2022/12/13
城びと編集部員が行く! 一乗谷朝倉氏遺跡博物館オープン!福井駅を起点に3つのお城旅<福井城・越前大野城編>
2022年10月、福井県の一乗谷朝倉氏遺跡に新しく博物館がオープン! 城びと編集部員が早速現地を訪ね、博物館の気になる展示内容と一乗谷朝倉氏遺跡について前回の記事でレポートしました。でも、せっかく福井に行くのなら、他のお城も行きたい!ということで、後編はJR福井駅を起点にしてアクセスしやすい、2つのお城をご紹介します!
JR福井駅から電車・徒歩でいけるお城 2城目 福井城(福井市)
お城のそばには県庁や市役所等のお役所が立っていることって多いですよね。福井城(福井県)は、なんと本丸跡にどん!と福井県庁が立っています。JR福井駅から徒歩約5分なので気軽に行けるのも嬉しいところ。
県庁にある結城秀康像
福井城は、柴田勝家が築いた北庄城(北の庄城)を取り込む形で、徳川家康の次男・結城秀康によって築城されたお城です。往時は本丸を中心に、四重・五重に堀をめぐらせた、とても大きなお城だったそうです。
※国土地理院 空中写真より(2021年)
現在は県庁の敷地となっていますが、天守台や堀、石垣が残っていて、自由に見学ができます! 本丸西側には、山里口御門が復元されています。
南西側から見た本丸(撮影:キンヤさん)
舎人門の遺構を復元整備!福井市立郷土歴史博物館へ
本丸の北西隅には4層5階の望楼型の天守が立っていたと考えられるそう
県庁から数分歩いたところにある福井市立郷土博物館には、福井城の模型や、舎人門の遺構が復元展示されています。
学芸員の白嶋祐司さんによると、福井城は、関ヶ原の戦い後の慶長6~11年(1601~1606)に、豊臣家との戦いを見据えて築城された城の一つのため、豊臣家に近い前田家を警戒するように北側の守りが厳重になっているのが古地図からみてとれるとのこと。
福井城の石瓦。写真からは伝わらないかもですが、笏谷石です
天守の屋根は笏谷石(しゃくだにいし)で葺かれていたそうです。笏谷石は、緑色の岩で濡れると深いブルーに変わる美しい石。城の近くの足羽山で採れたそうで、福井城のほか、一乗谷朝倉氏遺跡や越前大野城など、福井のお城でよく見かけます。青ければ青いほど価値が高かったそう。ただ、現在は採掘されていません。
福井城下を流れる足羽川に架かる、北側が木造で、南側が石造の半石半木の奇橋「九十九橋」のレプリカがドーンと飾られて、奥には当時を再現したジオラマが。九十九橋の姿は葛飾北斎の浮世絵にも描かれたそう(本人は実際には目にしていないそうですが)
博物館で注目したいポイントは、福井城舎人門(とねりもん)遺構。「舎人門」とその一帯の石垣・土居・堀・道路・水路などを復元整備していて、その見学ができます。
福井城舎人門遺構。博物館の建設の際に発掘調査を行ったところ、福井城の外堀や石垣、武家屋敷の跡などが見つかったので、江戸時代の終り頃の様子を復原したそう
福井城舎人門遺構は、博物館の館外展示物として無料公開
郷土歴史博物館の隣には、福井藩主松平家の別邸「名勝 養浩館庭園(旧御泉水屋敷)」が。写真は御月見ノ間。お殿様気分で、のんびり景色を楽しめます
石垣の一部がお守りに!?柴田勝家の北庄城(北の庄城)へ
柴田勝家の北庄城(北の庄城)があった場所ははっきりと分かっていないそうですが、あったのでは?と考えられる場所はあります。現在は、北の庄城址・柴田公園として整備され、園内には柴田神社もあり、柴田勝家およびお市の方が合祀されています。
