これぞ定番!佐倉城下町散策コース〜ご当地グルメで身も心も佐倉に染まろう〜

東京駅から約1時間の場所にある歴史の町、千葉県佐倉市。この町には(公財)日本城郭協会が選定した「日本100名城」の一つ、佐倉城があります! 台地の東西に展開する佐倉城と城下町。今でも残る面影を探して城下町散策をしてみませんか? 佐倉産食材を使ったご当地グルメや武家屋敷、江戸時代のままの雰囲気が漂う「ひよどり坂」など、散策定番コースをご紹介します。

いなもとかおり、佐倉城、城下町



江戸の東を守る「佐倉城」


角馬出
佐倉城のシンボル「角馬出(かくうまだし)」。復元されたものだが、その規模に驚く!

佐倉城は、戦国時代に千葉氏の一族である鹿島幹胤(かしまもとたね)が築いた中世城郭を原型に、徳川家臣・土井利勝によって慶長16年(1611)頃より改修され、現在みる近世城郭となりました。江戸幕府常任最高職の老中経験者が、全国の藩で最多の9人も配置された歴史があり、江戸の東を守るために重要視された城なのです!

椎木門に築かれた角馬出が、佐倉城のシンボル的存在! そのあまりの大きさに驚きます。石垣はありませんが、空堀、土塁、天守台などの城の遺構を見学することができます。

佐倉城址公園センター
佐倉城址公園センターには、佐倉城天守の模型や出土遺物の展示がある

この時代、徳川家に遠慮して天守が築かれなかったため、ほとんどの城では三階櫓を天守代用としていました(「御三階櫓」という)。発掘された礎石から判明したことは、佐倉城にもかつて天守(御三階櫓)があったこと。そして、天守台に段差を設け、外側から見ると3階建て、城内側から見ると4階建てに見える構造だったようです!

ちなみに、写真の天守模型は古写真に映る古河城(茨城県)の御三階櫓を模した佐倉城の天守です。実は、佐倉城の天守は文化10年(1813)に焼失。佐倉から古河へ転封となった土井利勝が、佐倉城の天守(御三階櫓)と同じ姿で建てたといわれているため、模型は古河城の天守(御三階櫓)をモデルにしています。


<佐倉城>
住所:千葉県佐倉市城内町官有無番地
電話番号:043-484-0679(佐倉城址公園管理センター)
佐倉城址公園管理センター
 営業時間:4月~10月…9:00~17:00、11月~3月…9:00~16:30
 定休日:1/1〜3

佐倉の城下町はご当地グルメの宝庫! 城下町散策に出かけてみましょう。

佐倉名産の大和芋を使った、房州屋の絶品「とろろそば」

佐倉城下町、房州屋
佐倉城下町には房州屋の本店と新町店の2店舗がある。佐倉城に近い方が本店だ

昭和7年創業の「房州屋」は佐倉を代表する老舗のそば処です。店内に入ると、日本の伝統的な竿縁天井で仕上げられた昭和の内装がお出迎え。散策で歩き疲れた体もホッとする、落ち着いた雰囲気のお店です。

休日はもちろんのこと、平日もお昼時には入店待ちの列ができる人気店! オープン直後か、13時過ぎの入店が混雑回避できる時間帯ですよ。
とろろそば
とろろそば 750円(税込み)

おすすめは佐倉の特産品、大和芋を使用した「とろろそば」! 舟の形をしたザルに乗って見た目にも美しいです。そばは、なかなかのボリュームがありますが、女性でもペロッと食べられてしまうほどうまい。甘さとコクのあるそばつゆは、とろろとの絡みもよく、文句なしの絶品です! 〆にそば湯を少し注いで、とろろの旨みも存分に味わってくださいね。

<房州屋 本店>
住所:千葉県佐倉市新町233
電話番号:043-484-0402
営業時間:11:00~15:00、そばがなくなり次第終了
定休日:月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)


佐倉茶で身も心も佐倉に染まる「小川園本店」

小川園本店
城下町のメイン通りとなる新町通りに位置する、小川園本店。1階はお茶の販売を行う店舗、2階がカフェ「茶粋心」

佐倉市を中心に千葉県や東京都内に店舗展開している「小川園」。創業の明治45年(1912)より伝統を引き継いできた、佐倉茶を代表するお店です。小川園本店の2階では佐倉茶を使ったデザートがいただけるカフェ「茶粋心」がオープン! くつろぎの空間で佐倉茶がいただけます。

佐倉茶は、明治初期の廃藩置県で佐倉藩が解体され、旧佐倉藩士たちが授産のために興した産業の一つでした。佐倉茶はニューヨークにも輸出され話題になったほど! 深みのある芳香と味が佐倉茶の特徴です。

佐倉茶オレ
「佐倉茶オレ」400円(税込み)

人気の「佐倉茶オレ」は、自家製の黒みつを入れていただきます。茶葉の苦みと黒蜜の甘みが両者を引き立て合う絶妙なバランス! 火照った体を冷ますのにピッタリです。

佐倉茶セット
 佐倉茶セット「佐倉茶寒天と白玉あずき」500円(税込み)

ティータイムのセットでは、佐倉茶を練り込んだ寒天と白玉のセットがおすすめ。あずきも、なんと佐倉産! まさに佐倉づくしのセットなのです。胃袋の中から佐倉に染まることができますよ。


