PR 「純正の 織田のお城だ 大溝城」城郭復元CGでおなじみの曽根さんが大溝城を紹介!

大溝城

「秘境度No.1」「街中ドルイドNo.1」の次は「純正 織田家の城」!? 志布志城、湯築城に続いて、曽根俊則さんが今回手掛けたのは、琵琶湖城郭ネットワークの一つである大溝城(滋賀県高島市)の復元CG映像です。じわじわと癖になる軽妙な曽根節の大溝城紹介レポートをお届けします。 

全国ウン千万人のお城ファンの皆さんこんにちは、続100名城のスタンプがまた1つ増えて77城になりました曽根俊則(株式会社ジーン)です。お陰様で仕事が忙しくて中々増えません。
さて、この度弊社にて 『 よみがえる大溝城 ー信長が築かせた水城ー 』 という映像を制作させていただきましてね、今回はその大溝城を紹介させていただきますよ。

大溝城突入前に見どころあり!

さぁ、大溝城跡に行く前にまずコチラ。

大溝城
総門

JR湖西線 近江高島駅から徒歩5分。住宅街の中にドドンと構えるこの建物、大溝陣屋『総門』です。江戸時代初期、分部氏がここ大溝に入封し、大溝城が廃されて大溝陣屋が構えられました。その陣屋における表門たる門、それがこの総門なのですね。この門が当時、武家屋敷地と町人地の境に存在していたのです。
ちょっとウンチクを語りますよ。見てくださいこの柱。

大溝城

お気づきでしょうか、穴埋めが多数ありますね。“埋め木”が見えてます。

大溝城
柱2

こちらは根元に継ぎはぎが。

これはですね、昨年、この総門の修理建て替えが行われたのですがその際に、可能な限り、江戸時代から今に残る資材を使いたいと、柱1本丸ごとは使えずとも、部分的にでもそのまま使いたいという高島市の思いにより、このような苦肉の策…いやいやいや、素晴らしい技術を活用しているのです。江戸時代初期の建築後、宝暦5年(1755)に修理されて現在まで生き延びた木材に、今回、“埋め木”や“継ぎはぎ”を行って改めて命を吹き込んだのです。こうやって、我々の目に江戸時代を見せてくれているのです。いやぁ高島市、いいですねぇ〜。
冒頭で触れた映像 『 よみがえる大溝城 ー信長が築かせた水城ー 』 はここ総門で上映されています。

大溝城
ありがたき先客

先客がいらっしゃいました。ご覧いただきありがとうございます。

城郭建築史にこの人あり!の三浦正幸先生(工学博士・広島大学名誉教授)にご監修いただいて、大溝城復元CGもバッチリ制作させていただきましたよ。ほら!

大溝城
一気に気分が上がるタイトル画面

ここはちょっとした展示スペースになってまして、ここ高島といえば継体天皇ゆかりの地でもあることから、古代の冠も展示されています。江戸時代の門の中で古代の冠。なんだか洒落てます。

大溝城
江戸の中で古代を感じさせる冠

床はもちろん板張りですからね、歩く度にわずかに振動が起きます。人体ではほとんど感じない程度ですけども、それでなんとこの冠の飾りがゆらゆら揺れるのです! こんなこと、コンクリートのビシッとした博物館では体験できませんよ! 歩くとゆらゆら、歩くとゆらゆら展示品の一部が揺れる(笑)、これは楽しい。

大溝城
冠。拡大してみました

わかりますかね?魚が揺れるんです、ぶら下がってる魚の飾りが。

そうそう、ここ高島の地は継体天皇ゆかりの地であるだけでなく、あの古代一の大争乱「壬申の乱」や、「藤原仲麻呂の乱」の舞台にもなった場所なのです。詳しくは映像で紹介してますのでぜひご覧ください。

大溝城
あまざけ飴も

みんな大好き御城印も販売されてますよ。

大溝城
御城印

日付は…自分で書きましょう。記念に(笑)。

やっと本題、「純正 織田家の城」大溝城紹介!

さて、ここからが本題。大溝城です。
皆さん、ご存知ですか?大溝城。
なんと、織田家の覇権を支えた“琵琶湖城郭ネットワーク”を成す城なんですよ。

電車は1時間に1本しか走ってない。距離が短くなったサンダーバードも止まらない。
そんな高島市に、この重要な大溝城が存在していたのです。

大溝城
琵琶湖城郭ネットワーク

上の図の4城のうち安土城は言わずと知れた天下の名城、信長の城。長浜城は秀吉の、坂本城は光秀の城ですね。どれも有名。(大溝城だけが…涙)

でもね、大溝城って何が凄いかってね、実は、「織田家の城」なんですよ。そう、日本の歴史に燦然とその名が輝く織田家。安土城と同じ「織田家の城」。例えば長浜城も坂本城も「織田方の城」ですよ、それは間違いない。でも、織田家の城かと言われれば、そうでもあるがそうとも言い切れない、なんだか奥歯に物が挟まりますよね。だって長浜城は織田家の家臣 羽柴秀吉の城であり、坂本城は織田家の家臣 明智光秀の城なんですもん。「織田家臣の城」ですよ。

で、大溝城はと言えば、信長の甥 織田信澄(おだのぶずみ)の城なんですよ。これはもう、どこからどう見ても「織田家の城」。何をどう考えても100%「織田家の城」です!いわば「織田家の城 純正品」です! 安土城と同じ!

