活気ある高知城下町の見どころをご紹介!まるでとび出す歴史の玉手箱

ご紹介する城下町は、坂本龍馬や中岡慎太郎など近代日本を代表する偉人たちを生み出した「高知」! 四国の南に位置し、四国山地から流れる清流めぐり観光も人気です。じ・つ・は…日曜日の高知観光は、たくさんの観光客で活気溢れる特別な曜日だってご存知でしたか? 江戸時代から約330年続く「日曜市」や、ご当地グルメが集まった「ひろめ市場」、そして淡く切ない恋物語が眠る「はりまや橋」など、高知城下町の注目スポットをのぞいてみましょう。

 ▼今回ご紹介する高知城下町のお店や施設のMAPはこちら
高知城下町

日本唯一!現存天守と本丸御殿が残る「高知城」 高知城

追手門から天守を望む今も昔も変わらないであろう景色

関ヶ原の戦いの功績で土佐一国を与えられた山内一豊は、慶長6年(1601)より築城にとりかかり、10年の歳月をかけて高知城を完成させました。一豊以来、明治時代まで転封することもなく山内家16代の藩主が治めた高知の地は、幕末に日本の歴史を動かした坂本龍馬や中岡慎太郎、後藤象二郎などを輩出しています。

 高知城、懐徳館
本丸御殿の正式名称は「懐徳館」。書院造の上段の間が設けられている

高知城といえば、天守と本丸御殿がダブルで残るとても貴重な城! 天守は江戸時代はじめ頃にはありましたが火事で焼失、寛延2年(1749)に創建当時の姿を模して建て直した建物が、現在見る姿です。

ちなみに、高知県は降水量全国1位の雨が多い地域。江戸時代には治水対策にも取り組み、城内でも雨対策が確認できます。旅行中は雨天にあたる可能性も高くなりますが、「これでこそ高知!」と前向きに受け入れましょう。

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<高知城の基本情報>
住所:高知市丸ノ内1丁目
電話番号:088-824-5701(高知城管理事務所)
営業時間:天守・懐徳館 9:00~17:00 (最終入館16:30まで)
休館日:12/26~1/1、その他臨時休館の場合あり。詳細は「高知城公式ウェブサイト」をご確認ください
アクセス:JR高知駅より路面電車に乗り「はりまや橋」駅で乗換え、「高知城前」駅下車すぐ。JR高知駅より、バスに乗車「高知城前」バス停下車すぐ

坂本龍馬が生まれた高知の城下町 坂本龍馬像

桂浜にある「坂本龍馬像」
 
坂本龍馬
坂本家は下級武士であったが、龍馬を江戸に留学させられる程の財力があったようだ

高知平野の中央部、鏡川と江ノ口川に挟まれた大高坂山に高知城は築かれました。その城下町は、城を中心に「武家町」が設けられ、さらにその東西には町人や下級武士が住む「下町(しもまち)」と「上町(かみまち)」が展開しています。

土佐の偉人といえば坂本龍馬。彼の誕生の地は上町にあり、裕福な下級武士の家で生まれました。龍馬は12歳の時に母を亡くし、姉によってビシバシ鍛えられたというエピソードがありますが、約170年ほど遡ったこの場所に彼らの日常があったのかと想像するだけで感慨深いものです。

<坂本龍馬誕生地碑の基本情報>
住所:高知県高知市上町1丁目-7
電話番号:088-823-9457(高知市観光振興課)
アクセス:JR高知駅より、路面電車に乗り「はりまや橋」で乗換え、「上町一丁目」駅下車徒歩1分。JR高知駅より、バスに乗車「上町一丁目」バス停下車徒歩1分

約330年の歴史を誇る伝統の「日曜市」

高知城下町、追手筋
交差点の一角に、追手筋の説明看板が立っている

高知城の正門、追手門から東に延びる大通りは、江戸時代からあったメインルート「追手筋」。参勤交代もこの道を通り、約1カ月をかけて江戸へ向かいました。

追手筋に沿って家老や中老、藩主の一門など重臣の屋敷が並び、また8代藩主・豊敷(とよのぶ)の代に設立された藩校「教授館(こうじゅかん)」跡があったのもこの通り沿いです。
 高知城下町、日曜市
果物や野菜、盆栽や土産物など多種にわたり取り扱う、活気ある日曜市

そんな追手筋では、毎週日曜日(※)に「日曜市」が開かれています。約1kmにわたって歩行者天国となり、約400の露店が並ぶ活気あるストリートに。観光客を含めた平均来客者数は、なんと1日1万7000人にもなるそうです!

