【イベントレポート】上州真田三名城ウオーキング2019「沼田・みなかみコース」に参加!

2019年5月18日(土)・26日(日)の2週にわたって開催された「上州真田三名城ウオーキング」。今年は城びと編集部だけでなく、城びとアンバサダーもウオーキングに参加!  5月18日に開催された「沼田・みなかみコース」では小城小次郎(おぎこじろう)さんがレポートしてくれました。

■「上州真田三名城ウオーキング2019」とは

「上州真田三名城ウオーキング2019」とは、続日本100名城に指定されている真田氏ゆかりの上州三城(沼田城名胡桃城岩櫃城)を巡るウオーキングイベントです。私が参加してきたのは「沼田・みなかみコース」。「沼田コース」と「みなかみコース」に大きく分かれた合計約11.4kmの道のりを一日で歩きます。

主催である上毛新聞の記事「石垣 歴史の感触 沼田とみなかみで上州真田三名城ウオーキング」によると、当日の参加者は総勢135名。ご家族連れや女性三人組など、参加者層が意外と幅広い印象を受けましたが、このあたり、さすがは真田人気?

出迎えるのは上州真田武将隊(真田信之殿、小松姫、沼田平八郎殿、くノ一・お初)と、ウオーキングのスポンサー企業さんのマスコットキャラ、きずなちゃん&ズナーキー、それに我らが「城びと」の面々。横山公一沼田市長などから激励や挨拶を受けたあと、武将隊とエイエイオーを合わせていざ出陣!

きずなちゃん、ズナーキー
左上:続々と集まる参加者の皆様 右上:上州真田武将隊。演舞で参加者を鼓舞!
左下:きずなちゃんとズナーキー 右下:お見送り。ズナーキーが見えない…

■まずは沼田コースから

沼田コースは沼田城内を一周した後、真田氏ゆかりの諸寺(月宮山天桂寺、慈眼山舒林寺、法蔵山正覚寺)を巡り、沼田市歴史資料館を経由して沼田小学校に至ります。途中に給水ポイントが設けられていたほか、案内役の配置や矢印表示等も充実。さすがは既に何度も行われているウオーキングイベントだけあって、運営サイドも非常に手慣れています。

スタートの沼田城内では10名ほどのガイドさんが要所に陣取って、にこやかに、かつ丁寧に見どころを紹介して下さいました。ガイドさんにお話を伺ったところ、ガイドは全てボランティアで総勢30名ほど。月に1回は勉強会を行って知識の向上に努めておられるのだとか。地道な努力に頭が下がる思いです。

ボランティアガイド
ボランティアガイドさんの熱の入った説明に聞き入る

沼田城から天桂寺までは一直線。しばらく進むと天桂寺の大きな屋根が見えてきます。高さ3メートル近くもある真田信吉(真田信之の長男・沼田藩二代藩主)の墓を見上げていると、「真田信之は確か90歳過ぎまで生きていたなあ。信吉の方が先に死んでしまったのか」といったお話をされていた老夫婦のお姿が目に入りました。「そうなんです。だから信之は晩年までお家騒動に悩まされていたんですよ」と思わず口を出してから、「いかーん! 今日はガイドする日ではない!」と猛省することに(笑)。
 
天桂寺、舒林寺、山門、小松姫、墓、宝篋印塔
左上:天桂寺の大きな屋根が見えてきた 右上:まだ新しい舒林寺の山門
左下:舒林寺で見かけた優しいお顔の仏様 右下:正覚寺にある小松姫の墓。宝篋印塔とは仏塔の一種

舒林寺には近年、立派な山門が建てられました。「又八郎って、誰?」と若い夫婦の会話が聞こえてきますが、異母弟の真田信武を斬り殺して自害した真田又八郎信守(どちらも沼田藩四代藩主・真田信政の子)です。境内には又八郎の墓があります。

正覚寺にあるのは、小松姫(真田信之の正室、本多忠勝の娘)の墓(宝篋印塔ほうきょういんとう)です。「相輪の蓮華は細かく、屋蓋の彫りは強く」と案内板に墓の特徴が記されていました。なにやら大河ドラマ「真田丸」で小松姫を演じた吉田羊さんをほうふつとさせます。

沼田市歴史資料館は2019年5月に開館したばかり。昨今の真田ブームに乗って真田一色でいくのかと思いきや、明治維新時に沼田藩主であった土岐氏(実は沼田藩は土岐氏の時代が一番長い)はもちろんのこと、真田氏と土岐氏の間に沼田藩主を務めた本多氏や黒田氏についてもちゃんと取り上げていました。ブームに乗らない客観的な姿勢には好感が持てますね。

資料館から沼田コースのゴールである沼田小学校まで歩いたあとは、沼田名物みそぱんを受け取り、チャーターバスでみなかみコースへ!

