突然道道143号線が砂利に変わった。スマホは圏外、時間は8時過ぎ、朝から小雨が降っている。少し考えたあと山間に沿って峠に向かって登って行く道路を進んで行った。のび太君さながら半べそになりそうになるがドラえもんはいない。クラクションを頻繁に鳴らせながら進んで行くと「すべる」と書かれた道路標識が目に入る。標識にひとりツッコミもできる余裕もない程の時間を過ごしながら進んで行く。「道道だから大丈夫」と思っていた昨日までの自分はいない。
白樺の合間を歩いていくと小さいながらも草原がある。少し多めの木立が見えてきた。その光景はまるでどこか外国の様。バイク用の裾の長い合羽を引きずりながら寄っていく。立木と地面の起伏が「俺を見ろ」と言っているかの様に感じる程の圧倒感があった。雨のおかげで一帯は光って見える。砂利道で四苦八苦した事も最高の状態で見る為の演出だったかのではないだろうか。チャシってこんなに美しかったんだ。こちらも初見の勝利です。
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