祝!10周年 お城EXPO 2025 徹底ガイド 徹底ガイド9 無事閉城!「お城EXPO 2025」ふりかえり

2025年12月20日(土)、21日(日)に開催された「お城EXPO 2025」は、全137という過去最大の出展数で2日間で延べ23,017人もの来城を賜り、盛況のうちに幕を閉じました。誠にありがとうございました。熱気にあふれたイベントの様子を簡単に振り返ります。

期待の表れが長い列に!

2025年12月20日(土)~21日(日)、パシフィコ横浜ノース他で開催された「お城EXPO 2025」。2日とも開城前から多くの方が着陣くださっていました。

初回からずっと城番衆を務めてくださっている「武者所」さんが、開城前を盛り上げます。そして、待ちに待ったお奉行様の鬨の声「開門じゃー!」。
いよいよ「お城EXPO 2025」開城です!

お城EXPO2025
楽しいお芝居!?のあとのお奉行様の鬨の声

お城EXPO2025
なんと初参陣の「越後上越 上杉おもてなし武将隊」の上杉謙信様と上杉景勝様も朝のお迎えに!


かつてない賑わいを見せた「城めぐり観光情報ゾーン」

お城EXPOといえば、全国各地から参陣されるお城や城郭関連商品販売のブースが立ち並ぶ「城めぐり観光情報ゾーン」です。今回も多くの”出城”が来城者をお迎えしました。どこのブースも大変な賑わいで、かつての全国の有名な城下町はこんな感じだったのかな、と想像してしまうほどです。
▶出展ブースについては、「徹底ガイド4 城めぐり観光情報ゾーン出展ブース紹介!」をご覧ください。

お城EXPO2025
終日多くの方が行き交いにぎわった「城下町」

お城EXPO2025


厳選プログラムでは新たな試み、"籠城"券を作る!

お城EXPO2025

「聴講したいプログラムが多すぎてお昼を買いに行く時間もない!」毎年あがる悲痛な叫びにお応えして、今年はお弁当付きワンデイ入城券が登場しました。文字通り「籠城」で、スペシャリスト達の講演をたっぷり堪能していただきました。また、1つのテーマで1日を通して複数のスペシャリストがリレー講演を行う初の試みもなされました。記念すべき初回のテーマは、2025年で450年目となる「長篠合戦」。最後はその日の登壇者全員によるシンポジウムで締めくくられました。

「お城EXPO」には欠かせないイベントステージ

イベントステージは、ノース会場とアネックスホールの2か所で開催されました。各地の武将隊の皆さまやご当地キャラ、歌姫たちなどが武や華を披露して観客を魅了しました。次年度大河ドラマ「豊臣兄弟!」に寧々役で出演される俳優・浜辺美波さんもトークショーに登壇、多くのファンが駆け付けました。
お城EXPO2025
書道家・こーたさんのオープニングステージパフォーマンスは「お城EXPO」に欠かせません!

お城EXPO2025
トークショーに登壇された浜辺美波さん(右)とMCのお一人のれきしクンさん(左)

お城EXPO2025
観客と一体となる名古屋おもてなし武将隊®のステージ

スーパーミステリー・マガジン『ムー』とコラボ!

お城EXPO2025

毎回新たなお城の楽しさ・見方をご提案している企画展示。10周年は、意外なところとコラボで来城者を驚かせました。そのコラボ先は、古今東西国内外の謎を特集し続けて46年の歴史を持つスーパーミステリー・マガジン『ムー』(株式会社ワン・パブリッシング刊)です。

お城EXPO2025

企画展示は、『月刊ムー』2022年1月号の総力特集「日本を動かしてきた「呪術」の謎」の第2章「戦国の呪術戦争と徳川家康の最終呪法」を入口に、お城や武将にまつわる戦国時代から江戸時代の呪術・信仰・怪異についてたどる内容となりました。
▶企画展示内容詳細については、「徹底ガイド7 「『ムー』×お城EXPO―呪術・信仰・怪異―」とは? 企画展示紹介」をご覧ください。

やはり今回もすごかった「城の自由研究コンテスト」優秀作品展

お城EXPO2025

第24回「城の自由研究コンテスト」の入賞作品の数々が展示され、多くの方が熱心に見入っていました。作品展の人気は高く。これを目的に来城しているという方もいるほど。今年も人の波が途絶えることはありませんでした。
▶入賞作品一覧は、「第24回「城の自由研究コンテスト」結果発表!」の記事でご紹介しております。

本物の凄みを放っていた甲冑および馬具展示『伊達家ゆかりの甲冑』

お城EXPO2025

(公財)日本甲冑武具研究保存会のご協力のもと、伊達家陪臣の所用した甲冑や江戸時代以前に制作された甲冑約20点のほか、日本の甲冑武具・馬具が展示されました。物言わねども重ねた時の重みをその姿で語る甲冑たちに圧倒されました! 

