2018/07/12
金沢城下町は歩きやすい！城下町まるっと散策コースをご紹介（後編）
加賀藩前田家の居城「金沢城」。前半では惣構を中心とした史跡スポットをご紹介しました。後半は、金沢グルメも食しながら城下町歩き！ 観光客が多く訪れる尾山神社や兼六園、さらには、タイムスリップしたような景色が広がる茶屋街など、金沢城と共に行っておきたいスポットをご紹介します。
かつての雰囲気そのまま3つの茶屋街
散策中の楽しみといえば、ティータイム！ 抹茶と生菓子、ケーキやパフェもいいですね。あ、金沢名物の金箔ソフトも忘れずに。
金沢城周辺には3ヶ所の茶屋街があり、なかでも有名なのは「ひがし茶屋街」です。
ひがし茶屋街
1820年、加賀藩によって散らばっていたお茶屋がまとめられ、茶屋街が誕生！ 北国街道を通る人たちで賑わいをみせていましたが、現在の私たちがイメージするようなお茶を楽しむ店ではありませんでした。いわゆる、お座敷遊びの場所です。
現在ある140軒の建物のうち、約65％が伝統的建物。格子や虫籠窓のある家、そして奥に細長い建物が町屋独特の雰囲気を醸し、タイムスリップしたような感覚を味合わえます！ 絵に描いたようなスポットは、記念撮影にもピッタリです。
主計町（かずえまち）茶屋街
にし茶屋街
現在、ひがし茶屋街・主計町茶屋街・にし茶屋街の3つの茶屋街は、ティータイムやランチを楽しめるお店や高級な料亭、お土産屋が並ぶ、観光客で賑わうスポットになりました。ちなみに、金沢土産の定番は、金箔工芸品や加賀友禅などの伝統工芸品です！
＜基本情報＞
住所
ひがし茶屋街：石川県金沢市東山
主計町茶屋街：石川県金沢市主計町
にし茶屋街：石川県金沢市野町
電話番号：076-220-2194（金沢市役所 観光政策課）
Japanese Beautiful の兼六園
金沢城とセットで訪れたい場所が、日本三名園のひとつ「兼六園」です。兼六園は、前田家がおもてなしに利用した庭園で、11代藩主・斉泰の時に現在見る形の原型ができたとされています。
外国人の来園者数も多く、加賀藩の技術が注ぎ込まれた大名庭園の美しさに魅了される人が続出！ 「Japanese Beautiful」は生まれ育った環境の違いを超え、世界中で共有できる価値観となっています。
庭園の中には前田家の藩主と美的感覚を共有できるスポットも！ 例えば、この「根上松」は13代藩主・斉泰の作品と伝わります。盛り土に植えた松の土を、徐々に除いて根を現したもの。堂々とした立ち姿は、今にも歩き出しそうなほどに生命力を感じますね。
徳川家から珠姫が輿入れした際、江戸から移り住んだ者の長屋があったことから「江戸町通り」と呼ばれる
紺屋坂。付近に住む御用染商・館紺屋孫十郎の名前が由来
和食と和カフェ さくら茶屋。和牛ステーキカレーや能登牛のステーキ丼などさまざまなメニューが揃う
兼六園周辺には、お土産店や食事処もたくさんあります。お昼ご飯は、金沢名物の金澤カレーや、郷土料理じぶ煮、贅沢にカニ御膳などもいいですね！ 夜には閉まるお店も多いため、閉店時間には気をつけましょう。
＜基本情報＞
兼六園
住所：石川県金沢市兼六町１
電話番号： 076-234-3800 （石川県金沢城・兼六園管理事務所）
開園時間：3/1～10/15 7:00～18:00（退園時間）、10/16～2月末 8:00～17:00（退園時間）
入園料：大人320円、小人（6～17歳）100円
休園日：ー
加賀藩祖・前田利家公と正室お松の方を祀る神社
明治になって創建された尾山神社は、加賀藩祖・前田利家公と正室のまつを祀る神社です。国指定重要文化財にもなっている神門は、ステンドグラスがチャームポイントになっています！ なお、屋根についた避雷針は現存する国内最古のものです。
尾山神社の建つ場所は金沢城の出丸に位置し、鼠多門橋を通り、ここ金谷御殿へと繋がっていました。金谷御殿は、将軍の側室や引退後の住居があり、明治になってから取り壊されています。
金沢城側にある東神門は、金沢城二の丸にあった唐門が移築されたものです。門には龍の彫刻が施され、火災からも逃れた経歴をもつ縁起物です！
城には火災に見舞われることの多い歴史がありますが、金沢城でも度々火災があり、江戸時代にはなんと50件以上の火災が記録されています。金沢のほとんどを焼き尽くしたという、宝暦の大火（1759年）でも難を逃れました。
＜基本情報＞
尾山神社
住所：石川県金沢市尾山町11-1
電話番号： 076-231-7210
時間：8:30〜18:00（授与所・御朱印受付時間）
定休日：ー
金沢城公園の外にも広がる歴史の香り
金沢城公園と兼六園だけ立ち寄る歴史散策はちょっともったいない！ 公園の外に飛び出すとかつての城の姿がかわるスポットが点在しています。金沢の街ごと楽しむ観光で、城の全容を知る旅にでかけてみましょう。
食べて・買って・歩いて、金沢城下町散策を満喫してくださいね。
いなもと かおり
お城マニア&観光ライター
年間120城を巡る城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は600ほど。国内旅行業務取扱管理者、日本城郭検定準1級、温泉ソムリエ、夜景鑑賞士2級の資格をもつ。城めぐりの楽しみ方を伝えるべく、テレビやラジオにも出演中。※2021年9月プロフィール更新
※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報（パンフレット、自治体のWEBサイト等）を参考にしています
