※ 西高木家陣屋の前身とも云われる多羅城の候補地(のひとつ)ですので、西高木家陣屋で投稿します。
樫原城(城びと未登録)は、築城者など詳細は不明ながら、令和2年の調査で戦国期後半のものと確認された単郭方形の山城で、明智光秀生誕地と伝わる進士家の居城・多羅城の候補地のひとつとされます。
津島神社手前の樫原公民館の駐車場に車を駐めて登城開始。津島神社社殿の北側に樫原城の説明板があり、その脇の登城口から奥に進んで分岐で脇道に逸れると、神社の背後から続く尾根を断ち切る巨大な堀切がありました。幅も深さもなかなかのものです。分岐に戻って進むと主郭の東側に虎口があり、虎口の脇から主郭南辺にかけて分厚く高い土塁が続いています。土塁に登ってみると堀切の底まではかなりの高さがあり、そう簡単には乗り越えられそうにありませんでした。主郭の西辺は急峻な切岸になっていますが、滑落の危険ありとして注意が呼びかけられています。北辺は斜面中腹の横堀(堀切)によって尾根筋を遮断し、横堀には折れも施されています。また東辺の中腹には帯曲輪がめぐり、北東隅部の横堀を見下ろす位置には土塁が設けられていました。30分かからずにひとめぐりできる小さな城ながら、堀切も土塁も横堀も大いに見応えがありました。
さて、これでこの日の山城はおしまいなので、車に戻ってスニーカーに履き替えようとトレッキングシューズを脱ぐと…靴下が血まみれ!? もしやと思って脱いだ靴をはたくと案の定 中からヤマビルが落ちてきました…。ヤマビルを警戒して肌を露出せず、靴下も厚手のものを履いていたんですが、まさか靴下越しにやられるとは……ヤマビルおそるべし。麻酔成分のため痛みはなく、血液凝固を阻害する成分のため本当に血が止まらないんだなぁ、などと妙な感心をしながらとりあえずの止血をして、次からは靴下にヤマビル除けスプレーをするか登山用スパッツで靴の中に入られないようにしないと…などと対策を考えつつ、樫原城を後にしました。
城ケ平城と樫原城のどちらでやられたかはわかりませんが、注意が呼びかけられているとおり本当に出ますので、暑い頃や雨の後などは特に注意して(この日は蒸し暑く小雨まじりという最悪の条件)、充分に対策した上での登城をおすすめします。それぞれヤマビルを警戒しながらでも訪れる価値のある山城だと思いますので。
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