倭城を歩こう(中井均・加藤理文) 倭城の見方編 第9回 倭城の天守を考える 3 |加藤理文

2回にわたって、倭城の天守について考えてみました。1回目は、記録に残された天守について、2回目は、実際に現地に残っている倭城の天守台の特徴について見てきました。3回目は、一つの城の中に複数の天守台を持つ城について考えてみたいと思います。

国内には、大天守、中天守、小天守と呼ばれて、大きな天守に付設するように小型の天守が存在する例はあります。また、米子城のように旧天守を小天守として再利用し、本丸内に二つ並び建つ例もありますが、これは特別な事象です。ところが、倭城では、一つの城にも関わらず、独立した丘陵上に設けられた曲輪群の一つひとつに天守を配置した城が存在します。

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