2021/01/20
お城EXPO 2020 徹底ガイド&レポート 【イベントレポート】いつものお楽しみと新しい試み!お城EXPO2020「1日目」参加レポート
2020年12月19日(土)・20日(日)に開催された「お城EXPO 2020」は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために例年とは違った形になりつつ、昨年までと同じくお城ファンが夢中になれる展示、ワークショップ、セミナー、出展ブースがズラリ! またその中には、コロナ対策から生まれた新しい試みも! 今回は、1日目に参加した城びとアンバサダーの「たけ◎曲輪衆」さんがその模様をレポートします。
※記事の最後にプレゼントキャンペーンのご案内があります
今年のお城EXPOは、コロナ渦の中開催されました。行きたいけど、どうしようか迷った方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。私は2020年9月に開催された滋賀の「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖」で、会場内での万全のコロナ対策を見ていたので、そのへんは安心していました。あとは、今回も義務化されているコロナ対策アプリをダウンロードして、自分自身もしっかり対策して、長距離でしたが、車で参戦してきました。
お城EXPO前夜に石垣山城へ
まず、お城EXPO前夜の12月18日に行われた、小田原市主催によるお城EXPO2020前夜祭とのコラボ企画・小田原市の石垣山城でのイルミネーション&一夜城オープニングトークショーに参加。山城での本格的なライトアップは初ということで、とても楽しみにしていました。
二の丸の全体と、本丸の石垣がカラフルな光で照らされ大迫力で、とても綺麗で幻想的! トークショーでは、お城EXPO初日の厳選プログラムで登壇される小田原城天守閣館長の諏訪間順さん、北条氏研究でおなじみの黒田基樹先生、お城好きラジオDJのクリス・グレンさん、歴史好き芸人・れきしクンによる楽しいトークが繰り広げられました。今回の石垣山城ライトアップは、諏訪間さんいわく「遺跡を破壊することなく城跡を有効活用できた良い事例」。お城好きじゃない人たちにも、ものすごくインパクトあるイベントだと思いました。
さぁ、初日の開幕です‼
さていよいよ初日の朝です。会場では、入口からコロナ対策の注意を喚起。どれくらいのお城ファンの人たちが来城するのだろうと思ってましたが、早くも行列が。でもソーシャルディスタンスです。
会場内でも、検温・消毒・コロナ対策アプリのダウンロード・厳選プログラム、セミナー、ワークショップ、休憩所の座席のディスタンスと万全の対策。表示がとてもユニークでした。
入場口で検温し、異常がなければ「通行手形」が渡されます。これを目立つところに貼っておけば出入り自由に
厳選プログラムやお城シアターなど座席のあるところは、既にマスクをつけた武将たちが場所取り済み。空いている席に座ります。シアターは自由席なので、ひいきの武将の隣を選んで座る方も
今年から会場がパシフィコ横浜ノースに変わり、会場内もとても広くなっています。1階には出展ブースがズラリと並び、その奥にはテーマ展示「城郭の役割‐実用と表象‐」大パノラマ模型展。とっても広い赤色立体の日本地図上に日本100名城・続日本100名城の模型とお城の位置が示されています。すぐ脇の展望デッキに上ってみると日本中のお城の位置が把握できます。
毎年大人気の公式お城グッズ売場は、整理券が配られて時間制となったこともあり、密にならずに買い物も楽しむことができて安心でした。
見て・聞いて・体験!ワークショップ、セミナー、イベントステージ
2・3・4階の会場では、各城郭関連団体によるクイズ大会や講座がウケられる「EXPOサロン」、そしてセミナーやワークショップが行われます。その中で気になる何件かに行ってみました。
まず、城びとによる「ノートと楽しむ城めぐり」へ。お城マニア・観光ライターのいなもとかおりさんが普段のお城めぐりで使っているノートについて楽しいお話をしてくれました。
(左)城びとの城下町ノートとマスキングテープを教材に、実際にノートを作ってみます(右)参加者の方のアイデアあふれるノートを見て、いなもとさんもビックリ
なんと、いなもとさんはお城へ行くのに3冊ノートを作るそうです。1冊目は行くお城の下調べ用で、地図はかわいらしい手書きのもの。2冊目は行った当日に発見した見どころや、見つけたお気に入りのお店やら、美味しいものやら、感じたことなどを記入。3冊目は、帰って来てからのまとめ用で、お城の入城券を貼ったり、パンフの切抜きや写真を貼ったり。行ったお城が増えるにつれてノートも貯まっていき、とてもいい思い出になるそうです。
私の場合は、お城に行っても写真とパンフレットだけがどんどん貯まる一方です。このノート作りは、自分に合わせて自由に作れるし、今度作ってみようかなって思いました。
次は、交流の場としても毎年たくさんの人たちで賑わう「ニッポン城めぐり」アプリの部屋へ。去年は弓矢を使ってアプリ内で使える姫を射ましたが、今年は使い捨て手袋をはめての輪投げで狙います。例年、楽しくワイワイガヤガヤと騒がしいこのブースですが、お目当ての姫を見事ゲットしても、今年は皆さん、心の中にグッと喜びを押しとどめて、密かにガッツポーズ!
