江戸城のすべて(萩原さちこ) 江戸城の御殿(3)〜男子禁制の女の園・大奥の実態〜

大奥は、将軍の正室である御台所をはじめ、女性だけが生活する男子禁制の世界です。中奥とは銅塀で厳重に仕切られ、原則として将軍以外の男性は入れませんでした。中奥と同じように居間と寝間の2棟で構成され、奥居間、奥寝間と称されます。城主の完全なプライベート空間ですから、表の役人の立ち入りは厳禁で、城主の身辺警護までのすべては御殿女中と呼ばれる女官が行いました。

大奥は、将軍をはじめ御台所や側室などが暮らす「御殿向」、将軍や御台所、側室に仕える人々が暮らす「長局向」(ながつぼねむき)、大奥での事務などを行う役人たちの職場である「広敷向」(ひろしきむき)の3区画から構成されます。

こちらの記事は会員限定です。

城びと会員登録(無料)をすると
続きをお読みいただけます。

関連書籍・商品など