柴田勝家の像。天正11年(1583)、秀吉軍に攻められた柴田勝家は、自ら火を放ち、妻のお市の方や一族とともに壮絶な最期を遂げたそう。お市の方、三姉妹の銅像も
発掘調査で見つかった、幅が25m以上ある堀跡。堀の規模と福井城下層(1600年以前)から見つかったことから、北庄城(北の庄城)の堀と考えられるそう
柴田神社の本殿周りの石垣に使用していた笏谷石をそのままの大きさで加工して、内符としてお守り袋に納めた「福石守」。本殿まわりの石垣…ということは北庄城(北の庄城)の石垣の石なのでしょうか? その石がお守りなんて、石垣好きにはたまらないお守りですね! 編集部員ももちろん拝受しました。石がなくなり次第、終了とのこと
■福井城
JR福井駅から徒歩5分
見学自由
■福井市立郷土歴史博物館
JR福井駅から徒歩約15分
開館時間:9:00~19:00(11/6~2月末は~17:00)
休館日:年末年始、展示替え等による臨時休館日
観覧料:220円
■名勝 養浩館庭園(旧御泉水屋敷)
JR福井駅から徒歩約10分
開園時間:9:00~19:00(11/6~2月末は~17:00)
休園日:年末年始
入園料:220円
■北の庄城址・柴田公園
JR福井駅から徒歩約2分
見学自由
JR福井駅から電車・徒歩でいけるお城 3城目 越前大野城(大野市)
雲海のお城として知られる越前大野城もJR福井駅から九頭竜線(JR越美北線)で1時間ほどで行くことができるお城です!(一乗谷駅より先へ向かいます)
「ということは、一乗谷朝倉氏遺跡の前後に、越前大野城も行けるのでは?」と思ったあなた! 車であれば、30分ほどで行けるそうです(地元民談)。問題は、電車移動の場合。九頭竜線(JR越美北線)は本数が結構少ないのです…。1時間に1本くらいあるかな? なんて、時刻表を見ないで行ってはいけません。時間をよーくよーく調べないとダメなのです。
(編集部員は、越前大野城から福井へ戻ろうと思って、2時間電車がないことに気が付き、あわてて帰りの予定を変更しました)
さて、話がそれてしまいましたが、九頭竜線はちょうどラッピング電車で、のんびり電車旅を楽しみながら、お城へ向かいます。ちなみに2022年10月の時点でラッピング電車は4種類あるそうで、いつどれが走るかも分からないそう。ちょっとした運試し!
JR越美北線はラッピング電車でした! 大野市観光協会では、JR越美北線乗車記念の「御乗印」を販売。お城が描かれています!
駅からお城までは、結構距離があるので(登城口のあたりまで徒歩20分位かかります)、途中にある城下町で、湧き水を飲み比べたり、ご飯を食べたり、お土産を買ったりしながら向かうのがおすすめ!
越前大野城へ向かう途中、神社があると思ったら「亥山城址」の表記が! ということはこの神社のまわりは、堀の跡なんでしょうか? 亥山城址は、朝倉景鏡(朝倉義景の従兄弟で義景を自害に追いやった人物)の城とのこと
いたるところに湧き水が!
水の町として知られる大野は、そこかしこに湧き水が湧いていて、自由にくむことができます。なので、ボトルを持って行くのがおすすめ(忘れても、空のボトルも売っています)。しかも、場所によって水の味が違うそう。舌に自信ありの方、ぜひ飲み比べを!
清らかな水を生かして、醤油やお酒などの醸造文化も発展しています。大野には4つの酒造があるそう。大野市観光協会 鷲尾貴志さんによると、お城に近づくにつれて、辛口のお酒になるそうなので、お酒好きな方は酒造めぐりも要チェックですね!
