2022年オススメの城【イベント編】各地で開催されるお城イベントに足を運んでみよう!

2022年もお城にまつわるイベントは全国で開催予定。なかには、新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年は中止・規模を縮小しての開催を余儀なくされたイベントが、例年通りの形で開催予定のものも。今回は、「福山城400年博」や、「全国山城サミット」などお城で開催されるイベントを中心に紹介していきたいと思います。(2022年2月初回公開)
※終了済みのイベントや、イベント自体の日程が変更・中止になっている可能性もございます。お出かけ前に公式サイトなどでお確かめの上、お出かけください。
▼「2022年おススメの城【復元・リニューアル編】」(https://shirobito.jp/article/1520)もぜひご覧ください!



福山城】築城400年を記念した「令和の大普請」イベント

1622年の福山城(広島県)の築城からちょうど400年を迎える本年、「福山城400年博」と題した一大プロジェクトが始動します。1年にわたって実施されるこのプロジェクトの目玉は、福山城の「令和の大普請」。

福山城天守閣
工事終了後の福山城天守閣。黒い壁面は復元された鉄板によるもの。鉄板で壁一面を覆った天守は全国でも福山城だけ(提供:福山市文化振興課)

窓の配置や狭間の再現にとどまらず、全国で唯一の「北側鉄板張り」を用いて素材感まで再現した天守外観復元のほか、土塀の改修・石垣復元から、周辺道路の整備・福山駅の広場の整備など、城内だけでなく周囲も一丸となり「大普請」を進めています。

さらには内部の「福山城博物館」ではデジタル技術を利用した大型スクリーンでの展示が導入されるほか、世界的証明デザイナー石井幹子氏による天守閣のライトアップなど、「西国一」と言われた福山城の威容を現代に復活させると共に、歴史文化発信の拠点として全く新しい福山城を作り上げていきます。

1月に開催されたスタートイベント「出張!お城EXPO」では、日本城郭協会理事長の小和田哲男さんをはじめ様々な記念講演が行われました。このイベントを皮切りに、年間で70以上もの関連イベントが開催予定です。

▶スタートイベントの模様は「「福山城400年博スタートイベント × 出張!お城EXPO」レポート」(https://shirobito.jp/article/1508)をご覧ください

初代藩主・水野勝成が築城を幕府に報告した8月28日には、築城記念日としてライトアップや「福山城博物館」のリニューアルイベントなどが開催。2023年1月のフィナーレイベントには史実に基づいた「福山城時代行列・福山とんど祭り」や、最新技術を用いた「チームラボ福山城 光の祭り」で華やかに築城400年を締めくくります。

「福山城築城400年応援サポーター」には小和田哲男先生を始め、落語家の春風亭昇太師匠、声優の福山潤さん、女優の西田尚美さんなど各界の著名人が名を連ね、イベントを盛り上げます。また、「令和の大普請」には記念基金(ふるさと納税)で参加することも可能。広島カープとコラボしたグッズや、純米酒などの返礼品を受け取ることができます。

熊本城】見事復活を遂げた熊本城を祝う武将たち

2016年の熊本地震で瓦や石垣などが崩れるなどの大きな被害を受けた熊本城(熊本県)。熊本市民、さらには全国のお城ファンにも衝撃を与えた事件でしたが、5年後の2021年3月には天守閣の復旧工事が無事完了。内部の公開に至るなど見事な復活を遂げました。今後は石垣などの積み直しを中心に復旧作業が行われ、文化財的価値を保全した状態での完全な復旧を目指します。

熊本城の復興を祈願して2018年から開催されている「戦国パーク」。天守閣の復活を祝う「戦国パーク2022」は3月19日(土)、3月20日(日)の2日間、熊本城の二の丸広場で開催。各地から集まった武将隊たちが様々なパフォーマンスを披露します。

戦国パーク
2019年に開催された「戦国パーク」の様子。全国から武将隊が集まり、熊本城の復活を祝う(提供:熊本国際観光コンベンション協会)

中でも注目なのは、秋田の「清原愚連隊」や愛知の「グレート家康公『葵』武将隊」、熊本の「熊本城おもてなし武将隊」など、様々な地域から総勢12組の武将隊が集結し、演舞や歌を披露する「全国武将演舞合戦」。ステージイベントの他にも、復活を遂げた熊本城を背景に武将たちと記念撮影ができる「武士の撮影所」や、熊本城周辺を散策しながら楽しめる「歴史クイズラリー」など、参加型のイベントも多数開催予定です。

岩村城明知城】山城の祭典が今年は岐阜で開催

2002年の兵庫県朝来市での第1回開催からちょうど20年、毎年恒例となっている「全国山城サミット」。前回は桑折西山(こおりにしやま)城を有する福島県桑折町でのオンライン開催でしたが、第29回目の開催となる今年は「恵那大会」と称して、全国的にも有名な2つの山城を有する岐阜県恵那市で行われます。

その山城の1つが、「日本百名城」「日本三大山城」に選出された岩村城。「六段壁」とよばれる石垣が現在も残るこの山城は、織田信長の叔母でありながら、その信長に敗れ処刑されるという最期をたどった女城主「おつやの方」の悲劇の舞台として有名です。

