祝!世界遺産&続日本100名城!原城跡と教会をめぐる長崎旅プラン(後編)

ユネスコ世界文化遺産に登録が決定した原城や長崎の教会をめぐる旅のプラン。前編では、国内最古の教会大浦天主堂など、長崎市内の教会などを見学しました。後編は原城の後、日野江城へと足をのばします。

長崎から原城へ向かう2つのルート

長崎駅から原城へは、鉄道とバスの組み合わせが2ルートあります。

1:キリシタン文化を感じる散策を楽しむルート
長崎駅からJR長崎本線約30分で諫早駅へ。諫早駅からの最短経路は「諫早駅前」停留所で島原鉄道バスに乗り換え約90分で「口之津」停留所で乗換え、約15分で原城跡最寄りのバス停である「原城前」に到着します。「口之津」停留所周辺には宣教師・ヴァリニャーノ上陸の地もあり、キリシタン文化を感じる散策が楽しめます。

原城、口之津停留所
口之津停留所で乗り換える

口之津停留所、ヴァリニャーノ神父、像
口之津停留所近くに立つヴァリニャーノ神父の像。1579年に南蛮船で口之津に来航した

【長崎からのアクセス】
長崎駅
↓JR長崎本線約30分(460円※普通列車の場合。特急の場合約17分で300円加算)
諫早駅
↓徒歩すぐ
諫早駅前停留所
↓島原鉄道バス約90分(1600円)
口之津停留所
↓島原鉄道バス約15分(370円)
原城前停留所
↓徒歩10分
原城跡

2:島原城も一緒に楽しむ欲張りルート

日本100名城の島原城に立ち寄ってから、原城へ向かうルートも可能です。諫早駅から島原鉄道で島原駅へ移動し、まずは島原城へ。お城散策を楽しんだ後、「島原駅前」停留所から島原鉄道バスで「原城前」停留所へ向かいます。時間があれば、島原の城下町の散策するのもおすすめです。

諫早駅、島原鉄道
諫早駅でJRから島原鉄道に乗り換える

島原城、階段遺構
島原城の階段遺構

城下町、島原、散策
時間があれば散策してみたい城下町島原

【長崎からのアクセス ※島原経由】
長崎駅
↓JR長崎本線約30分(460円※普通列車の場合。特急の場合約17分で300円加算)
諫早駅
↓島原鉄道約55分(1430円)
島原駅
↓徒歩すぐ
島原駅前停留所
↓島原鉄道バス約60分(960円)
原城前停留所
↓徒歩10分
原城跡

ちなみに長崎駅発ではなく、熊本駅からアクセスすると所要時間に大差なく、しかも安価です。日本100名城の熊本城と一緒に観光するプランもおすすめです!

島原半島、熊本港、高速船上
熊本港からの高速船上から島原半島を望む

【熊本からのアクセス】
熊本駅前停留所
↓連絡バス約30分(480円)
熊本港フェリーのりば前
↓熊本フェリー・オーシャンアロー約30分(1000円)
島原港停留所
↓島原鉄道バス約50分(890円)
原城前停留所
↓徒歩10分
原城跡

島原の乱の壮絶さを今に伝える原城

原城跡は、周囲約4kmという広大な土地ですが、現在は城を感じさせる遺構がほとんど残っていません。島原の乱後、城は石垣に至るまで徹底的に破壊され、一揆勢の無数の遺体が埋められました。最近の発掘調査では無数の人骨とともに、鉄砲玉を鋳つぶして作った十字架などが大量に出土しています。ただ歩いているだけで、島原の乱の壮絶さがひしひしと伝わってくる城です。


原城、島原・天草一揆、破壊
島原・天草一揆後に徹底的に破壊された城跡

alt
本丸跡に残る十字架

「世界遺産推薦リスト」から外されてしまった日野江城

原城跡まで来たら、城好きならひと足のばして訪ねてみたい日野江城跡があります。原城跡から島原鉄道バスでわずか5分、「北有馬」で降りて向かいます。

日野江城は、キリシタン大名として知られる有馬晴信の居城でした。国際的な舞台でもあり、宣教師ルイス・フロイスや天正遣欧使節が訪れ、『イエズス会年報』には有馬晴信が石垣や階段を造り、天正18年(1590)に内部を改築したことが記されています。仏教式の墓石を階段代わりに再利用している跡も残り、有馬氏が仏教ではなくキリスト教を保護したいたことがうかがえます。

石畳、登城道、日野江城
石畳の登城道と豊かな緑が味わえる日野江城 

キリスト教と言えば、映画『沈黙』で改めて脚光を浴びた作家・遠藤周作が登った石畳も残ります。その時、周作は以下の言葉を残しています。

「私自身切支丹を多少とも勉強しなかったなら、この荒廃した城に杖をひかなかったに違いない。だが、その時代の通信文や切支丹学者の研究論文を小説の準備でひもといているうちに、私は初めてこの城が日本の文化の上でどんな大きな意味を持っているのか知ったのである。」

遠藤周作、案内板
「遠藤周作が歩いた道」の案内板が旅情をそそる

実はこの日野江城跡も元々は「世界文化遺産登録候補」でした。2015年1月、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として日本政府は14資産を推薦しましたが、イコモスから「禁教期との関わりに重点を置くべきだ」と見直しを求められています。この影響で外されてしまった構成資産のひとつが日野江城跡なのです。残念ながら世界文化遺産からは外れてしまいましたが、国際的な舞台であり遠藤周作も歩いた歴史に想いを馳せ、ぜひ日野江城跡も堪能してみてください。

島原城
島原鉄道島原駅から徒歩5分

原城跡
島原鉄道バス「原城前」停留所から徒歩10分

島原鉄道「北有馬」停留所から徒歩30分

※時刻やアクセス、料金につきましては、事前に関係施設や交通機関で最新情報をご確認ください。
※「大浦天主堂」以外の、世界文化遺産エリア内の教会見学は、事前連絡が必要です。詳細は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター(http://kyoukaigun.jp/)」のサイトをご確認ください。教会は観光施設ではありませんので、教会見学の時のマナー(http://kyoukaigun.jp/manner/)を守って見学ください。

執筆・写真/藪内成基(やぶうちしげき)
奈良県出身。30代の城愛好家。国内旅行業務取扱管理者。出版社にて旅行雑誌『ノジュール』などを編集。退職し九州の城下町に移住。観光PRやガイドの傍ら、「城と暮らし」をテーマに執筆・撮影。『地域人』(大正大学出版会)など。海外含め訪問城は500以上。知識ゼロで楽しめる城の情報発信を目指す。

※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報(パンフレット、自治体のWEBサイト等)を参考にしています

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