2022/04/15
【千田先生と行く!日本最強で不滅の城LIVE】配信現場に潜入! <第2回>備中松山城 果たして今回は天守まで行けたのか!?
お城の魅力に迫るNHK番組「日本最強の城スペシャル」と「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城」からスピンオフし、“お城マスター”千田嘉博先生が1城、日本全国のお城から生配信する企画「千田先生と行く!日本最強で不滅の城ライブ」。その配信現場に同行したスタッフが撮影の裏側をレポートする連載の第2回です。今回は、備中松山城での配信に密着し、千田先生たちが繰り広げたマニアックなトークや配信の裏話などをご紹介! 前回の高知城ではトークが盛り上がりすぎて配信時間内に天守までたどり着けませんでしたが、今回は無事にたどり着けたのでしょうか?
「城びと」読者の皆様、こんにちは。「最強不滅の城ライブ」製作委員会スタッフの蔭久です。
前回(第1回高知城)に続き、第2回は岡山県高梁市の山城・備中松山城から配信を行いました。本シリーズは、NHK番組「日本最強の城スペシャル」、「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城」などの放送では時間の関係で取り上げる事ができない、千田先生たちのおもしろトークやディープなネタなどを余すところなく配信するスピンオフ企画です。
vol.2 現存天守の中で最も標高が高い、備中松山城の天守を目指す!?
「最強不滅の城ライブ」第2回は、2022年3月27日(日)備中松山城から生配信されました。
“お城マスター”千田嘉博先生を中心に、ゲストにはこの城を大好きなお城のひとつに挙げる、城好き俳優・村井美樹さん、高梁市教育委員会・三浦孝章さん、「日本最強の城スペシャル」、「絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城」でプロデューサーを務める村中P。この4人で備中松山城をめぐります!
撮影開始前からスタート地点の大手門跡で話が盛り上がる一行。はたして、時間内に天守までたどりつけるのか!?
向かって前列右から千田嘉博先生、村井美樹さん、後列右から三浦孝章さん、村中P
配信前日、岡山県にスタッフが到着!
撮影前日の3月26日(土)は、あいにくの雨。スタッフが到着した時は風も強く特急列車が運行中止と翌日の撮影が心配に…。下見の際も雨・雨・雨。「晴れの国」と言われる岡山県、明日の本番はよろしくお願いします!
立派な石垣の大手門跡から配信スタート!
撮影当日は晴天! 心配していたお天気ですが快晴に恵まれました!
今回は迫力満点の大手門跡から配信がスタート。三浦さんが一通り当時の大手門の説明をしてくれました。すると…。
<千田先生>
「これこれこれ!こんなのついてる!」
と何やら見つけられたようです。
こちらは礎石についている当時建っていた柱の金具の錆との事。この錆の様子から当時の門の大きさもわかるようです。普段見過ごしてしまうポイントですね。
国の重要文化財「三の平櫓東土塀」
まだまだ話が尽きない大手門跡ですが、一行は国の重要文化財に指定されている「三の平櫓東土塀」へ移動。1683年からあると言われている土塀。山城で土塀が残っているのはここだけだという事です。とても分厚いです。
<千田先生>
「(この土塀の)中は粘土の塊というかブロックみたいなものを積んで作っているんですって」
なるほど、だから厚く、丈夫にできているんですねー。これだと火縄銃で撃たれても貫通しません。
三の平櫓東土塀
ここで視聴者からチャット欄を通じて三浦さんに質問が届きました。
<視聴者>
「土塀が残っているのは、地震とか大きな災害がなかったんでしょうか?」
<三浦さん>
「そうですね。ここは岡山県なので、あまり災害がないところです。地震もあまりありません」
<千田先生>
「それにこの山自身が岩の山なので、圧倒的に地盤がしっかりしているので土塀が今日まで残ったという事だと思います」
配信途中にパチリ
トークが弾み備中松山城めぐりが続く中、左手に大きな石垣石が! お城大好きのお二人が揃えば、本番中でも記念撮影しちゃいます(笑)。出演者のみなさんもとっても楽しそうです。
石落としに気を付けながら本丸に突入
いよいよ本丸に!と意気揚々と上がろうとする一行の前に現れたのは…。
<千田先生>
「あの櫓からの石落としがねー。階段を上る人をとにかくひどい目にあわせようとしてますよね」
<村井さん>
「嫌な位置にありますよねー」
<千田先生>
「作るならここだろうというところですよね」
<村中P>
「ここから先に進もうというモチベーションをくじくような…。(下から見ると)スカートの下を覗いている感覚がちょっと恥ずかしいけど」
<千田先生>
「えらい事いうてはりますなぁ(笑)」
石落としに注意して、謎の三角地帯を見学した後にいよいよ本丸に…。
猫城主さんじゅーろーにご挨拶!
迎えてくれたのは、この備中松山城の猫城主さんじゅーろーさんです。さんじゅーろーと再会を果たした村井さん、とってもうれしそうでした。
休憩を挟んで後半のスタート!というところでトラブルが!
スタッフの一人がおトイレから帰ってこない…。そうなんです。こちらの備中松山城、天然の地を活かした山城なので、おトイレが少ないのです。
ここで1つ疑問が…。昔の人はおトイレはどうしていたのでしょうか? 視聴者からも質問がありましたので三浦さんに聞いてみると、「二の丸に雪隠(せっちん)跡というのがありまして、そこを利用したいたのではないか」と言われているそうです。
配信ではご紹介できなかった雪隠跡
全国にあるお城の門の中でとても珍しい門・東御門
さあ、気を取り直して、天守へ!と思いきや道を逸れていくご一行。その先は、千田先生オススメの東御門。
<千田先生>
「この東御門というのは、全国にあるお城の門の中でも特筆されるべき門なのです」
通常、お城の門は24時間中に人がいる前提で内側から鍵をかけるようになっています。しかしこの備中松山城ではある時に、誰も攻めて来ない事に気が付き「常にお城に人がいなくてもいいのではないか」と外から鍵をかけるシステムにしたというとても珍しい門だという事です。
そしてついに天守へ!
今はなき平櫓の跡を通って、ついに天守へ到着。天守からの景色がものすごく素敵でした。囲炉裏などもありましたが、この天守は居住用に建てられたものではないようです。
そして、現存の天守なので屋根など建築的にも見どころがたくさん! 屋根を支える肘木などの木組みは釘を使わないで作られているというのには、びっくりしました。まさに匠の技が!
最後に普段は非公開の二重櫓へ!
千田先生も初めて入るという二重櫓。天守と同じ時代に作られたようです。中には瓦や土塀で使われている壁土、昔の築城や修復で使った、カグラサン(神楽桟)と呼ばれる人力のウインチなどお宝の山が展示されています。2階に上がり外を見ると素敵な景色が広がります。二重櫓から見る天守は一見の価値ありです。普段は非公開ですが、大型連休や文化の日の周辺には開放されているようです。
今回は、目標!?としていた天守や普段非公開の二重櫓まで、たどりつく事ができました。ご一行はその奥に広がる中世のお城まで行きたい!という勢いでしたが、配信はここまで。無事に行程を終えて、一安心しました(笑)。
次回予告
さて、続く第3回は4月17日(日)小田原城から生配信。
ゲストの歴史作家/多摩大学客員教授の河合敦さんとともにディープに小田原城に切り込みます。
お楽しみに。
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公式Twitter:@Shirogasuki_JP
執筆・写真/「最強不滅の城ライブ」製作委員会 スタッフ