2021/07/07
犬山城下町の歴史散策へ出かけよう!犬山城の周辺は城だらけ!?
前回の記事『観光客で賑わう魅惑のスポット「犬山城下町」で城下町グルメを食べ歩き!』では犬山城下町のグルメを堪能!お腹を満たしたら、城下町の歴史散策も楽しみましょう!(※2018年5月9日初回公開)
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城下町に残る総構の痕跡を探そう!
犬山城の城下町は城の南面に形成され、堀や土塁で取り囲んだ総構の造りでした。その城下町はちょっと特殊で、城の近い方に町人町、その外側に武家屋敷を配置する構造です。いざとなった時は、総構と武家屋敷で敵兵を喰い止めようとしていたのでしょう。
薬師口跡のクランク
城下へ入る木戸は全部で6箇所設けられ、かつて木戸があった痕跡が今も確認できます。なかでも南方にある薬師口跡のクランクは見事なほどの残り! このクランクは、城の虎口(出入口)ではお馴染みの枡形となっており、真っすぐ通れないようにわざと道が折れています。
総構の堀は住宅地の開発でほぼ埋められてしまいましたが、その痕跡を見ることができます。犬山城と城下町は台地の上に築かれており、西面の総構は段丘崖を上手く利用して堀を築いていました。この高低差こそ総構がこの場所にあった証拠!
このように、城下町にはありし日の犬山を読み解くヒントが散りばめられています。
犬山城のビュースポットには城が隠れている!?
犬山橋は犬山城を望むビュースポット
犬山城と対岸には鵜沼城が ※私有地のため現在は立ち入りできません
つい、カッコイイ犬山城ばかりに目がいきますが、実はすぐ近くにも城跡が隠れています。
木曽川と犬山城が画角に収まる撮影ポイントの「犬山橋」。犬山城に見とれている隙に、実は背後の城から狙われていますよ! 「鵜沼城」は、永享年間(1429〜1440)に大沢利治によって築かれたと伝わります。犬山城攻略のキーポイントとなる城だったようで、小牧長久手の戦いでは、豊臣方についていた池田恒興によって鵜沼城を奪われ、犬山城も攻略されてしまいました。
ライン大橋より望む犬山城は、凛とした表情
伊木山城。犬山城との直線距離は1.7キロメートルほど
犬山橋より1キロメートルほど西には、犬山橋と同じく木曽川沿いにそびえる犬山城ビューを撮影できるスポットの「ライン大橋」があります。そのライン大橋の背後にある山も城跡です。
標高173メートルに築かれた「伊木山城」は、木曽川をおさえる重要な砦のひとつ。城主の伊木忠次は信長配下に下り、織田家のあとに犬山城主となった池田恒興の家臣となりました。
愛宕神社の境内にある金明水
こちらはビュースポットではありませんが、名鉄「犬山駅」から徒歩5分の場所にある愛宕神社は、1469年に織田広近によって築かれた居館跡です。「木ノ下城」は、信長の叔父・織田信康が犬山城に拠点を移すまで居城としていました。神社の中にある「金明水」は木ノ下城が現役だった頃に掘られた井戸と伝えられています。
散策のお供に「犬山城下町きっぷ」がおすすめ
最後に、お得な情報をお届けします!
犬山城を散策する際は、名古屋鉄道株式会社が販売している「犬山城下町きっぷ」の利用がおすすめ。名鉄名古屋、金山・神宮前、豊橋、名鉄岐阜などの任意の発駅から、犬山まで向かう名鉄電車の「往復乗車券」と「犬山城入場券」、さらには「城下町で使えるクーポン」の3点がセットになったお得な切符です。
犬山城下町きっぷの購入は、一部を除く名鉄出札係員配置駅や名鉄名古屋駅サービスセンターまで。(※画像のきっぷ及びクーポンは2019年2月28日までの期間限定販売です。最新の情報は名古屋鉄道のホームページでご確認ください)
宿泊先も犬山で
城あり、城下町グルメありの犬山。城の近くには美肌効果のある天然温泉の宿もあるため、宿泊込みの散策プランもたてられます。重い荷物は宿において、レンタル着物店で着物や浴衣に着替えて城下町散策なんてプランも風情がありますね!
城と城下町を一緒に楽しめる観光地をお探しの方は、愛知県の犬山城が一押しです。
▼犬山城下町 前回の記事はこちら
執筆・写真/いなもと かおり
お城マニア&観光ライター
年間120城を巡る城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は600ほど。国内旅行業務取扱管理者、日本城郭検定準1級、温泉ソムリエ、夜景鑑賞士2級の資格をもつ。城めぐりの楽しみ方を伝えるべく、テレビやラジオにも出演中。※2021年9月プロフィール更新
※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報(パンフレット、自治体のWEBサイト等)を参考にしています