この日曜市は、高知の歴史にも深く関係しています。このような街路市が最初に開催されたのは元禄3年(1690)頃。4代藩主・豊昌(とよまさ)の代に、藩の政策として「市」の場所と日取りを定めたこと(「日切り市」という)がはじまりでした。明治時代に太陽暦が導入されてから現在のような曜日市となり、町の発展と共に市の開催場所が変わり、最終的に日曜市は追手筋で開催されるようになったのです。

330年もの歴史を誇る伝統的な日曜市は、まさに高知の文化や歴史を間近で体感できるスポット! ちなみに、火曜市、木曜市、金曜市も高知市内の別の場所で開かれています。

<日曜市の基本情報>
住所:高知県高知市追手筋
電話番号:088-823-9456(高知市産業政策課)
営業時間:4月〜9月は5:00〜18:00、10月〜3月は5:30〜17:00(準備時間含む)
(※)原則毎週日曜日開催ですが、年始と8/10〜12のよさこい祭期間は除きます
アクセス:JR高知駅より、路面電車に乗り「蓮池町通」駅下車すぐ。JR高知駅より、バスに乗車「蓮池町通」バス停下車徒歩すぐ。JR高知駅より徒歩10分

グルメも土産物も大集合!「ひろめ市場」 ひろめ市場

土日・祝日は激混み覚悟で。ちなみに穴場の時間帯は平日の午前中

高知でお食事処をお探しの方は、ひろめ市場においでください。約50店舗の飲食店と、お土産屋さんなど約10店舗の物販店が集まる「ひろめ市場」は、高知旅のマストお立ち寄りスポット! 館内は、6つのストリートと2つの広場が入り組んだ大型フードコートのような施設です。新鮮なお刺身や海鮮丼、地酒が楽しめる居酒屋などよりどりみどりのラインナップ。う〜ん、どこのお店に入ろうか悩ましい!
 
ひろめ市場
お土産屋さんも魅力的! 思わず買いすぎてしまいそうだ…

この「ひろめ」という名前は、土佐藩家老・深尾弘人蕃顕(ふかおひろめしげあき)の屋敷が一帯にあったことが由来。屋敷がなくなった後も、親しみを込めて名前が残るなんてなんだかステキですね!

<ひろめ市場の基本情報>
住所:高知県高知市帯屋町二丁目3-1
電話番号:088-822-5287
営業時間:(平日・土・祝日)9:00~23:00/(日曜)7:00~23:00 ※店舗によって営業時間と定休日は異なります
休館日:元日、他年に6日程度。詳しくは公式HPにてご確認ください
アクセス:JR高知駅より、路面電車に乗り「はりまや橋」駅で乗換え、「大橋通」駅下車徒歩2分。JR高知駅より、バスに乗車「大橋通」バス停下車徒歩2分

釣り師の憧れ「明神丸」で味わう、高知名物かつおのたたき

高知名物かつおのたたきも、実は高知の歴史と深く関係のある食べ物。諸説ありますが、こんな話が伝わっています。藩主・一豊は、鰹を刺身で食べる土佐人の風習から食中毒を心配し、生の鰹を食べることを禁じたのです。しかし、そのおいしさを知ってしまった土佐の人々は、表面をあぶることで「生の鰹」ではないと主張! これが、かつおのたたきの誕生だといわれています。

明神丸
ひろめ市場のなかでも超人気の店。土日・祝日は、行列必至!
 
藁焼きたたき、明神丸
「藁焼きたたき」は塩またはタレでいただく。日本酒も一緒に…はぁ〜幸せ

高知のグルメ旅で欠かすことのできないお店が「明神丸」! 釣り好きに知らない人はいないほどの腕利き漁師が自慢です。高知、そして鰹の漁法といえば一本釣り。鮮度の良い魚を傷つけることなく漁獲できる、魚にも優しい漁法で、この明神丸こそ一本釣りでの鰹の漁獲高日本一を誇る船名でもあります。

鰹のたたきといえばポン酢でいただくのが通常と思いきや、明神丸で食べる鰹のたたきはちょっと違う! 風味を引き立てる藁で鰹を焼き天日塩で食べる、本場・土佐流にこだわっています。しかも、数ある店舗の中でひろめ市場店は「藁焼き鰹塩たたき」の第一号店と記念すべき場所。そうやき、いっつも行列ができちゅうがよ~!

