熊本城の「いま」 第6回 今見ておきたい!鯱が戻った熊本城の大天守

熊本地震から2年。復興に向かって進んでいる熊本城の「いま」をお伝えする企画。大天守に鯱(しゃちほこ)が戻った熊本城を「くまもとよかとこ案内人の会」の名物ガイド・吉村徹夫さんに案内していただきます。2018年7月現在の工事の様子や6月の大雨で倒壊してしまった元太鼓櫓の様子などをお伝えします!

熊本城、しゃちほこ、大天守、小天守、宇土櫓
鯱が戻った大天守を中央に、左が小天守、右が宇土櫓

7月14日(土)に開催されたプロ野球オールスター戦は熊本での初開催。熊本城二の丸広場ではパブリックビューイングが行われ、おおいに盛り上がりました。ちなみに試合会場となったリブワーク藤崎台球場も熊本城公園内にあります。

熊本城の現状について、春に続き「くまもとよかとこ案内人の会」吉村徹夫会長にご案内していただきました。「大天守に鯱が載ったのが何よりのニュース。二の丸広場から、そして加藤神社からぜひご覧いただきたいです!」と吉村さんの第一声から始まります。

熊本城、よかとこ案内人の会、吉村徹夫
「よかとこ案内人の会」吉村徹夫さん

「くまもとよかとこ案内人の会」さんは、熊本地震発生2ヵ月後から、二の丸広場から加藤神社を結ぶコースを設定し、無料ガイドを開始。現在の熊本城の様子を、地震前と比較して詳しくご案内してくださいます。その魅力はなんといっても、ガイドさんが個性を生かした案内の面白さ。「熊本地震における熊本城の被害、熊本城の復旧状況」「熊本市民が元気に頑張っている姿」「熊本城にまつわる物語」を日々伝えられています。詳細は「熊本城の「いま」第1回 | 名物ガイドとめぐる 最新の熊本城2時間コース ~前編~」をご参照ください。

2体の鯱が戻った大天守

熊本城、二の丸広場、大天守、しゃちほこ、小天守
二の丸広場から、大天守の鯱や小天守が見える

集合場所の二の丸広場から見えるのは、工事が進んでいる熊本城天守の様子。天守は大天守と小天守の2つに分けられます。大天守は2018年4月28日に鯱の設置が完了し、2体の鯱が揃いました。写真で見ると小さく見えますが、鯱は高さ119cm、重さ約100㎏。新しい鯱が見られるのも、今の熊本城ならではです。

宇土櫓、熊本城、小天守
スクラムを組んだように並ぶ大小天守と宇土櫓

小天守は宙に浮いたような姿をしています。手前には宇土(うと)櫓が立ち、一見すると地震の影響をほぼ受けていないように見えます。「この宇土櫓を先頭に、傷んだ大天守と小天守を背景にスクラムを組んでいるように見える姿こそ、現在の熊本城で唯一力強く見える姿。観光客の方が一番喜ばれる場所であり、ガイドにも特に力が入ります」と吉村さん。

二の丸広場、小天守、熊本城
二の丸広場から、小天守が浮いているように見える

緑濃い加藤神社から仰ぎ見る大小天守

熊本城をより近くで見るために、二の丸広場から加藤神社へ移動。前回(2018年4月4日)の取材時に比べ、木々の緑が濃くなっており、天守が一層まぶしく感じられます。下の写真を見比べていただくと一目瞭然ですが、大天守に鯱が載るなど、工事が着々と進んでいる姿を目の当たりにすると、復興に向けたエネルギーを感じます。「この神社から熊本城の天守を見ると、な~に負けんぞ!という気持ちが沸き起こってきます」(吉村さん)。

加藤神社、熊本城、しゃちほこ
加藤神社から見ると2体の鯱がはっきり見える(2018年7月13日)