人の流れの途絶えた閉店ガラガラの直前に、厳選プログラムでお城めぐりの魅力について楽しく語ってくださった城郭ライターの萩原さちこさんが遊びに来て輪投げに挑戦。一発目に成功するや否や、次々に輪を手に取り(ブースが空いていたので特別に投げさせてもらいました)連続9カ所すべての棒に輪を投げ入れてしまいました。なんと、萩原さん、お城だけじゃなく輪投げの達人でもあったんですね!
そして次に、お城でのプロジェクションマッピングで話題の「NAKED NINJA」の部屋へ。お城EXPOとNAKED, INC. のコラボ企画でプロジェクションマッピングをiPadで簡単に製作できるワークショップと、去年二条城で行われたVR作品が放映されていて、とても美しく大迫力でした!
そして入口で見つけた、とても面白いもの。消毒用アルコールの置いてあるスペースなのですが、その構造がとてもアイデアあふれてユニーク。中が暗いボックスに手の平を差し入れると、消毒液が噴出すると同時に、プロジェクションマッピングによるピンクの桜の花びらが手のひらに散ります。とても綺麗! 思わず出る時にも手の平を消毒しちゃいました。
次に行ったのは、人気お城インスタグラマーKaoriさんがVRの中で再現された安土城をガイドしてくれるという、凸版印刷株式会社の「ストリートミュージアムオンライン安土城VRツアー」。これは現在、近江八幡市の安土城近くにある『信長の館』で公開されている凸版印刷の制作したVR安土城のデータを使って、VR界では知らない人はいないというVRクリエイターのVoxelKeiさんがVRChat向けに調整したもの。ちょうどKaoriさんのフォロワーの城友さんが予約しているというので、一緒に連れて行って、体験している様子を見学させてもらいました。
このVRはほんとにスゴイ! 案内役のKaoriさんはリアルアバターで、参加者もそれぞれアバターになって城内を自由に歩き回れます。パソコンの画面を見ているだけでもすごかったのですが、体験した城友さんによると、「綺麗で細かいところまで再現されていて、ほんとに超リアルだった」と。おまけに大好きなKaoriさんが目の前で安土城を案内してくれて、彼にとっては、とっても楽しい夢心地なひと時だったでしょうね!(せっかくなので、kaoriさんと城友さんの2ショットをご紹介します)
でも、この超リアルなVRの技術、これから先の大きな可能性も見えてくるんじゃないかと。城友さんの中には年をとってきて、「行きたいが、足腰が弱り、もう平山城や山城には行けない。天守内の急な階段などもってての外」という方もいるでしょう。また、危険だからとか遺跡が傷むからとかの理由で立入禁止になっているお城もありますが、「せっかく来たのにあの場所も見てみたい」というのがお城ファンの本音。VR技術が全国のお城にもっと普及してくればいいなと思います。
VRは現実では体験できない時と場所を超えた空間を体感することのできる素晴らしいメディアの一つ。これからのお城へのさらなる活用に注目したいと思いました。私個人としては、VRチャット内の堀切や横堀、曲輪や土塁、畝状竪堀群で強固に守られた超リアルに再現された山城で、城守兵30人VS攻城兵100人のアバターによる城攻め合戦をやってみたいです。
最後に、「お城めぐり観光情報ゾーン」でわたし的に気になったブースの写真でレポートを終わりたいと思います。
