城と光秀|小和田哲男 第3回 斎藤道三の稲葉山城

稲葉山城は、建仁元年(1201)、二階堂行政が最初に築いたものといわれているが、どのような城だったか全くわかっていない。はじめは稲葉山城という城名もなく、伊賀光宗の弟光資が稲葉と改姓し、そのため稲葉山城という名になったという。南に木曾川、北に長良川が流れ、それが天然の堀となり、三方を急峻な断崖に守られた要害の地ということで、美濃守護土岐氏の守護代斎藤利永が修築し、在城したといわれている。その守護代斎藤氏の名跡を継いだのが斎藤道三で、道三はこの稲葉山城に拠り、守護の土岐頼芸(ときよりのり)を逐い、美濃一国の戦国大名となった。

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