熊本城、しゃちほこ、大天守
春取材時(2018年4月4日)にはまだ大天守に鯱が載っていない。4月7日に1体、4月28日にもう1体の鯱が載った

今回の取材時が「清正公まつり」前だったこともあり、加藤神社の周辺には「清正」の文字が入ったちょうちんやのぼりがたくさん掲げられていました。

清正公祭、加藤神社、熊本城
清正公まつりを控えた加藤神社

6月の大雨の影響が残る元太鼓櫓

熊本城、元太鼓櫓
6月の大雨で倒壊してしまった元太鼓櫓

残念な変化もありました。鯱が載った大天守に勇気づけられながら二の丸広場に戻り、前回も案内していただいた西大手門へ向かうと、その姿が変わっていました。今年の6月に起きた大雨で、元太鼓櫓(立入規制区域内)が崩れてしまったのです。元太鼓櫓は、平成28年熊本地震による傾き・変形があり、倒壊の恐れもあったそうです。そのため今回の大雨により倒壊にいたったと推測されます。

元太鼓櫓が崩れてしまったのは残念ですが、同じ6月からは、熊本城飯田丸五階櫓の石垣の解体も始まりました。道のりは平坦ではないですが、着実に復旧に向かっています。

熊本城、元太鼓櫓
春取材時(4月4日)には傾きながらも元太鼓櫓の姿が見られた

浴衣にソフトクリーム!夏ならではの楽しみ方

城彩苑、熊本城、おもてなし武将隊
「熊本城おもてなし武将隊のステージ」を中心に、各施設が集まる「城彩苑」

「くまもとよかとこ案内人の会」さんのガイドで熊本城を回った後は、観光案内所や飲食店、土産物店がならぶ「桜の馬場 城彩苑」へ。暑さで疲れた体にうれしい、「桜の馬場城彩苑ソフトクリームフェア」を11月いっぱいまで開催中です。10店舗がアイデアを絞り、熊本の素材を生かしたものから和風でヘルシーなものまで15種類以上。人気のフレッシュジュースのお店「TENTE」では、熊本県産メロン半玉ソフトクリームが登場しています。

さらに、「桜の馬場 城彩苑」観光案内所では、夏の熊本城を楽しめる企画も開催中です。7月21日(土)~8月25日(土)の毎週土曜には浴衣がレンタル(有料)できます。浴衣姿で熊本城を見学すれば特別な思い出になりますし、熊本城を背景にして記念撮影にもぴったりですね。夏ならではの熊本城をぜひ、お楽しみください。

<基本情報>
●くまもとよかとこ案内人の会
住所:熊本県熊本市中央区二の丸1-1-1(桜の馬場 城彩苑 総合観光事務所)
電話番号:096-356-2333 ※対応時間9~17時(土・日曜、祝日は~16時)
受付時間:9~15時
料金:無料(予約不可)※時間指定でガイド希望の場合は、現地までの交通費2000円が必要(黄シャツ着用)。60分、90分、120分のコースがあり、3日前までに公式ホームページhttp://www.k-yokatoko.comより申込み
※詳細については、ホームページをご参照ください

●貸しゆかた 
日時:7月21日(土)~8月25日(土)の毎週土曜
10時~20時30分(最終受付は19時)
場所:城彩苑内総合観光案内所 受付1F、着付2F
料金:当日返却1500円(小学生以下750円)※予約不要
ゆかた・帯・下駄・巾着の貸出しと着付け料一式
お問合せ:貸し浴衣事務局 090-8838-3869(担当:蔵原)

※雨天時は中止の場合あり
※女性のみ、ゆかた肌着の貸出しがセット

●桜の馬場 城彩苑ソフトクリームフェア
日時:~11月30日(金)
場所:城彩苑内 10店


執筆・写真/藪内成基(やぶうちしげき)
奈良県出身。30代の城愛好家。国内旅行業務取扱管理者。出版社にて旅行雑誌『ノジュール』などを編集。退職し九州の城下町に移住。観光PRやガイドの傍ら、「城と暮らし」をテーマに執筆・撮影。『地域人』(大正大学出版会)など。海外含め訪問城は500以上。知識ゼロで楽しめる城の情報発信を目指す。

※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報(パンフレット、自治体のWEBサイト等)を参考にしています

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