江戸中期に久美浜城(松倉城)の山麓居館跡に江戸幕府が築いた代官陣屋で、丹後国・但馬国の計7万石の天領を管轄し、明治まで存続しました。廃藩置県により久美浜陣屋には久美浜県庁が置かれましたが、ほどなく豊岡県と統合され移転しています。
久美浜公園駐車場から折りたたみ自転車で登城しました。陣屋跡は小学校になっていて、正門脇に説明板が立てられているくらいで陣屋の遺構は見られませんが、小学校東辺の陣屋川は水堀の名残と思われ、玄関へと続く陣屋橋が架けられています。小学校の裏山は久美浜城(松倉城)跡で、城山稲荷社が祀られ城山公園として整備されていますが、朝から蒸し暑い上に草木も伸び盛っているため登城口を確認しただけで引き返しました。
ところで、説明板に記述のある神谷太刀宮に社務所として移築された玄関棟や豊岡市立図書館本館前に移築された正門は、てっきり久美浜陣屋の遺構(移築建物)だと思っていたんですが、それぞれ県庁舎の建設時に新たに建てられたものらしく、厳密には県庁の遺構であって陣屋の遺構ではないようです。玄関棟は老朽化により立入禁止になっていましたが、正門は今も豊岡陣屋跡にその豪壮な姿を見ることができます。
…ということで、2か月以上ぶりの城めぐりです。9月になったとはいえまだまだ暑いのでちょこ城(ぴーかるさん拝借します)めぐりですが、目ぼしい遺構はなくても、陣屋川は堀の名残だろうな…とか、あの裏山がかつての詰めの城だな、などと考えつつ歩く(自転車を走らせる)のはやっぱり楽しいですね。
+ 続きを読む