岩村城、六段壁
岩村城の石垣(六段壁)。「おつやの方」のエピソードが有名だが、主には美濃国の遠山氏が城主を務めていた

そして、もう1つの山城が明智光秀生誕の地とも言われており、別名「白鷹城」とも呼ばれる「明知城」。遺構が全国でも類を見ないほど良好に残っており、県の史跡にも認定されるなど山城ファンにも人気の高い城です。

明知城、本丸
明知城(白鷹城)の現在の本丸。実は同県内の可児市にも明知城(長山城)と呼ばれる城があり、どちらが光秀生誕の地であるかについては意見が割れている

そんな2つの山城を有する恵那市が一丸となって全国の山城の魅力を発信するとともに、地域の活性化を目指す「第29回全国山城サミット恵那大会」の開催は、2022年10月予定。
詳細はまだ未定ですが、今年は感染症に振り回されないイベント開催に期待が寄せられます。イベント内容や詳細なスケジュールは公式サイトで随時公開予定なので、更新をお見逃しなく。

小田原城大阪城】歴史の舞台で武将たちの足跡をたどる謎解き

老若男女問わず一大ムーブメントを巻き起こしている「リアル謎解きゲーム」。人気漫画作品とのタイアップや、専門の施設が建てられるなど、各所で盛り上がりを見せていますが、そんな「リアル謎解きゲーム」をお城で体験できるイベントが開催中です。

古代から近現代まで、毎月テーマごとにフルカラーで歴史上の大きな事件を取り上げる歴史エンターテイメントマガジン『歴史人』によるストーリー監修のイベント「謎の城in小田原城・大阪城」は、戦国武将・豊臣秀吉と北条氏直の戦い「小田原征伐」をテーマに歴史の謎に迫っていきます。

小田原城,城びと
メインビジュアルは2種類。強大な敵に立ち向かう悲壮な覚悟が伝わってくるような北条氏直版(左)と、天下を目前に容赦ない采配を下す様子が印象的な豊臣秀吉版(右)。(提供:株式会社ハレカゲ)

開催地は史実でも「小田原征伐」の戦いの舞台となった、大阪城と小田原城の2ケ所。問題が書かれた謎解きキットを片手に参加するのはどちらも共通ですが、それぞれ違った視点で「小田原征伐」を追体験できます。小田原城で開催されるのは「戦国の世の最終章 五代当主北条氏直編」。小田原城の城下町を巡りながら、後の天下人・秀吉に抗い続けた氏直の半生に迫ります。

大阪城では、「戦国の世の最終章 関白 豊臣秀吉編」を開催。天下に手をかけんとする秀吉の視点で楽しめます。2つのイベントはお互いがお互いの視点を補完し合う関係のため、両方に参加することでまた新たな歴史の一面を知ることができるのも魅力的。どちらも今年の5月15日(日)までの開催予定です。

松江城】忍者になりきって天守閣に仕掛けられた謎を解きあかそう

お城を舞台にした「リアル謎解きゲーム」は小田原城、大阪城だけではありません。現在松江城では、「リアル・ニンジャ〜潜⼊!松江城〜」が開催中。忍者となって、松江城に仕掛けられた様々な謎を解いていきます。

リアル謎解きゲーム、松江城
海外からの参加者向けに英語版も用意されている「リアル・ニンジャ〜潜⼊!松江城〜」。所要時間は2〜3時間程度と骨太なボリュームだ(提供:株式会社ハレカゲ)

参加者は松江城の城主・堀尾吉晴に仕える忍者となり、場内各所を巡って物語を進めます。徳川の軍勢の目を盗み、加藤清正から託された手紙を吉晴に手渡すことはできるのか……? 史実に基づいたストーリーが展開され、設定と相まって没入感のある謎解きを体験できます。

お城や城下町など、日本全国の歴史にまつわるスポットで開催されている「謎の城」。歴史の知識がなくても純粋な謎解きとして楽しめるので、歴史・お城初心者にもオススメです。

【全国の城】全国のお城を網羅した「にっぽん城まつり」

にっぽん城まつり
「にっぽん城まつり」のメインビジュアル。天守閣のような形をした「城」の一文字が印象的

昨年開催され好評だった「にっぽん城まつり feat.出張!お城EXPO in 愛知」。2回目の開催となる今回は、東海エリアを中心としたお城情報ブースや、お城についての展示、講演やステージ等を楽しむことができます。

特に注目なのが入場無料のステージイベント「城愛ステージ」。『麒麟がくる』などの大河作品で歴史考証を務めた三浦正幸先生や、日本城郭協会理事長の小和田哲男先生などお城のプロフェッショナルによるトークショーや、武将隊による演舞が披露されます。

ほかにも食事エリアでは愛知・岐阜・三重の名産を揃えた「東海三県逸品楽市」が出店。見て、体験して、味わって楽しめるイベントとなっています。3月19日(土)、20日(日)の2日間、愛知県国際展示場で開催されます。


執筆/かみゆ歴史編集部(原田 郁未)
戦国時代の出来事を地方別に紹介・解説する『地域別×武将だからおもしろい 戦国史』(朝日新聞出版)や、全国各地に存在する模擬天守・天守風建物を紹介する『あやしい天守閣 ベスト100城+α』(イカロス出版)が好評発売中。2021年11月19日からは、日本中世史入門書の決定版『キーパーソンと時代の流れで一気にわかる 鎌倉・室町時代』が新発売!


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