京浜急行の神奈川駅を過ぎると、宮前商店街のアーチが見える。この細い道は旧東海道で、すぐ左奥にフランス公使館跡の甚行寺がある。ちなみに公使館跡から北東へ直線500メートルにフランス領事館跡の慶雲寺がある。慶運寺は浦島寺とも呼ばれ、浦島太郎が竜宮城から観音像を持ち帰ったとの伝説があると載る。
城跡の幸ヶ谷公園には短いが急坂を上る。公園は広く平坦で南際に幸ヶ谷公園コミュニティハウスが建ち、東は一段低くトイレ・遊具などが設置されている。西の線路越しの先は青木城跡・本覚寺が眺められる。
遺構は遺っていないが、権現山合戦の跡の説明が往事を偲ばせる。説明板には永正7年(1510)北条早雲(当時は伊勢氏)が、関東の支配者上杉氏(扇谷・山内)の家臣、上田蔵人を味方にし、ここに砦を築かせた。上杉朝良ら2万の大群が砦を囲み、十日間も合戦が行われ、上田勢が破れた古戦場跡である、と読める。
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