江戸城のすべて(萩原さちこ) 江戸城の濠と江戸の上水システム(2)

家康がつくらせた、日本最古の水道「神田上水」
生活排水や産業排水、雨水などの汚水を終末処理場に集約し処理する施設全般を下水というのに対し、水道水など飲用に適した水を供給する水道のことを「上水」といいます。

天正18年(1590)に江戸入りし、町づくりをはじめた徳川家康が直面したのが、生活用水の確保でした。江戸の町はもともと海岸や湿地を埋め立てた造成地が多いため、井戸を掘っても上質な飲料水が得られなかったのです。そこで家康が家臣の大久保藤五郎に命じ整備させたのが、日本最古の水道、小石川上水(後の神田上水)でした。

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