<1・2日目編>【GW日本の100名城制覇旅】四国編:四国の日本100名城全9城を4日でめぐろう!

4月から5月は気候も暖かくなり、城歩きにも適した季節。そこで、連休を利用して城めぐりに繰り出してみてはいかがでしょうか。今回は、四国の100名城を制覇できる3泊4日のコースを紹介。こちらの記事では1日目・2日目の巡り方をご案内します!(※2019年4月17日初回公開)



[1日目]南海随一の名城と名高い高知城から桂浜へ

東京・羽田空港からは約1時間30分、大阪・大阪国際空港(伊丹空港)からは約45分で、高知空港に到着。高知空港からバスに乗り込み約25分で高知駅に到着。そこから路面電車に乗り換えて高知城を目指します。

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現存追手門と現存天守が一度に見られるのはここ高知城だけ!

高知城は、土佐藩庁として代々山内氏が城主を務めた城。関ヶ原の戦い後には、山内一豊が入封し現在の城の形を造りました。土佐藩は、幕末には坂本龍馬などの志士を輩出した地としても有名ですね。また、本丸御殿と天守の両方が現存する全国唯一の城でもあります。

追手門をくぐりいざ入城! 本丸までの石垣をじっくり見ながら歩くと所々に飛び出た石が見受けられます。これは「石樋(いしづい)」といって、排水が直接石垣に当たって泥水が目詰まりを起こさないようにする排水設備です。多雨地域で位置する高知城ならではのめずらしい設備と言えるでしょう。

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石垣に「石樋」を探しながら歩いてみては?

本丸には、天守、本丸御殿、黒鉄門、西多聞、東多聞などがあり、いずれも国の重要文化財に指定されています。天守と本丸御殿は繋がっており、本丸御殿の入口には日本100名城のスタンプが。また、日本で唯一現存している、敵の侵入から天守を守るための「忍び返し」は見逃さないように。その他にも、三の丸から出土した長宗我部時代の石垣や初代土佐藩主の山内一豊像など見どころが盛りだくさんです。

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追手門から少し奥まった場所にある山内一豊像もチェックしておきたい

たっぷり歩いてお腹がすいたら、高知城から徒歩約5分の「ひろめ市場」に行ってみましょう。新鮮な海産物や高知県名物を味わえます。また、バスに乗って約40分の桂浜周辺に足をのばすのもオススメ。名勝桂浜周辺には、龍馬像や龍馬記念館、桂浜水族館などがあります。

桂浜観光を終えたら、電車があれば宇和島駅に、無ければ高知駅周辺に一泊。翌日は相当な距離を歩くので、ゆっくり休んで2日目に備えましょう。


[2日目]自然豊かな宇和島城から木造復元天守を有する大洲城、厳重な防御力を誇る松山城へ

2日目はまず、宇和島駅から徒歩約20分の宇和島城へ。宇和島城は築城名人・藤堂高虎が約6年の歳月を費やして築いた城。寛文6年(1666)頃に再建された天守が約350年の時を超え、今なお悠然と建っています。宇和島城周辺は300年以上火災が発生せず、伐採もされなかったことから貴重な植物の宝庫。登り口から天守までの道のりを自然観察しながら歩いてみましょう。

三の丸には武器庫を移築した郷土資料館があり、こちらで100名城スタンプを押せます。5月4日(土・祝)と5日(日・祝)には「伊達なうわじまお城まつり」を開催。伊達政宗の長男秀宗が宇和島入部をした際の「秀宗公入部伊達五十七騎大武者行列」を再現するなど、お城一帯が盛り上がります。(※おまつりの開催期間は異なる場合がありますので、事前にご確認ください)

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小さいながらも破風や懸魚などが華麗な宇和島城天守

宇和島城を満喫したら、宇和島駅に戻って次の目的地、大洲城へと移動。特急を利用すれば約50分で、最寄りの伊予大洲駅に到着します。大洲城までは駅から徒歩約20分。途中、大洲市歴史博物館もあるので立ち寄ってみるのも良いかもしれません。

