真篠城は標高260m、比高50mほどの小山に築かれています。小さいですが駐車場もあり、案内板も立っています。「南巨摩郡誌」(昭和11年)によれば「武田信玄の時代の烽火場で原大隅守が警護し、その後真篠勇太夫が居館である」と記してあるそうです。
城郭大系には真篠砦として記載がありますが、実際に訪れてみるとなかなか城としての機能を備えているようです。
案内板から城址方向に歩いてみると段々の平坦地が現れます。最高所が主郭で南下に二郭と見られる郭。二郭の左手に土塁か土橋のようなものが主郭に続いていています。主郭の周囲は土塁で囲まれ虎口は北側についています。主郭西側にも郭があり、尾根上にさらに西に降りていくと堀切が尾根を遮断しています。ふたたび二の郭に戻って南に向い、下側に降りたところに石垣が残っています。
そこからさらに南に向かうと畝状の空堀群が郭の端に並んでいてその様は実に壮観です。空堀群はそのまま斜面に続いていて畝状空堀群に変化しています。普段山の斜面に付いている空堀群をこれほど間近に見ることはなかなか無いので、少し感動しました。守る方も動きづらいんじゃないかと思いますがどのような意図で作ったのでしょうか?この城以外ではなかなかお目にかかれない珍しい遺構です。
+ 続きを読む