お城EXPO2025

本物を身に着ける滅多にない機会に、騎乗体験や甲冑着付け体験も盛況でした!

お城EXPO2025


城報ラウンジプラスでは、開催地元の名城・小机城をフィーチャリング!

お城EXPO2025

横浜市港北区地域振興課・横浜市歴史博物館・(公財)横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センター・株式会社パスコ 小机城プロジェクト・神奈川大学 国際日本学部がタッグを組み、体験して、学んで、楽しんで、小机の魅力を一度に味わえる企画を作り上げました。北条氏・小机城のパネル展示や出版物や報告書、小机城の発掘調査で出土した遺物の「実物」展示、御城印の販売、測量・VR体験、オリジナルスタンプラリー、小机城の堀底フォトスポットなど、盛りだくさんの内容で、お子さんから大人までゆっくりと楽しまれていました。

お城EXPO2025

名城紹介のパネル展示に見入る方が多数!

お城EXPO2025

お城EXPO恒例の日本100名城&続日本100名城パネル展示のほか、今回はヨーロッパ100名城、韓国の城郭/五大宮殿のパネルも展示されました。「ここは行った」「今度ここに行きたいわねえ」など、皆さまじっくりご覧になっていました。

渾身の写真がずらっと並ぶフォトコンテスト

お城EXPO2025

「あなたが撮った日本のお城」をテーマに、(公財)日本城郭協会が2025年9月8日(月)~11月5日(水)募集した作品すべてが並ぶ圧巻の展示。審査委員長は城郭写真家の畠中和久さんです。

相変わらずの人気っぷりを見せた恒例の2ブース

お城EXPO2025
手裏剣を投げてお目当てのキャラクターをゲット!

30万人以上のユーザーを持つGPSスタンプラリーアプリ「ニッポン城めぐり」ルームや、横浜に本社を置くコーエーテクモゲームスブースは、毎度変わらぬ人気を誇りました。

お城EXPO2025
今年は「三國志」40周年を記念して、「信長の野望」と「三國志」の「城」の違いをブース展示

★10周年記念企画も充実!★

10周年を記念して、特別イベントや展示等が行われたのも今回の特徴です。
「お城EXPO 十の事」として以下の10項目を企画しました。

その一 お城EXPO前夜『お城EXPO10周年! 武将隊パレード』開催

お城EXPO2025

お城EXPO開幕前夜、(公財)日本城郭協会理事長・小和田哲男先生が先導して、一般のお客様および各地の武将隊やお城EXPO公式城番衆「武者所」が雄々しくクイーンズモール横浜をパレードしました。

その二 『お城EXPO 10周年シンポジウム』開催

お城EXPO2025

小和田哲男先生・中井均先生・加藤理文先生・黒田基樹先生・平山優先生・諏訪間順先生・萩原さちこさんの豪華7名のスペシャリストが「小田原合戦」をテーマに熱く語り合いました。

その三 『お城EXPO 十周年記念シール』全国のコンビニエンスストアで販売

お城EXPO2025

初回から今回までのお城EXPOポスターを切手風シールに! 全国のコンビニエンスストアに設置されているマルチコピー機から、購入・プリント可能。
・販売アイテム:「エンタメプリント」のシール(2L判)
・販売価格:500円(税込)  
・販売期間:2025年12月16日(火)13:00 ~ 2026年3月31日(火)23:59
・コンテンツ番号:N2UE8LXVTP
・対象店舗:ファミリーマート、ローソン、ミニストップ(一部の店舗ではご利用いただけません)


その四 小和田哲男先生が選ぶ『10年間のお城10大ニュース』発表!

お城EXPO2025

10大ニュース詳細はこちら

その五 お城EXPO10周年記念!「NINJA BRASSとお忍びの姫君」によるサタデーナイトコンサート開催

お城EXPO2025

都響メンバーが忍者になって演奏するコンサート。第1部はこれまでの演奏から特に名演奏を映像で振り返り、第2部は歴史ドラマのテーマ曲を生演奏。昭和音楽大学ミュージカルコースの卒業生扮する「くノ一4人娘」のダンスが演奏に華を添えました。

その六 お城EXPO 10周年記念 『純金小判』発売

お城EXPO2025

10周年にあわせて10gの純金小判を発売! 会場でも「え、小判?!」と立ち止まるお客様多数……! お城EXPOのロゴ刻印入り。お城EXPOの思い出を形に残してみませんか?
詳細は城びとストア(https://shirobito.stores.jp/)をご覧ください。

