【イベントレポート】「全国山城サミット 安来大会」&「戦国尼子フェスティバル」

全国の山城をもつ自治体と山城ファンが集う一大イベント「全国山城サミット」。今年は、月山富田城を擁する島根県安来市で、9月23日(日・祝)、24日(月・休)に開催され、城びと編集部も参加してきました! 今回は「全国山城サミット 安来大会」と、23日に同時開催された「戦国尼子フェスティバル」様子をレポートします!



全国の山城が存在する自治体が交流を深め、山城の保存や活用に役立てることを目的にはじまった「全国山城サミット」。1994年に竹田城(兵庫県)で初開催され、現在ではお城の一大イベントに。

25回目の開催となる今回は、2018年9月23日(日・祝)、24日(月・休)に月山富田城を有する安来市で開催されました。月山富田城は、尼子氏、毛利氏、吉川氏、堀尾氏が歴代城主となった城。最も勢力を誇ったときは、山陰地方屈指の戦国大名となった尼子氏の時代で、尼子氏滅亡後も江戸時代まで山陰の中心地でした。山中鹿介を中心とする尼子十勇士も有名ですね。そんな月山富田城で行われたイベントを早速レポート!

1日目:史跡見学会&フェスティバル

9月23日。開催数日前まで、雨の予報で心配されていましたが、当日は見事な晴天に恵まれました! 史跡見学会「月山富田城コース」に参加するため、安来駅からシャトルバスで会場の月山富田城まで向かいます。

月山富田城
バスが到着すると、川の向こうに月山富田城が! 朝10時に着いたときには、すでに麓には大勢の人の姿がみえ、自然と気分が盛り上がります。

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橋を渡って月山富田城へ向かおうとすると、武者行列に遭遇! 「戦国尼子フェスティバル」の一環として行われた武者行列には、山中鹿介率いる尼子十勇士の姿も。全国から鎧武者が集結し、総勢なんと300人以上。地元の方も、小さいお子様から大人まで参加され、とても和やかなムード。

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「戦国尼子フェスティバル」では戦国特産市が開催され、出雲そばから、イノシシ汁、海鮮の練り物、つきたてのお餅など、地元や近隣のおいしいものが大集合。史跡見学会は12時からなので、まずは腹ごしらえ!

月山富田城
いよいよ史跡見学会へ。安来市観光ボランティアガイドさんによるガイド付き見学会です。まずは、月山富田城の立体模型で今から行くコースのレクチャー。結構険しそうです!

月山富田城
いよいよ登り始め!月山は標高197mの山。まずは千畳平(せんじょうひら)を目指します。

月山戸田城
千畳平に到着! 参加者には史跡ガイドマップが配られているので、ガイドさんのお話を聞きながら、マップで位置確認し、写真撮影と大忙し。写真上は、千畳平からの景色。賑わう会場がよく見えます。

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スタート地点から千畳平を見上げた写真。巨大な石垣であることが分かります。

月山戸田城
尼子再興のため尽力した悲運の武将として知られている、尼子十勇士・山中鹿介の像。尼子氏の再興のために、三日月に向かって、「我に七難八苦を与え給え」と祈っている様子とのこと。「我に七難八苦を与え給え」・・・なかなか祈れる事柄じゃないですよね。

月山戸田城
いよいよ、月山富田城の七曲がり(山頂への軍用道)が姿を現します(写真中央の山に、よく見ると山頂への曲がりくねった道が)。木が切られて整備されているので、その険しい道のりが遠くからでもよくわかります。

月山戸田城
大手門をあがったところに広がる3000㎡ほどの平地。昔、「山中御殿(さんちゅうごてん)」という建物があった場所で月山のほぼ中腹に位置し、月山富田城の最も重要な部分だったそう。ここから山頂へ向かいます。

月山戸田城
「月山軍用道」と標識の立つ道から進みます。

月山戸田城
七曲がりを途中少し休憩しながら、20分ほどかけて登ります。写真のように階段が整備されているので、少しの雨なら登れてしまいそうです。

月山戸田城
七曲がりの途中で休憩。ちょうど狼煙があがっていたので、みんなで煙を探します。

月山戸田城
七曲りを登りきると、いよいよ本丸・二の丸・三の丸へ。こちらも階段がきちんと整備されています。

月山富田城
ようやく月山富田城の本丸跡へ到着。スタートからここまで約1時間!天気も良かったため汗もじんわり。

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眺望がいいので、絶好の写真スポット。山中鹿助幸盛記念碑も立ちます。この後、奥にある勝日高守神社をまわって、下山しました。

月山富田城
「戦国尼子フェスティバル」の河川敷の特設ステージでは、数々のイベントが! 300人を超す武者たちがステージに勢ぞろいする様子は圧巻!

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「戦国尼子フェスティバル」の備中岡山城鉄砲隊による演舞。一斉に発砲する姿は迫力満点!

月山富田城
松村邦弘さん、小日向えりさん、長谷川ヨシテルさん、晴野未子さんによる「戦国尼子フェスティバル」の歴史トークショーは、観客からの笑い声が絶えない盛り上がり!

2日目:豪華出演者による講演会&山城ブース

2日目は、会場を安来市総合文化センター・アルテピアに移して、日本城郭協会理事・小和田哲男先生の基調講演にはじまり、城郭ライター・編集者の萩原さちこさん、滋賀県立大学の中井均教授など、豪華出演者による講演会やパネルディスカッションが行われました。午前10時から、昼食をはさんで午後4時までぎっしりと詰まったスケジュール! お城知識が高まること間違いなし!  

月山富田城
開場されるやいなや、続々と入場するお城ファンのみなさま。1時間以上前から並ばれていた人も!

月山富田城
全国山城サミットに加盟する自治体が出展するブースが見られるのも魅力。講演会の合間に見学に訪れます。

月山富田城
城びとも、(公財)日本城郭協会と一緒にブース出展! お声がけくださった皆さま、ありがとうございました!!

次回の「全国山城サミット」は、岐阜県可児市での開催が決定しています。2019年11月9日、10日の2日間の開催予定。美濃金山城をはじめさまざまな城跡を有する可児市での開催、今から楽しみですね!
城びとは今後も日本各地のお城イベントをレポート予定です!

執筆/城びと編集部