入門!お城セミナーまとめ【構造編 Vol.2】

初心者向けにゼロからわかりやすく解説する「超入門!お城セミナー」。お城を鑑賞していると「この設備はどうやって造られたの?」「この構造にはどんな意味があるの?」といった素朴な疑問を抱くこともあるのではないでしょうか? そんな「お城の構造」に関する記事をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。



なぜ石垣は崩れずに現代まで残っているの?

近世城郭に建造されてから数百年、全国各地の城跡には立派な石垣が残っています。でも、鉄筋コンクリートやセメントがない時代にただ石を積み上げただけなのに、今も崩れていないのは改めて考えると不思議ですよね。

実は、石垣の表面からは見えない内側の構造に、石工たちの技術の結晶といえるさまざまな技法が発揮されているのです。

大阪城、髙石垣
大阪城(大阪府)の髙石垣。徳川家の城として改修された大阪城には、当時の最先端の技術が使われている

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堀って泳いで渡ることはできなかったの?

石垣とセットで鑑賞する機会が多い水堀もまた、近世城郭に欠かせない防御設備。敵が曲輪に侵入することを阻むために造られたものですが、もしかしたら泳ぎが上手だったら何とか渡りきれるのでは?という気もしますよね。

でもやっぱり、そんなに甘くありません。水堀には、侵入者から守るための工夫や仕掛けが巧みに施されているのです。

江戸城、桜田濠
近世城郭の広大な水堀は、鉄砲や弓矢といった飛び道具も無効化する(写真は皇居の桜田濠)

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山中城のワッフルみたいな堀って何の意味があるの?

堀の種類には、水をたたえた「水堀」以外にも水のない「空堀」があり、こちらは山城でよく見られます。その中でも特に個性的なのが、ワッフルの網目のような形をしている「障子堀(堀障子)」です。

そのユニークな見た目から「デザイン重視で造ったのかな?」という気もしますが、障子堀もまたお城の重要な防御設備。敵の侵入を防ぐ効果を最大限とする仕掛けが施されていたのです。

山中城、障子堀
山中城(静岡県)西櫓・西の丸間の堀。障子堀が現存する城の中でも整備が行き届いており、遺構が観察しやすい

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山城にとって井戸はどれほど重要だったの?

平地から離れた山城を登っていると、「当時は食糧や水をどう確保していたのかな?」と気になりますよね。特に水は、人間の生体機能の維持に不可欠。籠城戦に突入して城外からの運搬が断たれてしまったら、まさに死活問題です。

もちろん、戦国武将たちがそうしたリスク管理を怠るわけがありません。井戸や水路などさまざまな「水の手」が設けられ、今も城跡で確認することができます。

春日山城、大井戸
春日山城(新潟県)の本丸裏手にある大井戸。今なお満々と水をたたえている。水の手は城にとって必要不可欠な存在だった

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戦国大名の治水事業─城を造るときに川の流れを変える!?

2019年、台風19号による猛烈な豪雨で河川の堤防が決壊した際、かつて武田信玄が洪水対策の一環で築いた「信玄堤(竜王堤)」の高い技術力が改めて注目されました。

戦国武将と治水事業はあまりイメージが結びつかないかもしれませんが、防御機能をアップさせるために川や堀をめぐらせたお城においては、川の水勢や流路をコントロールする治水技術は必要不可欠だったのです。

聖牛
甲州発祥といわれる治水技術の一つ・聖牛。水流を三角錐や四角錐に組んだ丸太を通過させることで勢いを弱める効果があり、現在も増水した釜無川の流れを弱める役割を担っている

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執筆/城びと編集部

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