また、大野城下の特徴の一つとして、複数の宗派の寺院が並ぶ「寺町通り」があり、今も古い町並みが残っています。宗派の異なるお寺が一つのところに集まっているのは、ちょっと不思議! その理由として、城下町を整備するため、1580年代から江戸時代にかけて近在の村や集落のお寺が集められたからだと伝わっています。ちなみに「なぜこの場所だったのか」という選定理由は諸説あり、はっきりとしたことは分かっていないそうです。歴史に思いを馳せながら、城下町でレトロな雰囲気やグルメを堪能したいですね。
福井のB級グルメといえば、ソースカツ丼ですが、大野市は醤油の町なので、醤油カツだ!ということで、醤油カツが名物です。醤油カツや越前そばなど、福井のおいしいものを堪能
越前大野城の天守へ向かう道はこのように整備されています。しかも、階段を登る近道と、う回路が提示されるので、その時の体力によってルートを選べる親切設計! 登城口から天守までは15~20分ほど
越前大野城は、織田信長の家臣・金森長近が築いたお城。最近では、雲海に浮かぶ美しい姿から「天空の城」とも呼ばれています。現在の天守は、昭和43年(1968)に再建されたもの。天守内部には歴代城主の遺品など展示品がたくさん並んでいます。
天守からの眺めはこんな感じ。山の下の城下町が見渡せます
天守の全体像を撮影するのに、ぐるぐるまわる
雲海に浮かぶ姿が印象的なお城ですが、天守から城下を眺めるのもとてもステキでした。武家屋敷なども見学できるので、ぜひ福井駅から一足のばして楽しみたいお城です。
■越前大野城
開館時間:9:00~17:00(10・11月は~16:00)※早朝開館する場合あり
休館日:12/1~3/31
料金:300円
福井の3つのお城 読者お土産プレゼント ※終了しました※
今回、城びと編集部はJR福井駅を起点に3つのお城をめぐり、それぞれのお城で読者の皆さまにお土産を買ってきました!
朝倉氏一乗谷朝倉氏遺跡のお土産は、「一乗谷朝倉氏遺跡博物館オープン! 福井駅を起点に3つのお城旅<一乗谷朝倉氏遺跡編>」をご覧ください!
・福井城セット…2名様
福井城セット1つ目は、福井市立郷土歴史博物館にて見つけたこちらの2点をセットでプレゼント!
復元された舎人門は赤瓦ということで…赤瓦文鎮もセットでプレゼントいたします!(撮影のため輪ゴムを外しました)
こちらの「福井城セット①」は1名様にプレゼント。
「福井城セット②」は、柴田神社にて販売されていた「瓶割りせんべい」。卵煎餅が入っているのですが、なんと鉾も入っていて割ることができます。柴田勝家には長光寺での逸話から「瓶割りの柴田」という異名がついているそうです(裏面談)
「福井城セット②」も1名様にプレゼントいたします。
・越前大野セット…1名様
越前大野といえば水!そしてお酒。 大野の名産がプリントされたトートバッグと、酒桝をセットにしてプレゼントいたします。
酒桝は写真ではわからないのですが、4面とも違うプリントが…! どんなイラストかはお楽しみに!
「越前大野セット」も1名様にプレゼントです!
応募方法は簡単、城びとのツイッターをフォローして、欲しい商品をRTするだけ!
【お土産 #プレゼント 】
— 城びと (@Shirobito_jp) December 13, 2022
城びと編集部員の福井出張のお土産をプレゼント!
今日は福井城のお土産②。詳細は記事&ツリーをチェック!!!(文鎮の中身も記事を見てね!)
応募方法
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2:このツイートをRT
〆は12月14日(木)21時!当選者にはDMをお送りします#城びと pic.twitter.com/kYAXW083Um
各ツイートに記載された締め切り後に、ご当選者の方には編集部よりDMをお送りいたします!
取材協力:福井市立郷土歴史博物館 白嶋祐司、大野市観光協会 鷲尾貴志
執筆・写真/城びと編集部