さて、前回は蔚山城の構造について述べましたので、今回は蔚山籠城戦について述べてみたいと思います。蔚山城は普請目録に構造が詳細について記されており、倭城にどのような作事がなされていたかを知るうえで最も重要な史料となっています。さらに数多く築かれたなかで唯一と言ってもよい籠城戦を実際に繰り広げた城としても注目できます。慶長2年(1597)12月22日に築城が完成した蔚山城の在番を命じられた加藤清正が引き継ぎをする直前、明と朝鮮の連合軍がこの城を急襲しました。
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