黒川氏城は六角氏に仕えた黒川氏の城で、後に黒川氏は織田氏に従いました。
黒川氏城は虎口周辺や石段、主郭周辺の土塁の補強など各所に石積みを多用し、
おそらく織田信長の安土城を参考に改修がされているのではないかと推測します。
甲賀の城郭ではおそらく最大規模をほこり、主郭を中心に堀切、土塁を多用し
周辺、特に北側に多くの郭を配置しています。
害獣防止用の扉をあけ中に入ると多数の郭が段々に出迎えてくれます。
そのまま南下しつつ高所に上がっていくと主郭北側に配置した二重の土塁や堀切に
到達します。ここからでも主郭に行けますが、西側を迂回する形で
回り込むようにして主郭を目指します。
案内板に従っているだけなのですが、ぐるぐる回っているうちに自分が
どこにいるのかわからなくなってきます。
やがて石段が現れ、その周辺には石積みが見られます。かつてはここに立派な門が
建っていたと思われます。石段の上は馬出しのような空間で破城のあとのような
散石が見られます。
西の虎口を目指して登っていくと、より多くの散石があり本郭に到達します。
本郭の周辺も土塁の補強に石垣を併用してあり、周囲全体を土塁&石垣で囲っています。
北側の虎口周辺にも石積みが見られ、ここにも門が建っていたと推測します。
北の虎口から土塁沿いに歩いていくと北の郭周辺に到達し、そのまま下山しました。
たしかにこの城は周囲の土豪たちを威圧するには十分な見ごたえのある城でした。
織田氏に従った地元の豪族の権威を高めるために最新技術を惜しみなく注ぎこんでいるように
見受けられますが、この構造だと麓に居館が置けないですね。
下に家臣たちの館があるので、主人は不便な主郭に住んでいたと思います。
権威を高めるためとはいえ、なかなか大変です。安土城もそうなんですけどね。
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