(左)苦渋の決断だったであろう小倉城のパンフレットだけのブース。他にもいくつか現地からスタッフを派遣できないブースがありました。(右)こちらも「まつえ若武者隊」が来城できなかった松江城ブース。来城者へのお詫びの映像に多くの人が見入っていました。お城EXPO当日は松江城の観光客の方々のために、いつも通りの案内に励まれていたとか。さすが若武者隊
(左)3月に「にっぽん城まつり feat.出張!お城EXPO in 愛知」の開催が決まっている愛知のお城観光推進協議会のブース。通路両側に陣取り、開城前には円陣を組んで気合い十分! 無事の成功を祈ります(右)小田原城・石垣山城・北条五代観光推進協議会ブースでは大河ドラマ誘致の署名活動が行われていました
(左)城びとブースでは取材で集めた全国のお城の御城印や御城印帳がズラリ(右)沖縄県ブースではグスクのVR体験を実施。VRも少しずつ普及してきているようです
(左)津城・多気北畠氏城館ブースではリモート中継で現地の語り部とつながるというコロナ禍ならではの試みも (中)最近はYouTubeでも話題。名古屋おもてなし武将隊の前田慶次殿が城びとブースにお立寄り(右)これを忘れてはいけません。お城EXPO限定グルメ。今年は新商品も
今年こそ、大手を振ってお城やお城イベントに行けることができるようになることを切に願います。
▼「お城EXPO 2020」のほかのレポートはこちらからチェック!
(おまけ)
お城EXPOが終わった翌日、小田原城に行ってきましたが、天守の最上階から石垣山城を望み見た時に、数年前に訪れた赤穂城のイルミネーションを思い出しました。あの時、赤穂の夜空に浮かび上がっていた幻の5層天守。それと同じように、幻の天守のイルミネーションがあの石垣山城にあったとしたら!・・・小田原城周辺から石垣山を見上げると、忽然と現れる光る天守。そんな小田原合戦を彷彿とさせる景色を妄想してしまいました!もし実現したら、まさに石垣山一夜城ですね!(写真は、2015年に撮影した赤穂城の天守台の上に光る幻の天守)
執筆・写真/城びとアンバサダー たけ◎曲輪衆(小野雅章)
<プレゼントキャンペーン>
お城EXPOで、書籍を扱う出版社のブースやお城グッズを扱うお店のブースなどがズラリと並んだ「城下町物販ゾーン」。今回、その城下町物販ゾーンに出展された「至誠堂」様より、城びと読者の皆様に、新選組武将印13枚セット2組、真田支城12城御城印セット2組(いずれも至誠堂製)をご提供いただきました。そこで、2021年1/20(水)~1/27(水)に城びと公式Twitter(@Shirobito_jp)を、フォロー&該当ツイート(#EXPOプレゼント)のリツイートで、抽選で各セット2名様計4名様にプレゼントします! ぜひご応募ください。
(プレゼント)
・新選組武将印13枚セット2組
・真田支城12城御城印セット2組
制作・発行:至誠堂(TEL:050-6866-6363)
<#お城EXPO 2020 プレゼント企画>
— 城びと (@Shirobito_jp) January 20, 2021
城下町物販ゾーンに出展された「至誠堂」様より、城びと読者の皆様に、新選組武将印13枚セット2組、真田支城12城御城印セット2組(いずれも至誠堂製)をご提供いただいたので、フォロー&このツイートRTで、抽選で抽選で各セット2名様計4名様!#EXPOプレゼント pic.twitter.com/lBgDIy6F4J