城郭施設が残る珍しい寺院とのことで1月に訪問した愛知県安城市の本證寺。
鎌倉後期の創建と伝わり、室町時代には地域の本願寺派の有力寺院に成長。
矢作川西岸の平坦な碧海台地上に位置し、戦国期に入ると自衛のために堀と土塁が必要となったのでしょうか。
1563年に三河一向一揆が起こると、一揆方の拠点の1つとなり家康と対立。その結果、空誓らが一旦は領国追放となりますが、1585年に赦免され再興を果たしました。
現在も内堀内は本證寺の境内で、本堂や庫裏、裏門、鼓楼などは江戸期から残る建造物。また内堀周辺エリアは令和9年の史跡公園化に向け発掘調査と工事が進行中。ただし内堀や土塁が戦国期に存在したという決定的な証拠は得られていないとのこと。
訪問時は本堂周辺の内堀や鼓楼を確認した後、裏門から境内の外側を散策。
隅櫓のような鼓楼やクランク形状をした内堀は、正に要塞の雰囲気。
境内北側は草木が少々伐採され、一般にはまだ未公開の土塁が一部確認可能な状態。
滞在時間は約1時間半。
3年後が気になる城郭伽藍の本證寺が、私の城郭巡りの172城目となりました。
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