<小川園本店「茶粋心」>
住所:千葉県佐倉市新町192
電話番号:043-486-7633
営業時間:11:00〜16:30(16:00ラストオーダー)
店休日:日曜・祝日


文化財クラスの和菓子屋「蔵六餅本舗 木村屋」

蔵六餅本舗 木村屋
 メインストリート新町通りに位置する「蔵六餅本舗 木村屋」

明治15年(1882)、銀座木村屋の2号店としてこの地に創業した佐倉木村屋。現在は、佐倉銘菓「蔵六餅」をはじめ和菓子を販売するお店です! 蔵六餅とは、佐倉藩城主・堀田家に伝わる亀の形をした石(蔵六石)をモチーフにした最中。中にお餅が入っていて、こしあん、つぶしあん、白あんの3種類から選べます。

蔵六餅本舗 木村屋
 参観は、お茶菓子付きで500円。個人が所有する蔵に入れることは滅多にないので、貴重なチャンスは見逃せない

実は、お店の奥には古美術品が展示された蔵があり、なんと見学することが可能!  蔵は、1800年代に油屋が建てたものを木村屋の初代店主が買い取ったそうで、かなり立派な建物です。

明治、大正、昭和を生きた先人達の日常生活がわかる品や写真もありますが、中には「えっ」と驚く一級品も! 安政5年(1858)と書かれた杯の箱書きや、正徳元年(1711)に8代将軍・徳川吉宗が各宿場町に共通の内容で改訂した高札など、個人所有とは思えないその貴重な品々に驚くばかりです。

佐倉十一萬石最中
「佐倉十一萬石最中」は単品140円(税込み)、9個入りのお箱は1,380円(税込み)

そんな蔵六餅本舗 木村屋で、城下町土産として外せないのが「佐倉十一萬石最中」です。つぶしあんは、夏は柔らかく、冬は固くなりやすいので季節ごとに微調整を加えるこわだり。中にはたっぷりとあんこが入っているので、食べ応えがあります。

単品の注文でもよいですが、箱入りがおすすめ。お箱のパッケージは、城と石高、藩主の家紋が明記された城好きにはたまらないデザインです! さらに、包み紙は堀田正久氏(旧藩主のご子孫、3代佐倉市長)のかみしもをモチーフにしたもので、堀田氏が用いた竪木瓜(たてもっこう)の家紋も記されています。

まるで佐倉の歴史をかばんに入れて持ち帰るような、ウキウキ気分を味わえますよ!


<蔵六餅本舗 木村屋>
住所:千葉県佐倉市新町222-1
電話番号:043-484-0021
営業時間:9:00〜18:00 ※蔵の見学は10:00〜16:00
定休日:毎週水曜日


タイムスリップ!? 武家屋敷とひよどり坂で非日常を堪能

旧武居家住宅
国登録有形文化財の旧武居家住宅。百石未満の藩士クラスが暮らせる小屋敷の規定と一致する規模。なかには、武家屋敷から出土した陶磁器などが展示されている

佐倉城と城下町は、東西に延びる台地の上に展開しています。城下町は、武士の町と商人の町とで分けられ、城の周りには武家屋敷を配置。明治になると、佐倉連隊の兵営所とするため城の建物は取り壊され、武家屋敷は軍人屋敷として転用されました。

鏑木小路で見学できる武家屋敷は、旧河原家(移築復元)、旧但馬家、旧武居家(移築復元)の3棟で、上中級の武家屋敷を見ることができます!

城下町きもの散歩
城下町きもの散歩(提供:佐倉市産業振興課)

サムライ散歩
体験ツアー「サムライ散歩」(提供:佐倉市産業振興課)

佐倉市では「城下町きもの散歩」と呼ばれる着物の着付け・レンタルサービス(有料・要予約)が行われ、きもの散歩の開催日には入館無料になるサービスも実施中! 着物で散策すると、気分もあがるし、思い出にもなりますよね。さらには、サムライになりきって佐倉の町を散策する「サムライ散歩」(有料・要予約)という、珍しい体験ツアーもあるんですよ!

詳細は、佐倉市のHPへ

<武家屋敷>
住所:千葉県佐倉市宮小路町57番地
電話番号:043-486-2947
営業時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12/28〜1/4


ひよどり坂
「ひよどり坂」は武家屋敷に隣接した古径で、フォトジェニックなスポットとして知られつつある

武家屋敷通りの鏑木小路を西に進むと、竹林に囲まれた「ひよどり坂」が現れます! 江戸時代からほとんど変わらない景観を保ち、訪れる人を癒してくれるスポットに……。タイムスリップした気分で歩いてみてくださいね。

東京から約1時間の城下町散策

「こんな隠れた場所が佐倉城下町にあったんだ」と、驚いているあなた! 佐倉市をはじめ、成田市、香取市、銚子市の4都市は「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」として日本遺産にも認定された、歴史が点在する町なのです。

江戸時代、江戸城の東を守った佐倉城。当時は8基もの巨大な櫓門を有した壮観な城だったと言われています。現在、建物遺構はありませんが、立派な空堀や角馬出が見どころ! 城を散策した後は、佐倉グルメが味わえる城下町にも行ってみてくださいね。


いなもとかおり
 執筆/いなもと かおり
 お城マニア&観光ライター
 30歳になる城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は500ほど。国内旅行業務取扱管理者、日本城郭検定1級、温泉ソムリエ、夜景鑑賞士2級の資格をもつ。城めぐりの楽しみ方を伝えるべく、テレビやラジオにも出演中。

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