2004年、大洲市政50周年の際に古写真や江戸期の木組模型から再建された木造天守がそびえる大洲城。天守の木組みは、伝統工法を使用し金物を一切使用していません。天守内に入って見上げると、複雑な木組みに驚くはず。また、4つの櫓(台所櫓、高欄櫓、苧綿櫓、三の丸南隅櫓)は国の文化財に指定されています。日本100名城スタンプの設置場所は、大洲城入口にあたる台所櫓です。

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台所櫓と高欄櫓を従える「連結式天守」の大洲城の堂々たる姿

2日目はあと1城訪ねます。伊予大洲駅に戻り、特急で約35分または鈍行で約1時間30分の松山駅へ。路面電車に乗り換えて、大街道で下車後約5分歩くと、松山城まで続くロープウェイ乗り場に到着します。ロープウェイで約2分、山頂駅から天守までは徒歩約10分です。

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奥には隠門(写真右奥)があり、手前に見える筒井門から敵が攻めてきたときに背後にまわることができた

現存12天守の一つ、松山城の天守は連立式天守です。一の門から入るとすぐ、敵を四方から攻撃できる中庭に繋がるため、防御力に優れ天守防衛の最も厳重な形とも言われています。日本100名城スタンプは天守入口で押せるので忘れずに。また、松山城天守きっぷ売り場では登城の証となる登城記念切符も頒布されています。加藤家、蒲生家、松平家、久松家、歴代城主の家紋があしらわれたデザインに注目です。

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一ノ門手前から見上げる松山城天守。天守までは近いようで複雑なルートを経由しなければならない

2日目は、松山城から路面電車ですぐ、日本最古と言われる道後温泉に宿を取るのが良いでしょう。3日目に備えて、温泉でゆっくりと疲れを癒やしましょう!


<ルート>
※城名の後ろ、丸括弧内は日本100名城スタンプ設置場所
(スタンプ設置場所は変更になる場合があります。事前にご確認ください)

[1日目]
高知空港
↓バスで約25分
高知駅
↓とさでん交通路面電車、約5分
はりまや橋
↓とさでん交通路面電車、約4分
高知城前
↓徒歩約8分
高知城(本丸御殿入口)
↓徒歩約5分
ひろめ市場
↓徒歩約10分
北はりやま橋
↓バスで約30分
龍馬記念館前
↓徒歩約4分
桂浜
↓バスで約40分
高知駅
↓JR土讃線あしずり号、約70分
窪川駅
↓土佐くろしお鉄道中村線、約2時間〜2時間40分
宇和島駅

[2日目]
宇和島駅
↓徒歩約20分
宇和島城(郷土資料館)
↓徒歩約20分
宇和島駅
↓JR予讃線宇和海号、約50分
伊予大洲駅
↓徒歩約20分
大洲城(台所櫓入口)
↓徒歩約20分
伊予大洲駅
↓JR予讃線、約1時間10分
松山駅
↓伊予鉄道市内線、約10分
大街道駅
↓徒歩約5分
城山ロープウェイ山麓駅
↓約2分
城山ロープウェイ山頂駅
↓徒歩すぐ
松山城(天守入口)
↓天守から徒歩約10分
城山ロープウェイ山頂駅
↓約2分
城山ロープウェイ山麓駅
↓徒歩約30分圏内
道後温泉


執筆/かみゆ歴史編集部(野中咲希)
「歴史はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。手がける主なジャンルは日本史、世界史、美術史、宗教・神話、観光ガイドなど歴史全般。最近の編集制作物に『天皇〈125代〉の歴史』『マンガ面白いほどよくわかる!新選組』(西東社)、『さかのぼり現代史』『日本の信仰がわかる神社と神々』(朝日新聞出版)、『ニュースがわかる 図解東アジアの歴史』(SBビジュアル新書)、『ゼロからわかるケルト神話とアーサー王伝説』(イースト・プレス)など。

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