【今月のお城イベント】9月後半に開催されるイベント・展覧会をピックアップ

暑さが和らぎ過ごしやすい時期になる9月下旬。気候がよいことから、各城のイベントを満喫するには最適のシーズンです。今秋は彦根城の天守から、彦根の城下町の夜景が楽しめる「彦根城夜楽2018」、人間国宝による古典芸能や琉球舞踊などが鑑賞できる首里城の「中秋の宴」など、行楽の秋を堪能できるイベントが目白押しです。※こちらのイベントは全て終了しております。最新の情報は事前にご確認ください。



【尼崎城】歴史講座「絵図から見た尼崎城」

絵図から見た尼崎城、講座
「絵図から見た尼崎城」の講座の様子。絵図を通して尼崎城の過去にタイムトラベル(尼崎市教育委員会「水曜歴史講座」提供)


絵図を通して尼崎城の歴史や文化をひもとく

毎月2回、第2・第4水曜日に行われている、文化財収蔵庫の学芸員による尼崎の歴史や文化財に関する話題にした講座です。9月のテーマは、「絵図から見た尼崎城」。尼崎城は代々譜代大名が藩主をつとめる尼崎の藩政において、中心的な役割を担いました。そんな尼崎のシンボルである尼崎城は、今年で築城から400年を迎えます。今回の「絵図から見た尼崎城」では、尼崎城天守のもとになった江戸中期に描かれた「尼崎城分間絵図」などを中心に、絵図によって、尼崎城の歴史や文化を探求します。尼崎城は築城時の二分の一のスケールで、来年3月に公開されます。尼崎城公開を前に、絵図に込められた尼崎城の過去の時間と空間を体感してみましょう。

【絵図から見た尼崎城】
開催日: 2018年9月12日(水)、9月26日(水)
開催時間:14:00〜16:00
開催場所:尼崎市立文化財収蔵庫講座室
料金: 受講無料

【肥前名護屋城】企画展「肥前名護屋 −幻の巨大都市−」

肥前名護屋 −幻の巨大都市−、肥前名護屋城、企画展
軍事都市・肥前名護屋城の実態に迫る!(佐賀県立名護屋城博物館提供)

類い希な規模を誇った軍事都市・肥前名護屋城の軌跡をたどる

豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)に際し、軍事拠点として築かれた肥前名護屋城。城の歴史を伝える名護屋博物館の開館25周年を記念して開催される「肥前名護屋−幻の巨大都市−」では、肥前名護屋に参陣した大名ゆかりの品々の紹介を通して、軍事都市として形成された肥前名護屋の歴史にふれることができます。文禄期に描かれた「世界図・日本図屏風」や、肥前名護屋にて前田利家が愛用したとされる「算盤」、明国使節団への対応は秀吉に一任するということで武将達が署名をした「諸大名等連署誓紙」など、貴重な資料も紹介されます。

【肥前名護屋 −幻の巨大都市−】
開催日:2018年9月28日(金)〜11月11日(日)
開催時間:9:00〜17:00
開催場所:佐賀県立名護屋城博物館企画展示室
料金:一般300円、大学生・専門学校生200円、高校生以下無料

【首里城】イベント「中秋の宴」

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首里城にて開催の「中秋の宴」。首里城と琉球芸能の交錯がつくりだす琉球王国の雰囲気を体感できる(首里城公園管理センター提供)

首里城にて琉球王国がよみがえる!

首里城正殿前御庭(特設ステージ)にて、琉球王国時代に行われた冊封七宴の内のひとつ「中秋の宴」が催されます。琉球舞踊・組踊の演舞では、比嘉聰氏ら総勢5名の人間国宝が出演し、月明かりが美しい秋の王宮で華麗な舞を披露。また、一般公募の首理城祭国王・王妃公開選出大会も行われ、現代における琉球の国王・王妃の誕生を直に見ることができます。幻想的な照明を背景に首里城と琉球芸能の交じり合いを楽しみながら、秋の夜長に琉球の歴史と伝統を感じることができる絶好の機会です。

【中秋の宴】
開催日:2018年9月22日(土)、23日(日)
開催時間:18:30〜21:00
開催場所:首里城正殿前御庭
料金:観覧無料

【彦根城】イベント「彦根城夜楽2018」

彦根城夜楽2018、イベント
照明により光が美しく映える彦根城。彦根城天守から見る夜景も絶景(彦根観光協会提供)

彦根城天守から夜景を楽しむ

夜の彦根城天守広場から彦根城下町の夜景を一望できるイベント「彦根城夜楽2018」が開催。普段は入場できない夜の彦根城から見る風景は貴重な体験になります。また、本年のテーマは「戦国コスプレ」で、戦国時代の衣装なら、忍者、甲冑、侍、姫、もしくは、戦国ゲームのキャラクターなど種別を問わず参加が可能です。他にも、天守前広場では、武道や伝統芸能などの演舞や演奏が行われ、最後はひこにゃんと赤備え甲冑隊によるクロージングで締めくくられます。いつもは見られない彦根城天守の夜を堪能しましょう。

【彦根城夜楽2018】
開催日:2018年9月29日(土)
開催時間:18:30〜21:00(入場は20:30まで)
開催場所:彦根城
料金:入場無料

【掛川城】企画展「掛川城と高知城 山内一豊と歴代城主ゆかりの遺品」

掛川城と高知城、山内一豊と歴代城主ゆかりの遺品
歴代城主のゆかりの遺品を通して掛川の歴史を学ぶ(掛川市二の丸美術館提供)

城主の遺品が語る掛川城の歴史

掛川市二の丸美術館の開館20周年を記念して、山内一豊と太田家など歴代城主ゆかりの遺品が展示される企画展です。戦国時代に豊臣秀吉の臣下として掛川に入封された一豊の活躍や、太田家によって文化や学問が花開いた江戸時代の掛川の魅力に迫ります。主な展示物としては、福田半香の「白鹿洞書院図」や、村松以弘が描いた「白糸瀑図」、松崎慊堂の「千字門」などがあります。他にも、秀吉から一豊に宛てられた手紙「豊臣秀吉領地宛行状写」など、歴史的な資料も目白押し。掛川城の歴代城主ゆかりの遺品を通して、掛川の歴史を学びましょう。

【掛川城と高知城 山内一豊と歴代城主ゆかりの遺品】
開催日:2018年9月18日(土)〜11月4日(日)
開催時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
開催場所:掛川市二の丸美術館
料金:大人200円、中学生以下無料

中秋の名月を楽しむ時期は、夏の暑さが弱まり、風雅に昼夜を過ごすことができます。屋外で行われるイベントでも、暑さを気にかけることはありません! ぜひ、イベントに参加して、心地よい時間を楽しみましょう。

執筆者/かみゆ歴史編集部(宮田陸)
「歴史はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。手がける主なジャンルは日本史、世界史、美術史、宗教・神話、観光ガイドなど歴史全般。最近の編集制作物に『カラー版戦国の名城50』(中井均監修/宝島社)、『テーマ別だから理解が深まる日本史』(朝日新聞出版)、『マンガで一気に読める! 日本史』(西東社)、『御朱印めぐりと寺社巡礼さんぽ』(廣済堂出版)などがある。

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