【お城TOPICS】姫路城とコンウィ城が姉妹城に

文化交流や親善を目的に自治体間で国際的に提携が交わされる“姉妹都市”は多くの例がありますが、城郭同士が友好関係を結ぶ“姉妹城”というかなり珍しいニュースが舞い込んできました!今回は、その詳細をお伝えします。どことどこのお城が"姉妹城"になったのか?



 姫路城、姉妹城
姫路城に翻る両国の国旗

日本とウェールズを代表する名城による歴史的な提携


2019年10月29日に姫路市で、日本100名城の姫路城(兵庫県)と、日本城郭協会が選定するヨーロッパ100名城のコンウィ城(英国ウェールズ)が、姉妹城提携を結びました。姫路市は市制施行100周年にあたる1989年にフランスのシャンティ城と姉妹城提携を結んでおり、コンウィ城はそれに次ぐ2例目。姫路城とコンウィ城が共に世界遺産に登録されたのが提携のきっかけになったそうです。

江戸時代初期に建てられた天守や櫓が現存する姫路城は、平成4年(1992)に世界遺産に登録され、もちろん日本100名城にも選定されています。一方のコンウィ城は、1287年(13世紀後半)にイングランド王エドワード1世が、コンフィ川と背後の山地が自然の防御壁になるよう築いたお城。城壁に連なる8基の高い塔など建造当時からの荘厳なたたずまいを今に残し、1986年に「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁」として世界遺産に登録されています。

姉妹城提携の調印式が行われた10月29日には、夕刻から提携記念レセプションが開催。日本城郭協会の小和田哲男理事長が出席し、ゴロニー・エドワード市長をはじめ内外の賓客と共に提携成立の喜びを分かち合いました。

姫路城、姉妹城
小和田理事長とエドワード市長

ウェールズには641の城、6つの世界遺産があり、映画『天空の城ラピュタ』のモデルになった故郷でもあります。歴史・自然・文化が今も息づく魅力ある国です。この機会にぜひヨーロッパ100名城にもチャレンジしてはいかがでしょうか。きっと歓待されることでしょう。

執筆・写真/加藤良明(日本城郭協会)