ところで私は暫くの間、歴史資料館が「ゴール」だと勘違いしていました。それくらい見どころが多く達成感もあったのですが、正しいゴールは沼田小学校!他の参加者の方が先に進み声をかけてくださらなかったら、確実に置き去りになっていたことでしょう。

■後半戦、みなかみコース

みなかみコースは、名胡桃城の下からお城へと登り、村主八幡宮、小川城、梨の木平敷石住居跡を経て矢瀬親水公園へと至るルートです。沼田コースより距離がある一方で経由スポットが少なかったのですが、こちらも案内完備の上給水ポイントが充実していますので、全く不安なくゴールに向かって歩くことができました。

名胡桃城では、沼田城からワープしてきたきずなちゃん&ズナーキーがハイタッチでお出迎え。真田信繁殿?と上杉謙信殿?も登場しました。ここでお楽しみのお弁当タイム。群馬県を代表するゆるキャラ「ぐんまちゃん」をあしらった包み紙は、本ウオーキングのために印刷された限定品。可愛い!

お弁当の後は、名胡桃城を散策。「ずいぶん綺麗になったなー」とつぶやく年配の方が多く見受けられました。地元の方が多く参加しているウオーキングなだけに、今のように綺麗に整備される前の名胡桃城を覚えていらっしゃる方も多かったのでしょう。「名胡桃城って、どれくらいの人が住んでいたんですか?」という参加者の男性の問いに、「難しい質問ですね。」と悩むガイドさん。うーん。それは確かに難問かも。
 
きずなちゃん、ズナーキー
左上:きずなちゃん&ズナーキー、再び登場 右上:真田信繁様と上杉謙信様(たぶん)。
左下:お弁当のパッケージが可愛い 右下:名胡桃城内を散策する参加者

名胡桃城を出た後は、三々五々、ゴールを目指して出発です。立ち寄りポイントの村主(すぐろ)八幡宮では、大きなケヤキの木がお出迎え。ここでは給水のほかに、摘みたてのイチゴを振る舞うサービスも! 長く歩いたその先でしか味わえない、一粒のイチゴの甘酸っぱい有難さ(笑)。ごちそうさまでした。

あとはただ…ひたすら歩く! 一人で歩く! 黙って歩く(笑)!
と、目の前に「残り2㎞」の案内が現れました。残りの距離が示されるだけで、「よし、頑張ろう」という気持ちになるから不思議です。更に進むと「残り1㎞」の案内も。いよいよここから、ラストスパート。
 
村主神社
左上:村主神社の大ケヤキ 右上:村主神社で振る舞われた摘みたてのイチゴ 
左下:あと2㎞! 右下:あと1㎞!

ゴール間近の地点には、城好きのためにもうひとつ、お楽しみが用意されています。
それが、上越新幹線の上毛高原駅そばにある「小川城」。駅近かつ国道沿いという好条件にあるお城ですが、続100名城に選定された名胡桃城などに較べれば知名度はいまひとつ…。

ところがひとたび現地に立つと、切り立った断崖と深い堀とに囲まれた本丸の威圧感に圧倒されます。「こんなお城があったのか!」と感動すること間違いありません。小川城は、上杉氏に派遣された小川可遊斎(西国の赤松氏の一族ですが、上杉氏から小川氏の名跡を頂いたそうです)が死守したお城として、しっかりと歴史にも名を残しています。足がすくむような断崖を見下ろし、たっぷりと「城分」を吸収したら、縄文時代の住居跡である梨の木平(なしのきだいら)敷石住居を眺め、ついでに近くの配石遺構も眺め、いよいよゴールの矢瀬親水公園へ。

2度目のワープをしてきたきずなちゃん&ズナーキーに迎えられ、アンケートを書いて名物のおまんじゅう、「仙ノ倉万太郎」や記念品(お弁当の包みと同じ、ぐんまちゃん柄の手ぬぐい!)を受け取り、無事完了となりました。

小川城、堀
左上:小川城の本丸を囲む堀。群馬のお城は奥が深い 右上:梨の木平敷石住居跡付近。もうすぐゴール
左下:ゴール近くで見つけた満開のポピーの花 右下:ついにゴール!

私にとって、ウオーキングイベントへの参加はこれが初めてでしたが、多くの方のサポートにも支えられ、とっても楽しく全行程を歩き切ることができました。恵まれ過ぎた好天のおかげもあって、いつまでも足の裏が熱いままでしたし、全身筋肉痛にもなりましたが(笑)。上州真田三名城ウオーキング、来年もきっとまた開催されると思いますので、読者の皆様も次の機会にはぜひご参加ください!

小城小次郎
編集部スタッフが撮影した小城小次郎さん。素敵なレポートありがとうございました!

執筆・写真/小城小次郎(城びとアンバサダー/城やり人)
東京在住、静岡県出身。静岡古城研究会会員。日本城郭検定1級(2016年/全国1位)。9歳で城を始め、あらゆる角度から長いこと城をやってきた「城やり人」。

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