所属する古文書の会移動研修、北上・花巻市探訪の二城目は花巻城。今回は和賀・稗貫氏の中世城館の探訪と考えていましたが、現在目にできる「花巻城跡」は、奥羽仕置後に浅野氏が稗貫氏時代の縄張りを改修、南部領となり郡代の北秀愛やその父信愛、南部利直の子政直によって更なる改修が行われた姿です。北から本丸、二ノ丸、三ノ丸を南に向けて梯郭式に配置し、切岸、土塁、水堀によって守る構造はまさに近世城郭の姿です。南部・伊達藩境に位置した花巻城はまさに南部氏の仙台伊達氏を意識した姿と感じます。
見学は三ノ丸大手門跡(花巻市役所本庁舎前)から、円城寺山門(かつての二子城追手門を移築)へ、さらに二ノ丸から本丸へと徒歩にて移動。ここでも地元のNさん、Iさんが同行してくださり、場所ごとに詳細な説明をしていただきました。今回の移動研修も会員の半数に近い三十数名が参加、大型バスでの移動となりました。花巻城跡近辺にバスの駐車場がなく、花巻市観光課の計らいで、城跡に近い民間施設の駐車場を手配していただきました。本当に毎度地元の皆様のご親切には頭が下がります。
城跡の詳細はかつて投稿済なので省略しますが、本丸の土塁、堀、舛形虎口跡、櫓台、馬出などの遺構は残っていますが、二ノ丸、三ノ丸はすっかり市街地化されています。しかし遺構の残る場所ごとに説明看板が設置されており、花巻市の観光政策にも感心した次第。
また、花巻市博物館には花巻城の復元模型や関連資料が展示されています。ぜひこちらも訪問したい場所ですね。
+ 続きを読む