<「藁焼き鰹たたき明神丸ひろめ市場店」の基本情報>
住所:高知県高知市帯屋町2-3-1 ひろめ市場内
電話番号:088-820-5101
営業時間:11:00~21:00 (日曜日は10:00~20:00)
休業日:ひろめ市場の休館日に準ずる

淡く切ない恋の場所「はりまや橋」

はりまや橋
互いの往来のため、播磨屋と櫃屋(ひつや)の間に設置された私橋。現在のはりまや橋は、平成5年(1993)に再現されたもの

高知市の観光名所でよさこい節にも登場する「はりまや橋」には、江戸時代まで遡る、それもアツく切ない恋物語が伝えられています。

互いに心引かれ合った純信とお馬。純信は、はりまや橋でかんざしを買いお馬へプレゼントしました。しかし、僧侶だった純信は妻帯が禁止されていたのです。まさに禁断の恋…すると、恋のライバル・慶全はお馬に相手にしてもらえなかった嫉妬から、純信とお馬の関係を町中に知らせてしまいました。二人は駆け落ちを試み阿波へ逃亡…関所破りの罪で捕まり土佐へと引き戻されます。純信は国外追放となり、結局二人は別々の人と結婚。結ばれることのない恋だったそうです。とても切ない恋! そんな二人の恋に想いを馳せることができる場所が、ココはりまや橋なのです!

<はりまや橋の基本情報>
住所:高知市はりまや町1丁目-1
アクセス:JR高知駅より、路面電車に乗り「はりまや橋」駅下車すぐ。JR高知駅より、バスに乗車「北はりまや橋」バス停下車徒歩1分。JR高知駅より徒歩10分

城下に残る全国的にも貴重な武家屋敷長屋

高知城下町、武家屋敷長屋
1階内部は6室に仕切られ、藩政期の間取りをうかがうことができる。2階には和船の模型が置かれ、高知ゆかりの人物を紹介したスペースだ

高知城の南には、往時の武家屋敷の面影を残す長屋遺構があります。慶応元年(1665)に完成した「旧山内家下屋敷長屋」は、国指定重要文化財。15代藩主・山内豊信(とよしげ)の時に別邸の下屋敷として使われ、その一角にある長屋は警固番を勤めた足軽の詰所であったといわれています。これだけ大きな武家長屋が残るのは全国的にも珍しいことなので、足軽たちの生活を覗きに訪れてみてください。

ちなみに、豊信は「容堂(ようどう)」という名前でも知られた人物。幕末に活躍した4人の大名をさす「幕末の四賢侯」の一人です。

<旧山内家下屋敷長屋の基本情報>
住所:高知県高知市鷹匠町1丁目3-35
電話番号:088-832-7277(高知市教育委員会 民権・文化財課)
営業時間:7:00〜17:00
休館日:なし(臨時休館することがあります)
入館料:無料
アクセス:JR高知駅より、路面電車に乗り「はりまや橋」駅で乗換え、「県庁前」駅下車徒歩3分。JR高知駅より、バスに乗車「県庁前」バス停下車徒歩4分

歴史が日常に溶け込む城下町「高知」

武家屋敷長屋や江戸時代から続く伝統の日曜市、そして名所も楽しめる高知城下町。さらに、高知城の目の前には高知城の歴史が学べる県立高知城歴史博物館、高知出身の文学者を紹介する高知県立文学館など…高知城下は、知への欲求も満たすことができるスポットが充実しています。

1日、2日とたっぷり時間をかけて高知城、そして高知城下の町歩きを楽しんで下さい。

いなもとかおり
 執筆・写真/いなもと かおり
 お城マニア&観光ライター
 31歳になる城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は600ほど。国内旅行業務取扱管理者、日本城郭検定1級、温泉ソムリエ、夜景鑑賞士2級の資格をもつ。城めぐりの楽しみ方を伝えるべく、テレビやラジオにも出演中。

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