その七 超マニアック!城びと『赤色立体地図お城かるた』発売&スペシャルセミナー開催

お城EXPO2025

赤色立体地図を生み出したアジア航測株式会社全面協力の元、赤色立体地図で表したお城の絵札と、全国から募集した読み札50城分を揃えました! 監修は(公財)日本城郭協会常務理事・加藤理文先生です。マニアックさ、ここに極まれり。

お城EXPO2025

イベント当日は、加藤理文先生および赤色立体地図の考案者・千葉達朗さんの特別講座を開催。実際にかるた取りを行ったり、千葉さんとのじゃんけんで勝ち抜いた方にかるたをプレゼントしたり、大変に盛り上がりました。

その八 『誰に当たるかわからない』ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルお食事券プレゼント

お城EXPO2025 

実は当選条件は、「初日の10時10分に入城した人」! 
見事当選された「おぼろ」さん、武者所のお奉行様と一緒に勝どきをあげました。

その九 小学生以下対象「折り紙ワークショップ」チケットを抽選でプレゼント

お城EXPO2025

忍者&手裏剣を折り紙で織るワークショップの参加無料券をくじ引きで計10名にプレゼント!
ちなみに、もう一つのワークショップ「段ボール刀をつくろう!」もお子様方に大人気でした!

お城EXPO2025

その十 小学生以下対象 「ブース10か所めぐりスタンプラリー」開催!

お城EXPO2025

小学生以下対象でしたが、要望が多く、両日とも午後からは「かつて」小学生以下だった人=大人にも解禁! 10か所回るのは大変ですが、多くの方が楽しんでくださいました。

そのほか10周年記念ということで、「お城EXPO十周年ヒストリー」として、10年間のポスターを展示、さらにこれまでの思い出の写真をスライドショーにして上映しました。

お城EXPO2025

◆小和田哲男先生による「10年間のお城の10大ニュース」

第10位 福山城天守の鉄板発見とリニューアル(令和4年(2022)8月)
昭和20年(1945)の空襲で焼失した福山城(広島県福山市)天守の鉄板が市に寄贈され、その鉄板を参考にして鉄板張りの天守をリニューアルできました。

第9位 熊本城宇土櫓の高石垣が25mと判明(令和4年(2022)6月)
熊本城(熊本県熊本市)の宇土櫓の石垣が、従来考えられていたよりも高く、25mもあったことが判明しました。

第8位 首里城正殿の再建が本格的に進む(~現在)
令和元年焼失した首里城(沖縄県首里市)の首里城正殿再建の起工式を令和4年(2022)11月3日に開催。完成は2026年秋の予定。

第7位 豊臣秀吉最後の築城になる京都新城の発見(令和2年(2020)5月)
京都仙洞御所(京都府京都市)で、「幻の城」と言われてきた京都新城の一部と思われる石垣が発見され、秀吉最後の城は従来の伏見城から京都新城となりました。

第6位 福岡城天守の存在を示す史料の発見(令和6年(2024)12月)
あったかどうか長い間議論されていた福岡城(福岡県福岡市)天守の存在を示唆する黒田藩士の書状が発見されました。

第5位 岐阜城山上の天守付近にも御殿があった!?(令和5年度(2023年度))
岐阜城址(岐阜県岐阜市)山上の天守近くで「かわらけ」や「円礫」が多数出土したことから、織田信長が山上に饗応施設を設けていた可能性がでてきました。

第4位 京都の御土居に障子掘があった(令和6年(2024)2月)
御土居の南西部にあたる京都市下京区朱雀分木町の京都市中央卸売市場の発掘現場から、北条流築城術の障子掘が見つかり、障子掘の手法も真似ていたことがわかりました。

第3位 大御所時代駿府城の絵図が見つかる(令和7年(2025)8月)
姫路藩主酒井家に伝わったという絵図の写し「駿府御城内絵図」の発見により、不明だった駿府城(静岡市葵区)天守周りの様子を詳細に知ることができました。
 
第2位 犬山城天守の築城年が判明(令和3年(2021)3月)
名古屋工業大学麓和善教授らによる年輪年代法という手法により、犬山城(愛知県犬山市)天守が天正13年(1585)から同16年(1588)にかけて築かれたことが分かりました。
 
第1位 明智光秀の坂本城の堀と石垣が見つかった(令和6年(2024)2月)
明智光秀の「幻の城」近江坂本城(滋賀県大津市)の石垣や堀が宅地開発を進めるための発掘調査中に出土、大津市と不動産会社が協議して遺構を残すことになりました。

皆さまのお城ライフの10大ニュースは何でしょうか?
ぜひリストアップしてみてくださいね。

皆さまのおかげで迎えられた10周年。本当にありがとうございました。

執筆/城びと編集部