(続き)
副郭南西部からは長大な竪堀が出郭とも呼ばれる南郭の北西部まで続いています。竪堀を下りきり登城道を越えて少し上がると、今度は南郭の西側から南側を囲む横堀に至ります。主郭部外周の横堀や竪堀だけでも充分すぎるほどの見応えでしたが、出郭までこれほどの堀がめぐらされていようとは! こちらも倒木をかいくぐりながら堀底をたどり、横堀の南東端から谷に下りて行くと、副郭南東の横堀の合流点から続く竪堀が南郭の東側を走っていました。竪堀と横堀の間から南郭に上がると自然地形の土地が広がっています。自然地形の奥には幾段かの削平地があり、改修途中で廃城になったということでしょうか。南郭はおおむね灌木や藪が茂っていますが、南辺には一部土塁も見られました。
昨年末の城納めとして登城するつもりが龍王山城に時間をかけすぎたため断念し、年をまたいで今年の城初めとしましたが、技巧的かつダイナミックな堀は見応え充分。幸先の良い城初めになりました。手持ちの縄張図には載っていなかったため、登城道の説明板にある東郭奥の水場や南東尾根の堀を見落としてしまいましたが、いずれ再訪したい城ではあるので、その辺はまたの機会の楽しみにしておきましょう。
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