そんな超重要な「純正織田家の城」が今となっては…

大溝城
あれ?

大溝城
いやいや、

大溝城
あれれ?

建物がない。崩れた石垣しか残ってない。
これもみな明智のせいなんですよ。光秀が本能寺の変なんて起こさなかったらこんなことにはならなかったんですきっと。そのまま信長が天下を統一。織田信澄は天下の宰相かなんかとして重要な役割を果たし、大溝城も発展。それが今に続いてここ高島市ももっと大きな街になっていたはずですよ。電車は1時間に6本は来てたでしょう、サンダーバードも止まったでしょう。でも敦賀止まりになりますけどね。もう、アケッチーのバカ。バカバカ。そのとばっちりを受けて織田信澄は殺されちゃたんですからね、織田家の同胞に。もう、なんちゅうことしてくれたんやと。(これも映像で紹介してますよ)

だって信澄ったら信長の弟 信勝の息子ですよ。そう、あの、信長を2度も裏切ったあの弟 信勝の息子ですよ。普通だったら2度も裏切った奴ぁね、妻子もろとも滅ぼしますよ。ところが信長はそうせず、信勝の息子の信澄は生かして自らの家臣として使うのです。それも、どうやら織田家の序列の中で上から5番目に位置していたと。信忠・信雄・信孝の信長の息子3兄弟、そして信長の弟・信包、その次に位置していたんですよ。

大溝城
系図

大したもんですよ、2度も裏切った信勝の息子なのに。これはもう信澄がかなり優秀だったとしか考えられません。安土城にもね、信澄の屋敷跡の石碑が今もあるんですよ。あああああ、本能寺の変さえなければ…ですよ高島市民にとってはね。

さ、過去をぼやいても仕方ありません。気を取り直してこの目の前に聳える大溝城に登ってみましょう。

大溝城
大溝城跡

1歩目、

大溝城

2歩目、

大溝城

3、4、5……

19、

大溝城

20!

大溝城

登城完了ー!

大溝城
登城完了

ここで一句 (ファラン♪(効果音です))

 革靴で 20歩で登れる 織田の城 』

こんな織田家の城、他にないでしょう! なんたって織田家の城ですよ、アノ織田家。その城をわずか20歩で制覇できます!
皆さんもぜひご体験を。是非に及ばず。

そしてこの大溝城の特徴、これ、石垣の石が大きいんです。デカいんです。

大溝城
石垣

加工されてないそのままの石が軒並みデカいんです。鏡石として巨大な石が1個ドーンとあるのではなく、鏡石ほど巨大なわけではないのですけども、ほぼ全ての石が軒並みデカいんですよ。ほら。

大溝城
石がデカい

反対側も。

大溝城
石がデカい2

例えるなら、40発50発打つホームランバッター(鏡石)はいないけどもみんな30発打つ打線、てな感じです。1番から9番までみな30発。バースや掛布はおらんけどもみんな岡田と真弓。真弓岡田真弓岡田真弓岡田…んなことありえへん。なんと強力な打線でしょうか。ダイナマイト打線もいてまえ打線も遠く及びません。ごめんなさい例えが古くて。

そしてこの石垣がね、何ともまた美しいのです…。ほら。

大溝城
石垣の芸術

お分かりいただけますでしょうかこの美しさ。苔と草と石の織り成すこの芸術を。
ちなみに日差しが強いとこうなりますよ。

大溝城
石垣と光

これまた美しい。いや、それはもうここに集う皆さんならお分かりいただけるはずと信じております。もはや日本庭園の趣き。はぁ… ため息が出ます。石垣が崩れて日本庭園になるなんて(なってない)全国広しと言えどもここだけでしょう! 写真では伝わらないかもしれません。ぜひ現地で実際にご覧いただきたい!

(ファラン♪) また一句浮かびました。

 崩れ落ち 緑まといつ 光る石 

思わず一句読みたくなる、なんと言いましょうか、美しく静かな時が流れる、情緒溢れる町と、城跡なのでございます。

石の隙間に可憐な花 ムスカリも咲いております。

大溝城
紫の花

おや、サンダーバードです。

大溝城
サンダーバード

(ファラン♪)

 敦賀止め 北陸遠く なりにけり 

おっと関西人の心の声が漏れ出てしまいました。

そうそう最後に。総門で御城印を購入すると、今ならもれなくこんなステキなカードをゲットできます! 私、今回でこの御城印の購入2回目です。高島市に貢献してます! なのでこのカードも2枚目です。すみません!

大溝城
大溝城カード

大溝城と桜。いやいやいや、これはまた素敵なコンビネーション。ぜひ、桜の季節にも行かねばなりません。桜の季節、いや、今でしょ!

そうだ 高島、行こう

(追伸)
模型メーカーの方、ペーパークラフトメーカーの方、是非、大溝城製品化のご検討を! CGデータ提供できますので!ご連絡ください!
この大溝城、現物のモノとしてものすごく欲しいです!

大溝城
ほら

大溝城
ほら

大溝城

ほら、かっこいい!!!

執筆・写真/曽根俊則(株式会社ジーン)、画像提供協力/高島市教育委員会